警察法案
衆議院 地方行政委員会
衆議院 地方行政委員会公聴会
参議院 地方行政・内閣・人事・法務連合委員会
昭和29年法律第162号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会・地方行政委員会公聴会・地方行政委員会人事委員会法務委員会連合審査会
- S29.2.16趣旨説明・質疑本会議 1043
- S29.2.19趣旨説明・補足説明地方行政委員会 1452
- S29.2.22質疑地方行政委員会 1582
- S29.2.25質疑地方行政委員会 1784
- S29.2.26質疑地方行政委員会 18112
- S29.2.27質疑地方行政委員会 1977
- S29.3.2質疑地方行政委員会 2084
- S29.3.4逐条説明地方行政委員会 2220
- S29.3.5逐条説明・質疑地方行政委員会 2362
- S29.3.6逐条説明・質疑地方行政委員会 2451
- S29.3.9質疑地方行政委員会 26159
- S29.3.16公聴会地方行政委員会公聴会 1172
- S29.3.17公聴会地方行政委員会公聴会 2194
- S29.4.14質疑地方行政委員会 4472
- S29.4.16質疑地方行政委員会 456
- S29.4.17質疑地方行政委員会 4638
- S29.4.19質疑地方行政委員会 47206
- S29.4.20質疑地方行政委員会 48144
- S29.4.21質疑地方行政委員会 4922
- S29.4.23質疑地方行政委員会 50135
- S29.4.26質疑地方行政委員会 5172
- S29.4.27質疑地方行政委員会 52115
- S29.4.28質疑地方行政委員会 53189
- S29.4.30質疑地方行政委員会 54335
- S29.5.6趣旨説明・質疑地方行政委員会人事委員会法務委員会連合審査会 1138
- S29.5.6質疑地方行政委員会 5516
- S29.5.7質疑地方行政委員会 56330
- S29.5.8質疑地方行政委員会 57300
- S29.5.10質疑地方行政委員会 58257
- S29.5.11質疑地方行政委員会 59429
- S29.5.14質疑・修正案・修正案趣旨説明地方行政委員会 62304
- S29.5.15修正案・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 5033
- S29.5.15討論・採決(修正)地方行政委員会 6317
参議院地方行政委員会・地方行政・内閣・人事・法務連合委員会
- S29.2.17趣旨説明・質疑本会議 1081
- S29.5.17趣旨説明・補足説明・衆議院修正部分趣旨説明地方行政委員会 38108
- S29.5.20公聴会地方行政委員会 4077
- S29.5.21公聴会地方行政委員会 41102
- S29.5.25質疑地方行政委員会 44246
- S29.5.26質疑地方行政委員会 45367
- S29.5.27質疑地方行政・内閣・人事・法務連合委員会 1420
- S29.5.28参考人招致・質疑地方行政委員会 46379
- S29.5.29質疑地方行政委員会 47183
- S29.6.1質疑地方行政委員会 48497
- S29.6.2質疑地方行政委員会 49100
- S29.6.3質疑地方行政委員会 50156
- S29.6.7中間報告・質疑・討論・採決本会議 5923
提案理由
犬養健 法務大臣 昭和29年2月16日今般提出いたしました警察法案につきまして、提案の理由並びにその内容の概略を御説明いたします。
現行の警察法は、戦後早々にして占領政策の一環として施行せられたものでありまして、戦前のわが警察制度を根本的に改革して民主警察の理想を高揚した点においては確かに画期的な意義を有してはおりますが、何分にも忽忙の間に当時の国際事情を反映しつつ制定せられましたために、わが国情にいささか適しないところが多く、その運用の結果に徴しましても非能率にして不経済の欠陥を免れず、しこうして、かかる欠陥を是正するために早晩抜本的な改正の必要であることは、つとに世人の広く認めるところでありました。すなわち、現在の警察制度は国家地方警察と市町村自治体警察との二本建になつておりますが、町村を管轄する国家地方警察は国家的性格に過ぎて自治的要素を欠除し、都市を管轄する自治体警察は完全自治に過ぎて国家的性格に欠くるところがあり、これを要するに、都市と町村において性格の相異なる警察が存在するという結果になつているのであります。しこうして、このことは、元来国家的性格と地方的性格とを兼ね有すべき近代警察事務の運営にとつて、それ自体適合せざるものを内在している結果となつているのであります。