TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第28回国会›閣法第99号
閣法第28回国会 第99号成立修正あり

地方税法の一部を改正する法律案

昭和33年法律第54号 地方税法の一部を改正する法律
提出昭和33年2月22日 内閣
付託衆議院 地方行政委員会
参議院 地方行政委員会
成立
昭和33年法律第54号
審議会議 18回・発言 1,351(政府答弁等 528)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院地方行政委員会

  1. S33.2.27趣旨説明地方行政委員会 946
  2. S33.3.5補足説明・質疑地方行政委員会 1260
  3. S33.3.11質疑地方行政委員会 14133
  4. S33.3.12参考人招致地方行政委員会 15155
  5. S33.3.18質疑地方行政委員会 1872
  6. S33.3.25質疑地方行政委員会 2073
  7. S33.3.26修正案・修正案趣旨説明地方行政委員会 219
  8. S33.3.31小委員長報告・修正案・修正案趣旨説明・質疑・討論・採決(修正)・附帯決議地方行政委員会 23137
  9. S33.4.1修正案・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 2440
  10. S33.4.25附帯決議本会議 1

参議院地方行政委員会

  1. S33.2.27趣旨説明地方行政委員会 757
  2. S33.3.13補足説明地方行政委員会 13117
  3. S33.3.26参考人招致地方行政委員会 1968
  4. S33.3.27質疑地方行政委員会 2079
  5. S33.3.28質疑地方行政委員会 2161
  6. S33.3.31質疑地方行政委員会 2279
  7. S33.4.1質疑地方行政委員会 23185
  8. S33.4.3質疑・討論・附帯決議・採決地方行政委員会 25193
  9. S33.4.4委員長報告・討論・採決本会議 1942
  10. S33.4.25附帯決議本会議 1

提案理由

郡祐一 自治庁長官 昭和33年2月27日

ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。

 地方税制につきましては、御承知の通り、昭和二十五年独立税主義の徹底、地方自主財源の増強等の基本方針のもとに大改正が行われたのでありますが、その後における屡次の改正によりまして、右の基本方針は堅持されつつも一応わが国の実情に沿う税制が立てられ、また経済の安定化に対応して負担の軽減、合理化がはかられて参ったのであります。しかして現在におきましては多くの地方団体が財政再建の計画を立てたばかりであるという地方財政の状況とも相待って、むしろ個個の地方団体が見込んでいる税収入の見通しに混乱を与えないことが必要であると考えられるのであります。従いまして、今回は、特にかわり財源を得て、大衆に対する零細課税の整理として多年要望されておりました自転車荷車税の廃止を取り上げるにとどめ、あわせて徴税の合理化、負担の均衡化等のための最小限度の規定の改正のみを行うことといたしたのであります。

 改正案の骨子とするものといたしましては、第一に、自転車、リヤカー、荷車等に対する自転車荷車税を廃止することとし、これが減収を補てんするため、市町村たばこ消費税の税率を引き上げ、他面原動機付自転車に対する自転車荷車税は、軽自動車及び二輪の小型自動車に対する自動車税とあわせて、市町村において課する軽自動車税とすること、第二に、徴税の合理化、負担の均衡化等をはかるため、道府県民税、市町村民税、固定資産税、電気ガス税、木材取引税、軽油引取税等につき所要の改正を加えることでありまして、以下その内容の概略を御説明申し上げます。

 第一は自転車荷車税の廃止及び市町村たばこ消費税の増率等に関する事項であります。市町村において課する自転車荷車税は、明治二十一年国税附加税として創設以来、七十年に及ぶ沿革を有し、特に昭和十五年以降は市町村の法定独立税として、市町村財政に寄与して参った税であります。元来自転車荷車税は自転車及び荷車の所有事実に担税力を見出して課税する物件税でありますが、道路損傷負担金的性格をもあわせ有し、またきわめて普遍性に富んでいる税であったのであります。しかしながら、最近における社会経済の進展及び自動車利用の発達に伴い、原動機付自転車以外の自転車及び荷車に対する課税は著しく大衆課税的な性格を帯びるとともに、道路損傷負担金的な性格も名目的なものとなるに至っていたのであります。また一方、市町村にあっても、自転車荷車税による収入は税収入総額の二%程度を占めるに過ぎず、莫大な数に上る零細な対象についての同税の徴収に当って必要とされる徴税費を勘案するとき、同税の市町村歳入中に占める比重は著しく低下していると考えられるのであります。

