臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案
参議院 運輸委員会
昭和31年法律第37号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
伊能繁次郎 政府委員(運輸政務次官) 昭和31年3月6日本日は大臣がよんどころない公務のために、午前中こちらに参上いたすことができませんので、私がかわりまして提案理由を御説明申し上げることをお許しいただきたいと存じます。
ただいまから、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。現行の臨時船舶建造調整法は、戦後のわが国商船隊再建のため船舶の建造について調整を行う必要上制定されたものであります。本法の有効期間は昭和三十二年三月三十一日までとなっておりますが、さきに政府が樹立いたしました経済自立五カ年計画に基く計画造船の円滑な遂行をはかるため、現行法の有効期間を昭和三十六年三月三十一日まで延長したいというのがこの法律案を提出いたすゆえんであります。
戦後わが国商船隊の再建につきましては、臨時船舶管理法によりまして建造の許可制度が行われておりましたが、同法は昭和二十八年四月二十八日限りその効力を失いましたので、これにかわるものとして同年八月一日、現行の臨時船舶建造調整法が公布せられ、今日に至った次第であります。ひるがえって本法制定の理由を考えてみまするに、戦争によって崩壊したわが国商船隊の急速なる再建整備は、わが国経済の自立達成のため欠くべからざる要件でありますので、政府といたしましては、船舶の建造のため財政資金の投入、市中資金のあっせん、利子補給及び損失補償制度の確立等の方途を講じているわけでありますが、その船舶の建造につきましては、真に国民経済の要請に適合するよう、種々の観点より検討の上調整し得る権能を留保することが必要と考えられるのであります。これはまた貴重な資金の有効かつ合理的使用という見地から申しましても、日本開発銀行を初め金融機関の建造融資に対する政府の助言と協力の体制として、十分有効な機能を発揮しているものと考えられます。
さて、政府が新船の建造につきどのような判断を加えるかと申しますと、緊急に整備を要しまする航路の制定とか、当該航路におきましての適正な船腹量の決定とか、商船隊再建の方向とか、あるいは海運業なり造船業なりに対する一般的な政策面の考慮等でありますが、このような判断による必要な調整によりまして、商船隊の再建整備の円滑な遂行が得られるものと考えるのであります。右のごとき本法制定の事情より見まして、本法の有効期間を経済自立五カ年計画の終期でありまする昭和三十六年三月三十一日まで延長することが、最も妥当かつ必要と考えられるのであります。ことに最近の世界的な船舶建造意欲の高揚に伴い、わが国造船所における輸出受注は飛躍的に増加し、このため国内船舶の建造余力は漸次縮小しつつありまして、このままに推移いたしますると、経済自立五カ年計画による船腹拡充計画の円滑なる遂行にも支障を生ずるおそれもなしとしない情勢であります。このような事情を勘案いたしますと、現行法の有効期間の延長は、わが国際海運のためにぜひとも必要といわなければなりません。
以上もちまして提案理由の説明を終りたいと存じますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申上げます。
第24回国会衆議院運輸委員会議録第14号2頁(昭和31年3月6日)〔伊能繁次郎政府委員発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401089)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。