さらに、市町村自治体警察は、治安の対象地域が近時とみに広くなりつつあるにかかわらず、おのおのの市町村単位において独立しているのでありまして、この細分化された警察組織のもとにおいては、警察運営の責任もまた多数に分割され、従つてその有機的活動は著しく阻害されているのであります。もちろん、従来といえども、これらの警察相互間におきましては、あるいは人事の交流によつて意思の疏通をはかり、あるいは援助の協定を行つて連絡調整を密にする等、それぞれ努めては参つたのでありますけれども、何と申しましても、制度自体が内蔵する欠陥の前には、運用の妙にも限界があるのでありまして、ために、警察単位の分割により生ずる盲点の存在が警察の効率的運用をみずから傷つけて参つた次第であります。かつ、この欠陥は国の治安に対する責任の不明確という点にも大きく影響しておりますことは、近来頻発する種々の事件に関連して国民の記憶の新たなところであると存じます。さらに、一方、行財政改革の見地に立ちまするならば、国家地方警察と市町村自治体警察との施設及び人員が互いに重複していることは、国民にとつてはいたずらに複雑かつ不経済な負担となつているのでありまして、この面よりするも、制度の根本的刷新の要は今や社会の輿論であると申しても過言ではないと思うのであります。(拍手)しかしながら、現行制度における叙上の弊を改めるにあたり、警察の民主的な運営、言いかえれば、国民が警察運営に対してする関与は、これを依然として保障すべきはもちろんのことでありまして、この民主的な保障の基盤の上に治安任務遂行の能率化と責任の明確化との二つの懸案の解決をはかつたものが今般のこの法律案の骨子となつている次第であります。(拍手)
まず、この法律案の内容について主要な点を申し上げますならば、第一に、公安委員会制度を存置したことでございます。すなわち、警察の管理と運営の民主的保障を確保するため、中央地方を通じて公安委員会制度を置きまして警察を管理せしめることにいかしたのでございます。すなわち、中央においては内閣総理大臣の所轄のもとに国家公安委員会を、また地方においては都道府県知事の所轄のもとに都道府県公安委員会を置きまして、それぞれ国民を代表する委員からなる会議体の機関によつて警察庁または都道府県警察を管理せしめることといたしまして、もつて警察の民主的な管理運営を確保し、かつ警察の政治的中立性を維持せんといたしたのであります。なお、この際公安委員に広く有為の人材を得るため、その資格の制限を大幅に緩和し、その制限は警察と検察の職業的前歴者のみに限ることといたしたのであります。
第二には、警察を府県警察に一本化したことであります。すなわち、警察の能率的運営を保持するため、現在の国家地方警察及び市町村自治体警察はともにこれを廃止いたしまして、新たに都道府県警察を置くことといたしたのであります。この理由につきましては冒頭に詳しく述べましたので省略いたすことといたしますが、ここに一言申し加えたいのは大都市の警察についての措置であります。大都市警察につきましては従来種々議論の存するところでありますが、結論において、これを府県と併立させることは、大都市とその周辺地区とを遮断せしめまして、このために、警察対象としての両地区の一体性を阻害し、警察運営の有機的活動に著しき障害を来すのみならず、財政的にもきわめて不経済な結果となりますので、これを都道府県警察に一元化する必要を認めた次第であります。
第三に、府県警察の内容でございます。すなわち、都道府県警察につきましては、国家的要請に基く最小限度の制約を除きまして、あとう限りこれに自治体警察としての性格を具備せしめることといたしたのであります。すなわち、都道府県警察の性格は、申すまでもなく、地方公共団体たる都道府県の機関としての警察でありまして、言いかえれば、これは都道府県自治体警察でありまして、知事の所轄のもとにある都道府県公安委員会が全面的にこれを管理いたし、その管理のもとに警察本部長が職務を行うのであります。従つて、その職員は原則として地方公務員の身分を有するものでありまして、かつ、警察に要する経費については、一定の国家的な警察活動に必要なる経費を国が支弁するほかは、原則として府県の負担といたしたのであります。また、都道府県警察の諸般の組織や職員の人事管理その他の行政管理事項はいずれも都道府県の条例で定めることといたし、これらの警察行政は、都道府県議会における審議を通じて常に住民の公然たる批判の前に置かれ、従つて住民の批判に制約される次第でありまして、この作用によつて自治体警察の特長と美点とをあわせて具備せしめたのであります。従つて、この精神に立脚いたしまして、都道府県警察は国家的な警察事務に限つて中央の警察庁の指揮監督を受けるものといたし、その事項は法律に明記いたしまして、もつて警察の中央集権化の事なきよう十分な配慮をいたした次第であります。しこうして、これがため、警察本部長とごく少数の警視正以上の首脳職員はこれを国家公務員といたし、これらは警察庁長官が国家公安委員会の意見を聞いて任免することとし、他面、この任免に対して管理者たる都道府県公安委員会は懲戒罷免に関する勧告権を行使し得ることといたし、もつて両者の権能について均衡あらしめた次第であります。なお、都の警視総監の任命は、ことにその地位の重要性にかんがみまして、内閣総理大臣が国家公安委員会の意見を聞いて任命することといたし、これに対する罷免懲戒の勧告権の所在は他の都道府県の場合と同様にいたしたのであります。
