外務省設置法の一部を改正する法律案
衆議院 内閣委員会
昭和27年法律第38号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- S27.3.25趣旨説明・質疑内閣委員会 879
- S27.3.26委員長報告・討論・採決本会議 2439
- S27.3.26質疑・討論・採決内閣委員会 980
提案理由
石原幹市郎 政府委員(外務政務次官) 昭和27年3月24日外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を御説明いたします。
平和條約が効力を発生いたしますと、終戰以来行われて参りました連合国による日本の占領管理は終了するわけでございますが、これに伴いまして、外務省の所掌事務のうち、占領軍関係の事務はその必要がなくなるわけであります。従いまして外務省設置法の中で連合国による日本の占領管理に関する部分を削除する必要があるわけであります。又一方、昭和二十七年度予算によりますと、外務省の地方支分部局は大幅に縮減することとなつておりまして、このための改正も必要であるわけであります。更に、平和條約の発効によりまして在外公館が設置されますので、これに伴いまして領事官の領事事務も再開されますので、このための改正も必要となります。これらの理由によりまして政府は、ここに外務省設置法の一部を改正する法律案を提案いたす次第であります。
次にこの法律案の内容について御説明いたします。第一に、第三條第九項を割りましたのは、連合国最高司令官総司令部その他連合国最高司令官の下にある官憲との連絡及びこれに関連する各行政機関の事務の総合調整という外務省の任務を落したものであります。これは、平和條約の効力の発生に伴つて連合国による日本の占領管理がなくなるために当然必要とされる改正であります。
第二に、第十二條国際協力局の事務の改正についてでありますが、国際協力局におきましては、従来国際機関及び国際会議への参加並びに国際行政に関することを司つておりましたほか、連合国による日本の占領管理に関する各種の連絡事務、総合調整の事務、文書及び記録の收集及び研究に関する事務、地方に置かれておりました連絡調整事務局に関する事務等を司つておつたのでありますが、平和條約の効力の発生に伴いまして連合国による日本の占領管理が終了いたします結果、それらの事務を削り、国際協力局本来の事務、即ち国際機関及び国際会議への参加に関する事務、條約その他の国際約束の実施に関する事務、国際行政に関する事務の三つを掲げることといたしましたのが第十二條の改正であります。ここに、第二号に掲げました條約その他の国際約束の実施と、第三号に掲げました国際行政とは、若干類似の事務のようでございますが、第二号で予定しておりますのは重要なる政治上の條約その他の国際約束であり、第三号で予定しておりますのは、技術的な国際行政面を予定しているのであります。
次に第三に、第三節を削除いたしましたのは、最初に申上げました通り、昭和二十七年度予算に基きまして地方支分部局を大幅に縮減することとなり、外務省といたしましては、この際、地方支分部局として札幌、仙台、横浜、横須賀、大阪及び福岡の六箇所に設けられておりました連絡調整事務局を全部四月一日から廃止することといたしたのであります。これが第三節を削除した改正であります。
最後に第四に、第二十五條の次に三箇條を加えました改正についてでありますが、平和條約の発効に伴いまして在外公館が逐次世界各地に設置されて行くわけでありまして、これらの在外公館において取扱われます領事事務に関しましては、例えば船舶法、民法、旅券法その他個々の法律の中に規定がありますが、それらを統括して領事官の職務として規定した法律はないのであります。従いまして、それらの諸規定の適用上必要な事項を規定し、且つ、それらに基いて徴收いたします手数料につきまして定める必要がありますので、第二十六條におきましては、他の法令中「領事館」或いは「領事」又は「領事官」とありますのはどういうものをいうか、又領事館が設置されていないが大公使館設置されている所では領事事務はどういうふうにして行うか等を規定しております。又、第二十七條では、領事官の徴收する手数料につきましては政令で定める旨を定め、第二十八條におきましては手数料の減額や免除はどういう場合に行うかを定めております。これは、国の債権の全部又は一部を免除する場合は、法律によらなければならないとしている財政法第八條の趣旨により設けた規定であります。
以上が本改正案についての説明でありますが、なお、附則におきましては、その第一項におきまして、この法律の施行期日は四月一日である旨を定めております。但し、第三條及び第十二條の改正規定、即ち、連合国の占領管理の終了に伴つて必要とされる事項についての改正は、その内容上当然のことでありますが、日本国との平和條約の最初の効力の発生の日から施行することとしているのであります。附則の第二項は、日本政府在外事務所設置法の一部を改正いたしまして、手数料に関する規定である第十三條を削つております。これは新たに設けられました第二十七條及び第二十八條によりまして、在外事務所も領事官の徴收する手数料に関する規定によつて手数料を徴收することができるようになつたからであります。なお、領事官の徴收する手数料に関する規定を在外事務所に適用することにつきましては、日本政府在外事務所設置法の附則の第二項におきまして他の法令中「領事館」又は「領事官」とあるのは「日本政府在外事務所」又は「在外事務所長」と読み替える旨が規定されている次第であります。
以上が外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその内容の説明であります。何とぞ慎重御審議の上速かに可決あらんことをお願いいたします。
第13回国会参議院内閣委員会会議録第9号1頁(昭和27年3月24日)〔石原幹市郎政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301090)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。