風俗営業取締法の一部を改正する法律案
衆議院 地方行政委員会
昭和34年法律第2号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
青木正 国家公安委員会委員長 昭和33年12月12日今回提出いたしました風俗営業取締法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明いたします。
現行風俗営業取締法は、昭和二十二年七月、料理店、カフエー、キャバレー、まあじゃん屋等の営業について、善良の風俗を保持する見地から必要な規制を加える目的をもって制定され、同年九月から実施をみたものであります。自来、数次にわたって部分的改正は行われたのでありますが、この法律にいう風俗営業の範囲等基本的な事柄に関しましては、おおむね制定当初の建前を維持して参っているのであります。ところが、近年この法律に定める風俗営業に属さない営業で、いわゆる深夜喫茶等その業態が風俗営業に類似するものが現われて参り、また、客席を設けて客に飲食をさせる営業で、深夜にわたって営業を営むものにつきましても、その弊害の看過し得ないものがありますので、この種の業態の規制に遺憾なきを期するため、この法律を改正する必要があると認めまして、所要法律案を提出いたした次第であります。
この法律案による改正の要旨について、以下御説明申し上げます。
第一に、現行風俗営業取締法の適用を受ける風俗営業は、料理店、カフエー等客席で客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業、キャバレー、ダンス・ホール等設備を設けて客にダンスをさせる営業及びまあじゃん屋。ぱちんこ屋等設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業の三種に限られているのであります。一方、喫茶店、バー等で、客席における客の接待や設備を設けて客にダンスをさせることを伴わないものは、現行の法律にいう風俗営業に該当いたさないのでありますが、これらの営業の中には、その営業の実態が遊興の場を提供し、享楽的雰囲気を助長するものがあり、この種の業態に伴う弊害には善良の風俗保持上放置しがたいものがあり、ことに、最近数年の間に、主として大都市等においてこれらの営業で深夜にわたってその営業を営むものが急速に増加するに至りまして、その害悪特に青少年の健全な育成と保護のために有害な影響をもたらしていることは周知の通りであります。
今回、この種の営業について、その範囲をできるだけ明確にして必要な規制を加えますために、喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、客席における照明を暗くして営み、または、他から見通すことの困難な狭い客席を設けて営むものを新たに風俗営業に含ませることといたしたのであります。
第二に、従前の風俗営業あるいはただいま申し上げました業態の営業以外のものでありましても、客席を設けて客に飲食をさせる営業で、深夜にわたって営業を営むものにつきましては、その深夜における営業には、善良の風俗保持の観点から規制を必要とすると認められる場合が少くないのであります。
この改正案におきましては、これらの営業につきまして、都道府県は、条例で善良の風俗を害する行為を防止するために必要な制限を定めることができることといたし、その深夜における営業に関しまして、弊害が認められます場合に、個々の営業に対し、その深夜における営業につきまして必要な処分をなし得ることといたしますとともに、その処分をするに当りましては、その適正を期するため、法律の定めるところに従いまして、公開の聴聞の手続を経ることとしたのであります。
第三は、罰則に関するものでありまして、以上述べましたような規定の改正の趣旨に即応しまして、必要な整備を行い、その適正を期したのであります。
今回の改正におきまして、この法律にいう風俗営業に該当しない営業につきましても、改正の第二点として述べましたように、その深夜の営業につき、必要な限度において規制を加えることができることといたしましたので、この法律の名称を改めて風俗営業等取締法としたのであります。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
第31回国会参議院地方行政委員会会議録第2号1頁(昭和33年12月12日)〔青木正国家公安委員会委員長発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103101017)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。