検疫法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和31年法律第66号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
山下春江 政府委員(厚生政務次官) 昭和31年2月9日ただいま議題となりました検疫法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
現行の検疫法は、昭和二十六年六月公布施行されたものでありますが、その後わが国が加盟している世界保健機関において、世界保健機関憲章に基いて国際衛生規則が制定されました結果、現行法と国際衛生規則との間に若干の相違点が生じ、国際的協力の面から申しましても検疫法を是正し、国際的な検疫制度に即応せしめる必要が生じて参ったのであります。また、一方従来の経験に微しまして、検疫の実施上簡易化できる面はできるだけ簡易化し、国際間の交通を円滑にすることも考慮いたし、その改正につきまして鋭意研究を進めまして、ここに検疫法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。次に改正案の内容について御説明申し上げます。
本改正の第一点は、回帰熱を検疫伝染病に取り入れたことであります。回帰熱は国際衛生規則の規定にのっとり、諸外国とも検疫伝染病に指定しておりますので、わが国においてもこれを検疫伝染病に加えることといたした次第であります。
本改正の第二点は、検疫伝染病患者の委託収容の範囲を拡大したことであります。現行法では検疫所以外の病院に収容を委託できるのは、痘瘡、発しんチフスの患者だけであります。従って場合によっては重症な患者でも回航しなければならないようなことにもなりますので、改正案ではこれを回航することなく付近の病院にその収容を委託できるようにいたしたのであります。
本改正の第三点は、検疫港以外の港においても検疫を行い得る制度を設けたことであります。現在関税法に規定せられている開港が六十四カ所存在するのに対し、検疫港として指定されている港は三十四カ所でありますので、検疫港以外の港に入港しようとする船舶は、検疫港に迂回して検疫を済ませた後、目的港に向わざるを得ないのであります。これが船舶の運航に多大の不便を与えておりますので、これを緩和する一方策として、良好な衛生状態にあると検疫所長が認めて許可した船については、検疫港以外の港において検疫を行う道を開こうとするものであります。
本改正の第四点は、検疫所長の行う衛生措置として、新たに検疫伝染病予防上必要な調査を加えたことであります。これは検疫の目的を有効適切に達成するためには、検疫所長が検疫港または検疫飛行場の衛生状態を絶えず正確に把握しておかなければなりませんので、港内及び埠頭付近の倉庫地帯等において、検疫伝染病予防上必要な調査ができ得るようにいたしたのであります。
以上が改正案のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようにお願いいたします。
第24回国会衆議院社会労働委員会議録第5号3頁(昭和31年2月9日)〔山下春江政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401021)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。