第四には、中央の警察機構のことでございます。すなわち、中央の警察管理機関たる国家公安委員会の委員長は国務大臣をもつて充てることといたし、国家公安委員会は、その管理のもとに警察庁を置いて、国の公安にかかわる警察運営をつかさどり、警察の教養、通信、鑑識、統計及び装備に関する事項を統轄いたし、並びに警察行政に関する調整を行わしめることにいたしたのであります。さらに、国家公安委員会は委員長及び五人の委員をもつて組織することといたしましたが、委員長は国務大臣をもつてこれに充てることといたしましたけれども、この委員長は会議に際して表決には加わらず、従つて国家公安委員会が政治的中立性を保つところの会議機関である現在の性格は今般の改正によつてもこれを一貫して保持することといたしておるのでございます。
〔議長退席、副議長着席〕
同時に、委員長として新たに国務大臣が加わることにより、政府の治安に対する国家的の考え方が国家公安委員会の中正な判断によつて濾過せられた上警察運営の上に具現されるようにいたしました。かくのごとくにして、政府の治安責任と警察の政治的中立性との調和をはかつたものでございます。また、警察庁は、国家公安委員会の管理のもとにきわめて特定の国家的な警察事務を所掌し、しこうしてこれに関しては都道府県警察を指揮監督することといたしましたが、その事務の範囲は上述のごとく最小限度の列挙事項にのみ限定いたしたのであります。従つて、個個の一般犯罪の捜査のごときはこれを中央の権限より除去いたしたのであります。なお、警察庁長官は、政府の治安責任を明確にするため、内閣総理大臣が国家公安委員会の意見を聞いて任免することといたしましたが、他面、これに対しては国家公安委員会が長官の懲戒罷免に関する勧告権を行使し得ることは、道府県公安委員会の権限の場合と同様でございます。
なお、この改正が実施せられます場合は、機構の簡素化により、警察職員の数において三万人、経費において約九十億円を減少し得る予定であります。また、この改正の実施に伴い、国家地方警察職員も市町村自治体警察職員もともにその身分に変更を生ずる結果となりますが、この場合も、努めて新機構への受入れの円滑を期するため、職員の身分を保障するとともに、俸給の減額となる者についてはその差額について調整の措置を講じ、かつ恩給、退職手当についても従来の在職年数はすべて通算することといたし、これら誠実な職員の生活に不安を与えざるよう万全の配盧をいたしたのであります。しこうして、従来の国家地方警察と自治体警察とがその用に供しておりました財産の移転につきましても、制度の切りかえに伴い支障を来すことのないよう、すべて国と都道府県、市町村との当事者相互間の協議によつて譲渡を行うものといたしまして、特別の事情あるものについては債務を承継しまたはこれを有償とする等の措置を講じておる次第であります。
なお、本法案が幸いに成立いたしました上は、これを来る七月一日に施行する所存であります。
以上、本法案提出の理由及びその内容を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決せられんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
次に、今般提案いたしました警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
本法律案の提案の理由は、今般提案いたしました警察法案と関連いたしまして、関係法令の規定を整理し、これに伴い所要の経過措置を定める必要があるためであります。
この整理の方針といたしましては、関係法令中の関係事項について警察法案の規定上当然に整理改正を要するものを改めることといたしました。経過措置につきましては、警察法案の規定及び本法律案による整理に対応して必要な規定を設けることといたした次第であります。
何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
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第19回国会衆議院会議録第10号2頁(昭和29年2月16日)〔犬養健法務大臣発言・発言番号14〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。