外航船舶建造融資利子補給法案
衆議院 運輸委員会
昭和28年法律第1号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院運輸委員会
- S27.12.12趣旨説明・補足説明・質疑運輸委員会 1043
- S27.12.19質疑・討論・採決運輸委員会 16190
- S27.12.22委員長報告・採決本会議 1458
衆議院運輸委員会
- S27.12.16趣旨説明・補足説明・質疑・採決運輸委員会 14139
- S27.12.17採決・委員長報告本会議 1556
提案理由
石井光次郎 運輸大臣 昭和27年12月12日只今提案になりました外航船舶建造融資利子補給法案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申上げます。先ず提案の理由について御説明申上げます。
日本経済の自立達成のためには、国際収支の均衡を保つことが基礎的要件でありまして、一方において貿易の伸暢を図ると共に、他方貿易外収入の大宗である海運の拡充を一段と推進することが必要であります。そのためには、日本外航船腹を拡充いたしますことは、喫緊の要事と言わねばなりません。
戦後の我が国海運の実情は、戦災によりましてその保有船腹の大半を喪失し、而も海運再建の主軸となるべき戦時補償が一切打ち切られました結果我が国が必要とする商船隊の再建につきましては、その所要資金の殆んどすべてを、国際的に見て極めて高利な借入金によつて賄わざるを得ない状況であります。更に建造船価の高騰、税負担の加重等も海運経営の負担を増加しておりまして、このような脆弱且つ不安定な経営基礎は、最近のごとき世界的運賃市況の悪化に遭遇いたしますと、忽ちその欠陥を露呈せざるを得ないのであります。これらの事情は、我が国における今後の船腹拡充計画の遂行に重大な障害となつておることは御承知の通りであります。
本来海運業については、その経営基礎をできる限り国際水準に追随せしめることが肝要でありまして、而も先に述べましたような我が国海運の実情をも考え合わせますと、我が国海運が国際競争に伍し得る基礎的條件を整えるためには、政府の積極的な施策が極めて緊要であります。この法律案は、それらの施策のうち、最も急を要するところの利子補給制度を先ず実行に移すことを目的といたしておるものであります。
この法律案は、政府が金融機関と契約を結び、船舶建造のために金融機関が必要資金を融資するときは、その融資について利子補給金を支給し、日本経済の自立達成に資するために必要な外航船舶の建造を促進しようとするものであります。
次にこの法律案の概要について御説明申し上げます。先ず政府は、金融機関と契約を結び、外航船舶建造のために融資せられた融資残高について、その金融機関が船舶設備資金等を貸出す場合の利率と、財政資金の利率の七分五厘との差額の利率を限度として、利子補給金を支給することができることといたしております。
この利子補給金は、契約によつて政府から金融機関に支給せられるものでありますが、金融機関は当然にその受けただけの利子補給金に相当する利率だけ実際の利率を引き下げなければなりません。従つて、実際の支給は金融機関に対してなされるのでありますが、これによつて船舶を建造した船主が、その船舶についての経費をそれだけ引き下げられるという利益を受けるのであります。
予算上の措置といたしましては、今年度の補正予算に、国庫債務負担行為として、今年度の追加建造分の貨物船約五万総トンについて、将来七カ年度に亘り総額三億三千五百五十三万八千円を要求いたしておりますが、これは財政法に規定されております国庫債務負担行為の限度である三年を超えますので、その特則を設ける意味から、利子補給金を支給する年限を八カ年度と規定した次第であります。
なお、附言いたしますならば、この利子補給制度は昭和五年から実施されておりまして、昭和十四年に船舶建造融資補給及損失補償法として立法化され今日に至つておるのでありますが、昭和二十四年度以降は新しい契約ができないこととなつております。従いましてこの法律案におきましては、同法を廃止いたし、その利子補給制度のみを復活しようとするものであります。
以上が、この法律案の提案の理由と概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを希望いたします。
第15回国会参議院運輸委員会会議録第10号1頁(昭和27年12月12日)〔石井光次郎運輸大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101501018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。