国の援助等を必要とする帰国者に関する領事館の職務等に関する法律案
参議院 外務委員会
昭和28年法律第236号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
大江晃 政府委員(外務事務官(大臣官房長)) 昭和28年6月24日ただいまより国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案の提案理由を御説明いたします。
この法律案は、いわゆる引揚者の帰国のための臨時措置の対象となる在外国民を除き、一般に領事官の駐在している地に在留する在外国民が、困窮のため帰国を余儀なくされあるいは在留する国の官憲による退去強制の処分を受ける場合におきまして、それらの者が自己の負担で帰国できないときには、領事官がその職務の一端として帰国を援助する等の措置を定めるための法律案でございます。現に、平和条約発効後在外国民であつて、これに対してわが政府として援助等の措置をとらなければならない事例がすでに発生しており、さらにその件数は増加することが予想されます。
従いまして、これらの在外国民につき、その援助等の措置をどう定めるか、また、その費用の償還をどうするか等の事項を法律で規定する必要が生じたのであります。
以上が、この法律案を提案いたします理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御採択あらんことをお願いいたします。
次に在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を御説明いたします。
去る第十三回国会におきまして、在外公館の名称及び位置を定める法律(昭和二十七年法律第八十五号)及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)が制定せられまして、昭和二十七年度内に設置すべき在外公館についての諸規定が定められました。
今日わが国外交施策の推進、特に通商関係の発展を期するため在外公館を増設する必要はなお切なるものがありますが、政府といたしましては、昭和二十八年度において増置すべき在外公館について慎重な検討を加えました結果、在キユーバ、在コスタ・リカ、在パナマ、在ヴエネズエラ、在ボリヴイア、在イラン、在オーストリア、在ルクセンブルグの八公使館、並びに在ベレーン、在ダッカ、在ナイロビ、在ラゴスの四領事館、合計十二館を増置いたす方針を決定いたしました。なお右増置予定十二館のうち、在パナマ、在コスタ・リカ、在ボリヴイア及び在ルクセンブルグ各公使は、それぞれ在メキシコ大使、在ペルー公使及び在ベルギー大使をして兼摂せしめるものであります。従つてこの四館につきましては当面、人員と予算を必要といたしません。なお、このうち在パナマ、在ボリヴイア、在ルクセンブルグの三公使館は早急に開設する必要がありましたので、国会閉会中に政令をもつてすでに設置いたしたものでありますが、このたび在コスタ・リカ公使館とあわせてあらためて法律をもつて設置するものであります。
右の十二館増設のため、第一条におきまして、在外公館の名称及び位置を定める法律(昭和二十七年法律第八十五号)の一部を改正いたすわけでございます。
第二条につきましては、右十二館の増置に伴いまして、これら在外公館に勤務する外務公務員に支給すべき在勤俸の支給額を定める必要が生じますので、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)の一部を改正し、同法の別表に右十二館の在勤俸の額をつけ加えるわけであります。これらの在勤俸の額は既設の在外公館分について算定したのとまつたく同じ方法に基きまして、各館別及び号別に算出をしたものであります。
なお、昨年末、第十五国会において、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第三百二十三号)が制定され、特別職の職員にも一般職の職員と同様、年末手当にかえて期末手当が支給されることとなりましたので、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律中の特別職たる大使及び公使にも期末手当を支給するため、同法中の年末手当に関する規定にかえるに期末手当の規定をもつてするよう、同法をあわせて改正せんとするものであります。さらに、特別職の職員の給与に関する法律の期末手当は、六月十五日及び十二月十五日の年二回に支給することになつておりまして、国内に勤務する特別職の職員は、すでに本年度六月十五日の期末手当を受けておりますので、これとの均衡をはかるため、在外公館に勤務する特別職の大使及び公使にも、本年六月十五日に支給すべき期末手当に相当するものを、この法律施行の日から五日以内に支給するよう定めんとするものであります。
第三条につきましては、日本政府在外事務所設置法(昭和二十五年法律第百五号)に基いて、講和条約発効前三十の在外事務所が設置され、さらに昨年八月、日本政府在外事務所増置令(昭和二十七年政令第三百六十一号)によりマニラに在外事務所が増設せられたのでありますが、マニラを除きこれら在外事務所の所在地には、講和発効後それぞれわが国の大、公使館あるいは総領事館、領事館が設置され、従来の在外事務所の所掌事務であつた事項は、すべてこれらの在外公館が処理しておる次第でございます。従いまして、今回、右政令をもつて増置された在マニラ日本政府在外事務所を法律化してこれを残置いたしますとともに、その他の在外事務所を一括廃止することが適当となりましたので日本政府在外事務所設置法中表の一部を改正いたす次第であります。なお在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律附則におきまして、在外事務所に勤務する職員を当該在外事務所の所在地に置かれる大、公使館(総)領事館に勤務する在外職員とみなし同法を適用することになつておりますので、日本政府在外事務所設置法の給与に関する規定を廃止する必要がある次第でございます。
終りに、附則におきましては、この法律は、公布の日から施行することを定めるとともに、在マニラ在外事務所に関する日本政府在外事務所増置令及び在ルクセンブルグ、在パナマ、在ボリヴイア公使館に関する在外公館増置令は、それぞれ、この法律で設置されるのに伴い不要となりますので、これら増置令を廃止することを定めんとするものでございます。
以上が在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を提案する理由及びその内容の説明であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
第16回国会衆議院外務委員会議録第6号3頁(昭和28年6月24日)〔大江晃政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101601048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。