農業災害補償法の一部を改正する法律案
参議院 農林委員会
昭和28年法律第93号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林委員会
- S28.5.27趣旨説明農林委員会 266
- S28.6.17派遣委員報告・質疑農林委員会 435
- S28.7.1附帯決議・修正案・修正案趣旨弁明・採決(修正)農林委員会 1278
- S28.7.2修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 1635
- S28.7.21参議院回付案・参議院回付案不同意本会議 2576
- S28.7.25両院協議会成案本会議 2845
- S28.8.10附帯決議本会議 391
参議院農林委員会
- S28.5.29趣旨説明農林委員会 2160
- S28.7.7質疑農林委員会 1184
- S28.7.13衆議院修正部分趣旨説明・質疑農林委員会 13111
- S28.7.14衆議院修正部分趣旨説明・質疑農林委員会 1461
- S28.7.15修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)農林委員会 15111
- S28.7.15委員長報告・採決(修正)本会議 2258
- S28.7.27両院協議会協議委員議長報告・採決本会議 2765
両院農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会
- S28.7.23両院協議会農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会 143
- S28.7.24両院協議会・両院協議会成案農業災害補償法の一部を改正する法律案両院協議会 213
提案理由
篠田弘作 政府委員(農林政務次官) 昭和28年5月27日農業災害補償法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明いたします。
農業災害補償制度につきましては、本制度実施五年の経験に徴しまして、さらに農家負担の軽減、蚕繭共済制度の改善、共済団体の性格に即した監督の適正化等必要な改善を行い制度の円滑な運営を期するため、この法律案を提案する次百であります。以下この法律案の主要内容について御説明いたします。
第一は、共済掛金の農家負担の軽減及び災害の危険度に応じた共済金額の個別化であります。農作物共済の共済掛金の負担につきましては、従来通常共済掛金標準率が全国を通じて最低となる県の通常共済掛金標準率部分を全国共通に全額農家負担としておりましたが、全般的に農家負担を軽減するために、通常共済掛金標準率のうち安全割増率を差引いた率のうち全国を通じて最低のものの三分の一の部分を新たに国庫負担とすることといたしました。なおその結果従来の方法によりますと、被害の程度の低い地域の国庫負担割合が少かつたのでありますが、これらの地域についても国庫負担の割合の合理化が期せられることになりました。
また蚕繭共済の共済掛金の負担につきましては、国庫と農家との負担を合理的にするために、農作物共済の負担方法の改善と併行してこれと同様の負担方法とすることといたしました。
さらに共済金額の個別化につきましては、被害の危険階級ごとにある程度の幅を設けてその範囲内で共済金額を選び得るように改正をいたしました。
第二は蚕繭共済制度の改善であります。蚕繭共済におきましては、現行法によりますと共済事故による減収が組合員の平年収繭量の四割以上の場合に共済金を支払うこととしておるのでありますが、農業災害補償法の目的を十分に達成するために三割ないし四割の減収の場合にも共済金を支払うことといたしました。また蚕繭共済は、現行法では、全蚕期を通じた保険の建前となつております関係上、共済掛金率は、春蚕繭も夏秋蚕繭も同率で、このため春蚕繭については掛金が割高、夏秋蚕繭については割安という不合理があり、また最終蚕期の収繭が完了いたしませんと再保険金の額が決定しないため、共済金の支払いが遅れるという支障がありましたので、これを蚕期別保険の建前に改め、春蚕繭と夏秋蚕繭の被害の実態に応じて掛金率を個別化いたしますとともに、再保険金の額を蚕期別に決定することにより共済金の支払いの円滑をはかることといたしました。
なおこれらは従来から検討を進めて参つた問題でありますが、蚕繭共済の料率改訂期となつております本年からこれを実施し、本年の春蚕繭にさかのぼつてこれを適用することといたしたのであります。
第三に共済団体の運営につきまして、農業災害補償制度の一環としての特殊な性格にかんがみまして、公益的見地からの適正な監督を行い得ることとし、また役員の責任を明確ならしめることといたしました。
以上がこの法律案の大要でございます。
なお今年産水稲及び陸稲につきましては、その引受の時期が迫り、これが遅滞いたしますことは、今後の制度の運営に悪影響を残すこととなりますし、蚕繭及び麦につきましては、特に今年四月から五月にかけての凍霜対策の重要な一環として改正された制度により算出される再保険金の概算払いが強く要望され、政府といたしましても、数字がまとまり次第すみやかにこれを実施いたしたいと考えておりますので、本法年を緊急に提案した次第でありますから、何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決あらんことをお願いする次第であります。
第16回国会衆議院農林委員会議録第2号2頁(昭和28年5月27日)〔篠田弘作政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
昭和二十二年農業災害補償法の施行を見て以来今日まで数次の改正を行い、その間続発した農業災害に対処して、農家経営の安定、農業生産の確保のため、相当の効果を発揮して来たが、災害の集中的発生の傾向、農家の掛金負担の過重、連合会の赤字累積等に関連して、本制度の基本性格に対する批判もまた無視すべからざる程度に至つた。今回政府より提出された改正法案は、現行制度の存続を前提とする限り、水稲の農家負担を引下げる等の点で一応の改善案であり、かつ水稲共済の引受けを控えて早急に成立を図るべきものであるが、わが国農業経営の現状に関連して農業共済制度の今後のあり方に関し、根本的な検討を加えたものでないことははなはだ遺憾とするものである。よつて本委員会は、政府が這般の事情を率直に認識し、可及的すみやかに、制度の根本的改廃の措置を講ずべきことの必要を認めるものである。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101601009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。