地方財政法の一部を改正する法律案
衆議院 地方行政委員会
昭和28年法律第208号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会
- S28.6.23趣旨説明地方行政委員会 574
- S28.7.8質疑地方行政委員会 1133
- S28.7.11質疑・修正案・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)地方行政委員会 1437
- S28.7.16修正案・採決(修正)・委員長報告本会議 2342
提案理由
塚田十一郎 郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官 昭和28年6月23日ただいま提出いたしました地方財政法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
終戦後インフレーシヨンの抑制と経済の安定に寄与いたしますため、地方財政の面においても極度に健全財政の方針を貫き、地方公共団体が地方債をもつて財源とすることができる場合を強く制限して参つたのであります。
しかしながら、近来ようやく経済も安定の段階に入つて参りましたし、他面規模の小さい団体の多い地方財政の面においては、公用施設といえども臨時に多額を要する経費を一般財源でまかなうことを一律に強制することは困難でありますので、一面には地方債をもつて財源とすることができる場合を拡張し、他面には地方債の分量を増加するとともに公募債によつても、相当の資金を集めることができるようにする必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。
以下内容の概要を御説明申し上げます。
改正の第一は、地方公共団体は公用施設の建設事業費の財源とする場合においても、地方債を起すことができるものとすることであります。地方財政法が制定せられました昭和二十三年のころは、なお悪性インフレーシヨンの進行しているさ中でありまして、その経済情勢を背景として、健全財政を確保いたして参りますためには、住民一般の使用する公共施設の建設については、地方債をもつてその財源とすることを認めても、行政全体の直接の用に供する公用施設は、地方債をもつてその建設費に充てることは認めないのも、やむを得ないとされたのであります。しかしながら、これらの規定が実施されて四年有余を経た今日、経済情勢も大いに異なつて参りましたので、臨時に多額を要する経費について、年度間の調整をはかろうとする地方債の本来の機能を発揮せしめて、公共施設のみでなく、公用施設の建設についても、地方債をもつてその財源とすることを認めるのが適当ではないかと考えられるに至つたのであります。
改正の第二は、公募債を中心として地方債に関する規定を整備しようとするものであります。地方債は従来そのほとんど全部を政府資金によつてまかなわれ、民間資金を募集するいわゆる公募は、ほとんど行われなかつたのでありますが、昭和二十八年度においては、地方財政計画上百八十億円の公募資金を予定しているのであります。これらの地方債を育成し、その信用を高めるためには規定を整える必要があるのであります。
その一は、公共施設または公用施設を建設するために起した地方債の償還年限は、当該施設の耐用年数を越えないようにしなければならないものとすることであります。償還年限を耐用年数以上に延長いたしますと、当該地方債によつて建設した施設が老朽し、再建のため再び資金を借り入れなければならない際、いまだ旧債が償還されていないということになつて、いたずらに債務が加重して参るのであります。その結果は、財政を健全な基盤の上で運営することができなくなつて、地方債償還についての信用をも損するに至るおそれがあるからであります。その二は、証券発行の方法による地方債の発行及び償還について、技術的な事項を政令で規定するものとするほか、この種の地方債について割引発行及び抽籤償還をすることができる旨の規定を設けることであります。その三は、証券発行による地方債について商法の社債に関する規定の一部を準用することであります。証券による地方債について、公衆の保護をはかる必要がありますため、募集の委託を又けた、いわゆる受託会社の権限及び義務について、商法の規定の一部を準用し、一面には、地方債権者のために、地方債の償還を受けるに必要な一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を保障することにより、受託会社が、地方債権者にかわつて適切な行為を行うことができるものとし、他面には受託会社が地方債の償還を受けた場合は、遅滞なくその旨を公告するものとするほか、受託会社が二以上あるときは、地方債権者に対し、連帯して償還額の支払いをなす義務を負うものとしたのであります。
その四は、資金調達を容易ならしめるために、地方公共団体が一部事務組合を設けて起す地方債については、当該組合と当該組合を組織する地方公共団体とが連帯してその償還及び利息の支払いをなす責に任ずるものとすることであります。
その他に、個人に対する市町村民税の所得割について、標準税率とみなすべき場合の税率の算定方法を規定し、地方公営企業法の施行により、不必要となつた規定を削除する等必要な規定の整備を行つております。
以上地方財政法の一部を改正する法律案の概要を御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたす次第であります。
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第16回国会衆議院地方行政委員会議録第5号13頁(昭和28年6月23日)〔塚田十一郎郵政大臣発言・発言番号70〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101601026)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。