国の債権の管理等に関する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和31年法律第114号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
山手滿男 政府委員(大蔵政務次官) 昭和31年3月27日最後に、国の債権の管理等に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
従来、国の債権につきましては、会計法その他個々の法令に部分的な管理規定があっただけで、その一般的な管理法規がなく、管理機構もまた整備されていなかったのであります。しかして、その管理に関する事務の処理につきましては、一方では官庁内部の連絡が不十分であったことや、担当職員の措置が適切を欠いたこと等のため債権の徴収不足や徴収手続の遅延を来たす等、国に損害を与えた事例を見ますとともに、他方では管理費用に満たない額の債権、債務者の所在が不明の債権等につきましても一律に処理することとなっていたため事務の能率をそこなうことも少くなかったのであります。
本法律案は、このような情勢にかんがみまして、国の債権の管理の適正を期するため、その管理の機構及び管理の準則を整備いたしますとともに、履行期限の延長、減免等をすることができる一般的基準を設け、あわせて国の債権の発生の原因となる契約に関し、その内容とすべき基本的事項を定めようとするものでございます。
次に、この法律案の内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。
第一に、この法律は、金銭の給付を目的とする国の権利、いわゆる金銭債権を対象といたしておりますが、罰金等にかかる債権、租税債権、国が保有する資金の運用により生ずる債権等につきましては、その性質上、原則として、この法律を適用しないことといたしております。
第二に、国の債権の統一的な管理組織を確立するため、各省各庁における債権の管理事務を担当する機関として債権管理官の制度を設けるとともに、債権管理官が行うべき債権の保全及び取り立て等に関する事務の処理につき一般的な管理基準を定めて、その的確な処理をはかることといたしております。
第三に、取り立て費用に満たない少額の債権や債務者の所在が不分明で徴収見込みのないような債権につきましては、内部的に徴収停止として整理を行うことができることとするほか、一般に、債務者の資力その他の状況を考慮して、五年または十年以内の期間において債権の履行期限を延長することができる道を開き、また、一定の場合に減免等の措置を講ずることといたしまして、債権の管理事務の効率的な運営をはかることといたしております。
第四に、債権の発生の原因となる契約の内容につきまして、その基本的事項を定め、発生後における債権の徴収を確保するとともに、特に貸付金債権につきましては、あわせて、貸付の目的を保全するため必要な諸条件を定め、もって貸付事業の遂行の適正化をはかることといたしておる次第でございます。
以上国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いを申し上げます。
第24回国会衆議院大蔵委員会議録第23号16頁(昭和31年3月27日)〔山手滿男政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401149)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。