 政府としては、以上の諸点を総合勘案し、特に国民大衆に対する零細課税を整理する見地から、昭和三十三年度以降本税を廃止したいと考えるに至ったのであります。

 ただ原動機付自転車以外のものに対して課する自転車荷車税の収入は、平年度で五十億円に上り、且つ、これが全市町村に普遍的な税源となっているため、これにかわるべき財源が得られないままに本税を廃止することは、市町村財政の現況よりして許されないところでありますので、本税の廃止に伴い、市町村たばこ消費税の税率を現行九%から一一%に引き上げ、これにより平年度五十億円の財源補てんを行うこととしたのであります。

 また、自転車荷車税の廃止に際しまして、軽自動車及び二輪の小型自動車に対する課税権を道府県から市町村に移譲し、この軽自動車及び二輪の小型自動車と従来市町村において課税されていた原動機付自転車に対しまして市町村において軽自動車税を課することといたしたのであります。

 自動車税の課税客体とされている自動車のうち軽自動車及び二輪の小型自動車につきましては、これら以外の自動車とは異なり登録の制度がありませんので道府県よりもむしろ市町村の方が、地域が狭小であること等により、その把握が容易であると考えられますし、他面、市町村は、従来から登録が必要とされていない原動機付自転車に対する課税事務を行なっていることにもかんがみた結果であります。

 税率はいずれも現行のままでありますから、その負担に変動はないのでありますが、これによりまして、徴税の合理化がはかられるものと期待されます。

 第二は、徴税の合理化、負担の均衡化等をはかるための措置に関する事項であります。その一は住民税に関する事項であります。住民税所得割を第一課税方式によって課税する場合において、昭和三十三年分及び昭和三十四年分の所得税について認められる貯蓄控除を行なった後の所得税額を課税標準とするときは、所得税における臨時措置によって自動的に道府県民税及び市町村民税に減収を来たすこととなり、その額は、昭和三十四年度九億円、平年度十三億円に上るのでありまして、財政上も適当でないと考えられますので、住民税においては、このような貯蓄控除を行う前の所得税額を課税標準とすることといたしたのであります。

 その二は固定資産税に関する事項であります。現在、企業合理化促進法によって、法人税及び所得税につき特別償却が認められる企業の合理化を促進するための試験研究用機械設備等及び機械設備等を近代化する必要のある重要産業にかかる機械設備等に対しては、これらに対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から三年度分の固定資産税に限り、価額の二分の一をもって課税標準とする特例措置がとられておりますが、今回企業合理化促進法の一部改正によって新技術の企業化用機械設備等が同法に追加され、これらの機械設備等についても法人税及び所得税において特別償却が認められることとなったので、固定資産税においても、これらの資産に対し、従前と同様の課税標準に関する特例措置を設けることといたしたのであります。

 その三は電気ガス税に関する事項であります。電気ガス税につきましては、今回新たに、エチレン、ポリエチレン、エチレンオキサイド、エチレングリコール、スチレンポリエステル系合成繊維、テレフタール酸、アクリルニトリル系合成繊維、アクリルニトリル及びジルコニウム地金の製造用電気を非課税範囲に加えることといたしました。このうちジルコニウム地金は原子炉の構造材として使用されるものであり、その他のものは石油を原料とする化学製品等であって、いずれも最近において新規に開始した重要産業に属すると同時にその製造に当っての電気使用量の比重が非常に大きいものばかりであります。

 その四は木材引取税に関する事項であります。木材引取税につきましては、その徴収合理化の徹底を期する意味において、今回税率を百分の二に引き下げることとしたのであります。反面、市町村ごとの課税を更に一段と適実化することによって、従来の税収を確保することができるよう措置して参る所存であります。

 その五は軽油引取税に関する事項であります。軽油引取税は、法令に規定された規格に該当している軽油の引き取りに対して課するものでありますが、最近軽油に若干の灯油を混合した炭化水素油等軽油引取税を課せられない炭化水素油が自動車の内燃機関の燃料の用に供せられる事例が漸次増加の傾向にあるのであります。こうした事態を放任いたしますと、課税軽油を使用する場合との間に著しく負担の均衡を欠くことになりますので、課税されている軽油又は揮発油以外の炭化水素油等が自動車の内燃機関の燃料の用に供された場合には、これに軽油引取税を課することとしたのであります。

