海上運送法の一部を改正する法律案
衆議院 運輸委員会
昭和30年法律第90号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院運輸委員会
- S30.5.19趣旨説明運輸委員会 7106
- S30.5.27補足説明・質疑運輸委員会 1049
- S30.5.31質疑運輸委員会 11141
- S30.6.9質疑運輸委員会 15111
- S30.6.17質疑運輸委員会 18163
- S30.6.21質疑運輸委員会 19123
- S30.7.1修正案趣旨説明・附帯決議・討論・採決(修正)運輸委員会 2324
- S30.7.4附帯決議・委員長報告・採決(修正)本会議 3245
提案理由
河野金昇 政府委員(運輸政務次官) 昭和30年5月19日ただいま提案になりました海上運送法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
現行の海上運送法におきましては、旅客定期航路事業については、免許制がとられておりまして、法に基く厳重な監督規制が加えられているのでありますが、不定期航路事業は、単なる届出制でありまして、その経営は事業者の自由にまかされているのであります。
このように海上運送法上の取扱いが異なっておりますのは、旅客定期航路事業は、不特定多数の旅客を対象とし、国民の日常生活に直接重大な関係がありますため、行政権の干渉が必要とされるのに対しまして、不定期航路事業は、貨物運送がその大部分でありまして、自由な事業活動を認めることが、海運を発展せしめ、公共の福祉を増進することになると考えられたからにほかならないのであります。
しかしながら、法施行後の実情を見まするに、不定期航路事業の中にも、旅客運送を行うものが少くないのでありまして、特に最近においては、観光面における需要の増大と相まって、その数はますます増加の傾向を示しているのであります。
これらの事業は、その多くが不特定多数の旅客を相手として経営されておりますため、これが事業者の自由営業に放任されておりますことは、利用者の利益を阻害するおそれがあるばかりでなく、ときには、これが旅客定期航路事業に対する撹乱ともなるのでありまして、海上運送法の目的とする運送の秩序維持の面からも放置できないものがあるのであります。
このような実情にかんがみまして、今回の改正案におきましては、不定期航路事業のうち、国内航路において旅客船により旅客の運送をするものについては、その開始の際に運輸大臣の許可を要することにいたしましたほか、その運賃、運送約款、運航計画等、利用者の利益または運送の秩序に直接関係を有するものについて、旅客定期航路事業に準じた規制を加えることにいたしたのであります。
次に、最近交通機関による事故が頻発しておりまして、旅客運送を行う事業については、特に監督を強化することの必要性が痛感されますので、以上に述べました不定期航路事業に対する規制の強化にあわせて、現在免許制となっております旅客定期航路事業につきましても、その免許基準について安全の確保を考慮に入れた改正を行いますとともに、免許事業者が船舶安全法または船舶職員法のごとき人命の安全に関する法令に違反いたしました場合には、その事業を停止せしめ、またはその免許を取り消すことができることにいたしまして、これらの安全関係法令の励行の確保に資することにいたした次第であります。
以上が今回の改正の主要な点でありますが、その他にも、法の運営上の経験にかんがみまして、若干の改正を要すると認められる点につき、この機会にあわせて改正を行い、規定を整備したいと存ずるものであります。
何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第22回国会参議院運輸委員会会議録第7号1頁(昭和30年5月19日)〔河野金昇政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102201049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。