日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案
参議院 水産委員会
昭和27年法律第243号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院水産委員会
- S27.5.13趣旨説明水産委員会 3415
- S27.5.15質疑水産委員会 35118
- S27.5.17質疑水産委員会 3645
- S27.5.31質疑・採決水産委員会 3912
- S27.6.5委員長報告・討論・採決本会議 5077
提案理由
野原正勝 政府委員(農林政務次官) 昭和27年5月13日日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための船漁の操業制限等に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
この法律案の目的としますところは、安全保障條約に基いて駐留する合衆国軍隊の訓練等のため、一定の水面が、日米合同委員会で協定して使用せられる場合におきまして、その水面における漁船の操業が駐留軍の訓練等の支障とならないようにこれを規制する反面、これによつて漁業経営上損害をこうむつた漁業者の損失を補償することであります。
まず、漁船の操業の規制の点について御説明いたしますと、漁船の操業の制限または禁止を行いますのは内閣総理大臣でありますが、あらかじめ農林大臣の意見を聞いて行うこととなつております。この操業の制限や禁止を行いますのは、行政協定に基く合同委員会で協定せられた範囲における使用水面に限られるわけでありまして、右の合同委員会においては、わが国の漁業の実情を十分反映し、駐留軍の水面使用の目的を達し得るとともに、漁業における被害を最小限にとどめるよう折衝しているのであります。
次に損失補償について御説明にたしますと、その要点は、第一に、この損失補償を受ける者は、操業を制限または禁止されたところのその水面で、従来適法に漁業を営んでいた者であつて、しかもこの制限または禁止によつて漁業経営上損失を受けた者であります。漁業権または入漁権に基いて漁業を営んでいる者は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法によつて、その権利を収用または使用せられ、その際補償を受けますため、この法律による損失補償の対象とならないことを予定しているのでありまして、許可漁業を営んでいる者その他適法に漁業を営んでいる者がその対象となつているのであります。なお、補償すべき損失の範囲は、漁船の操業の制限または禁止によつて発生した損失であり、かつ漁業経営上生じた損失のうち通常生ずべき損失といたしました。これは操業の制限または禁止と密接な因果関係のある範囲に限ることを意味するのであります。
第二に、損失補償の申請手続でありますが、これは都道府県知事を経由して内閣総理大臣に対して行うこととし、知事は、これにその意見をつけて内閣総理大臣に進達することといたしました。これは、都道府県知事が被害を受けた漁業者の実情に精通していると考えるからであります。
第三に、損失補償額の決定は、内閣総理大臣が決定しまして、都道府県知事を通じて申請者に通知することといたし、補償金は、一定期間内に交付することといたしましたが、これらの事務の実施には、調達庁長官が当ることを予定しております。
第四に、補償申請者の利益を保護する措置といたしまして、異議の申立と増額請求の訴えを認めているのであります。
最後に、この法律案の意図するところは、駐留軍による水面使用によつて漁業者のこうむる損失に対して適正な補償を行うことを制度化しまして、漁業経営上の不安を除き、その保続をはかることに重点を置いて考えている次第であります。
以上申し述べましたところが本法案提出理由の大要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
第13回国会衆議院水産委員会議録第34号1頁(昭和27年5月13日)〔野原正勝政府委員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101301205)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。