 右に申し上げました諸事項のほか、所得税法の改正に伴う事項等所要の規定の整備をはかったのであります。

 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

 次に、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。

 ここ数年にわたって講じて参りました各般の地方財政健全化施策と、地方団体自体における努力とにより、地方財政の再建はようやく軌道に乗って参ったのでありますが、御承知のように、地方財政健全化措置の基本問題と考えられるいわゆる既発行地方債にかかる公債費問題が未解決のまま残されておったのであります。政府は、第二十六回国会における衆参両院の地方行政委員会の決議の趣旨にも基き、今般地方交付税率を一・五%引き上げ、増強せられた地方交付税の配分を通じてこの公債費問題を恒久的に解決することとするとともに、極力既存地方税源の確保をはかり、なお一般会計における地方債を可及的に一般財源に振りかえ、地方財政健全化施策の一そうの推進をはかることといたしたのであります。これらの措置に伴い、地方交付税率を変更するとともに、単位費用について、制度改正等に伴う所要の改訂を加え、投資的経費を可及的に充実し、また、測定単位の新設、補正方法の合理化等を行うことにより、基準財政需要額の算定方法の合理化及び明確化を更に推進して、地方交付税の適正な算定を通じて増加された財源を合理的かつ適正に配分するため、地方交付税法の一部を改正する必要があるのであります。

 以上が本法律案の提案の理由であります。

 次に本法律案の内容の要旨につきまして御説明いたします。

 第一は、地方交付税の総額に関する事項であります。その一は、地方交付税率を一・五%引き上げ、国税所得税、法人税及び酒税の二七・五%といたしたことであります。その結果、昭和三十三年度において交付すべき地方交付税の総額は、昭和三十一年度分の精算額一一八億円を加え二二四〇億円となります。

 その二は、普通交付税と特別交付税との割合を変更し、特別交付税は交付税総額の百分の八から百分の六に、普通交付税は百分の九十二から百分の九十四に改めることといたしたのであります。地方交付税は、できるだけ普通交付税として配分することが合理的であって、特別交付税の額が増加することは必ずしも適当とは考えられませんので従来の特別交付税のうちすでに定型化したものの普通交付税への移替をもあわせ考慮し、おおむね従来の特別交付税総額を確保することとして、その割合を改めることにしたのであります。

 第二は、基準財政需要額の算定方法に関する事項であります。その一は、測定単位の新設改廃でありまして、地方交付税の算定をより合理的ならしめるためには、できるだけ客観的かつ合理的な測定単位によることが必要と考えられます。これがため、新たに測定単位として、道府県分中その他の土木費に海岸保全施設の延長を、その他諸費に恩給受給権者数を加え、義務教育職員費を教育職員数及び学校数により測定することに改めるとともに、三十二年度限りの暫定的な公債費対策として認められていた特別地方債償還費を本則中に規定して恒久化し、かつその中の特定債償還費の測定単位を元利償還金に改めることとしたのであります。

 その二は、単位費用の改訂に関するものであります。単位費用の改訂については地方財源の増強、地方債の減少ともにらみ合せ、可及的に投資的経費の充実をはかることを中心とし、一、期末手当の増額等制度の改正に伴う改訂を行うこと、二、旅費、物件費の合理化、建築物機械類の単価の是正を行うこと、三、標準施設の合理化及び近代化を促進すること等を方針として、その全般にわたり、所要の改訂を加えたのであります。

 その三は、補正方法に関するものであります。基準財政需要額算定の合理化を期する上において、単位費用とともに補正方法の合理化が重要な因子をなすものでありまして、特に態容補正につきましては、現状をさらに改善する必要が認められますので、今回道府県分の態容補正係数の算定についてその合理化をはかるとともに、特定債償還費につきましてはその性格にかんがみ、いわゆる公債費対策の恒久化を機会に、新たに財政力補正を行うこととし、弱少団体における公債費の重圧を緩和することといたしたのであります。

 以上のほか、自転車荷車税の廃止等地方税法の改正に即応して基準財政収入額の算定方法に関する規定の整備をはかり、また地方交付税の交付時期ごとに交付すべき額及び算定資料の検査等に関しても、所要の規定を整備することといたしたのであります。

 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

第28回国会衆議院地方行政委員会議録第9号8頁(昭和33年2月27日)〔郡祐一自治庁長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)

附帯決議

衆議院 地方行政委員会昭和33年3月31日

本法の施行に当り、政府は特に左の諸点に留意し、法改正に伴う影響に対処して遺憾なきを期すべきである。

一自転車荷車税の廃止とその減収補てんのための市町村たばこ消費税の税率引き上げの結果、なお減収となる市町村に対しては、その減収分を補てんするため、万全の措置を講ずること。

二木材引取税の税率を引き下げたため、徴税を適正化するも、なお減収となる市町村に対しては、さしあたり、特別交付税をもって完全な減収補てんを行うとともに、次年度以降将来の減収補てんについても適確な恒久的財源措置を講ずること。

三地方税制の全面にわたって再検討を加え、可及的すみやかに、その総合的かつ、根本的改正を行うよう、その方途を考究すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102801099)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。