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国会審議›第19回国会›閣法第115号
閣法第19回国会 第115号成立修正あり

企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案

昭和29年法律第142号 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法
提出昭和29年3月24日 内閣
付託衆議院 大蔵委員会
参議院 大蔵委員会
成立
昭和29年法律第142号
審議会議 15回・発言 1,225(政府答弁等 500)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院大蔵委員会

  1. S29.3.25趣旨説明大蔵委員会 28198
  2. S29.4.13参考人招致大蔵委員会 3938
  3. S29.4.16参考人招致大蔵委員会 4218
  4. S29.4.28修正案・修正案趣旨説明・質疑・採決(修正)大蔵委員会 4952
  5. S29.5.7委員長報告・修正案・討論・採決(修正)本会議 4543
  6. S29.5.31参議院回付案・参議院回付案同意本会議 5954

参議院大蔵委員会

  1. S29.3.25趣旨説明大蔵委員会 24236
  2. S29.4.13質疑大蔵委員会 35211
  3. S29.4.16質疑大蔵委員会 36175
  4. S29.5.19質疑大蔵委員会 4567
  5. S29.5.21逐条説明・質疑大蔵委員会 47140
  6. S29.5.25質疑大蔵委員会 48175
  7. S29.5.26参考人招致大蔵委員会 4956
  8. S29.5.29修正案趣旨説明・討論・採決(修正)大蔵委員会 5246
  9. S29.5.30委員長報告・討論・採決(修正)本会議 5483

提案理由

植木庚子郎 政府委員(大蔵政務次官) 昭和29年3月25日

ただいま議題となりました企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案につきまして、提案の理由を説明申し上げます。

 政府は、資産再評価の実施の状況並びに企業の資本構成、経理等の実情にかんがみ、一定規模以上の会社について資産の再評価を強制するとともに、一定限度以上の再評価を行つた者に対して再評価税及び固定資産税を軽減する等の措置を講ずることにより、企業資本の充実を促進し、その経営の安定と経理の健全化をはかる必要があると考え、ここにこの法律案を提出することとしたのであります。

 次に、本法案につき、その大要を申し上げます。

 まず第一に、再評価の強制についてでありますが、一定規模以上の株式会社は、この法律の施行日後昭和二十九年中に開始する事業年度開始の日のいずれか一の日現在で、減価償却資産につき、再評価実施後の帳簿価額の総額が、第三次再評価の限度額の総額の百分の八十以上となるように再評価を行わなければならないものといたしました。但し、施行日前にすでに再評価を行つて、右の条件にかなつている場合または再評価を行わなくても昭和二十八年または昭和二十九年中に始まる事業年度開始の日のいずれか一の日現在で再評価の対象となる減価償却資産の帳簿価額の総額がその日現在で計算した右の最低限度額を越えている場合においては、あらためて再評価を行う必要はないものといたしております。

 第二に、陳腐化した資産等の多い会社につきましては、一旦最低限度まで再評価を行つた後、大蔵大臣の承認を経て陳腐化資産等の帳簿価額の減額をさせることとし、適正な再評価を実施することができる道を開いております。

 また、再評価日後に生じた事由により帳簿価額の減額をする場合におきましても、その結果、再評価後の簿価総額が右の最低限度を下ることとなる場合には、あらかじめ大蔵大臣の承認を要することとし、再評価の強制の実効を失わせるような行為を防ぐことといたしております。

 第三に、再評価積立金の資本組入れ及び減価償却の励行のための措置でありますが、一定期間内に資本組入れを一定限度以上行い、かつその事業年度において適正な減価償却を行つた場合に限り、一定割合以上の利益配当を行うことを認めることといたしました。すなわち、約二年間の猶予期間を置いた後、昭和三十二年三月三十一日を含む事業年度から三年間の各事業年度においては、その事業年度までに再評価積立金の百分の四十以上を資本に組み入れた場合でなければ年一割五分を越える配当を行つてはならないものとし、また同一の猶予期間の後普通償却範囲額の百分の九十以上の減価償却を行つていない場合においても右と同様の配当制限を行うここといたしました。なお、この配当制限は、最低限度以上の再評価を行わなかつた会社に対しては、昭和二十九年十二月三十一日を含む事業年度から適用することといたしております。

 第四に、再評価税の減免でありますが、今回一定規模以上の会社について再評価を強制することとしたことに伴い、最低限度以上の再評価を行つた者に対しましては、減価償却資産についての第三次再評価の再評価債差額のうち再評価限度額の百分の六十五を越える部分に対する再評価税を全額免除することとし、再評価限度額の百分の六十五に達するまでの部分につきましては、第一次、第二次再評価に相当する部分として、これに対する再評価税の二分の一を免除することといたしております。なお、免除額の計算につきましては、納税者の選択により、個々の資産について第一次再評価の限度額に相当する額を算出して免除額の計算を行う道をも開いております。また、すでに第一次、第二次の再評価を行つた者が最低限度以上の第三次再評価を行つた場合には、この法律の施行の日以後に終了する事業年度分として納付すべき未納の旧再評価税についても、その二分の一を免除することといたしております。なお、再評価税の免除を受けた者が免除を受けた資産を一定期間内に譲渡しました場合には、免除を受けない者との権衡を考えて、免除額に相当する再評価税を譲渡の際に課することといたしております。

 さらに、以上の措置に伴い再評価税の納付の時期の特例を設けるほか、最低限度以上の再評価を行つた者に対しては延納の最終期の制限を設けないこととし、また、今後最低限度以上の再評価を行おうとする場合及び陳腐化資産等の評価減を行うことが予想されている場合等に過納が生じないようにするための徴収猶予の規定を設ける等所要の規定を設けております。

 第五に、固定資産税につきましては、再評価を行つたことによつてその負担がただちに増加することがないように特別の措置を講じております。すなわち、最低限度以上の再評価を行つた者に対する昭和三十年度から三年度間の家屋以外の償却資産に対する固定資産税につきましては、その資産の評価額が昭和二十九年度分の課税の基礎となつた価格を越える場合には、原則として昭和二十九年度分の課税標準をもつてこれにかえることとし、すでに昭和二十八年中に再評価を行つた資産の再評価額が昭和二十九年度分の課税の基礎となつている場合には、原則として昭和二十八年度分の課税価格を越えることがないように措置しております。

 以上の再評価税及び固定資産税の軽減の措置によりまして、再評価を強制される会社はもちろん、自発的に最低限度以上の再評価を行つた場合にも、再評価に伴つて企業の税負担が直接増加することはなくなるのであります。

 最後に、一般投資家ないし取引先等に対して企業経理の実態を認識させる意味におきまして、当分の間、資本金五百万円以上の株式会社等が総会に対して提出し、又は新聞に公告する貸借対照表には、再評価の実施状況を付記させることとし、また右の貸借対照表とともに総会に提出する損益計算書には、減価償却の実施状況を付記させることといたしております。

 以上本法律案の大要を申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに賛成せられるようお願いいたす次第であります。

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第19回国会衆議院大蔵委員会議録第28号15頁(昭和29年3月25日)〔植木庚子郎政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901115)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。