高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案
参議院 文教委員会
昭和35年法律第42号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
松田竹千代 文部大臣 昭和35年2月26日このたび政府から提出いたしました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略について御説明申し上げます。
高等学校の定時制教育及び通信教育は、働きながら学ぶ青年に対し、教育の機会均等を保障する目的をもって戦後制度化されたものでありまして、勤労青年の基礎学力や職業技術その他の資質の向上に重大な役割を果たすものとして、都市、農村を問わず、各方面から広く支持されてきたものであります。その後、各般の困難にもかかわらず、関係者の非常な努力によりまして、発足十余年を経過しました今日、ようやくその基礎が固まってきたものであります。政府といたしましても、これら教育の振興につきましては特に意を用い、施設、設備の整備等についてできる限りの努力をいたしてきたのでありますが、この際、一そうの充実強化をはかるためには、施設、設備の整備を一段と強化するとともに、その教育に面接従事する校長及び教員の待遇につき特別の措置を講じて、優秀な人材を確保することが特に必要であると信ずるのであります。
御承知のように、定時制教育には、夜間に授業を行なうものと昼間に授業を行なうものがありますが、夜間に授業を行なうものにおきましては、夜間勤務に伴う過労や病気など健康上の障害のほか、家庭生活上の不便も多いのであります。また、昼間に授業を行なうものにおきましても、学校は辺地などにおける地域の中心的教育施設としての特色と使命を有し、単に校内指導にとどまることなく、家庭実習、現場実習などの校外指導にも重点を置かなければならず、勤務量の負担かきわめて大きい実情であります。
また、通信教育は、通信手段という新しい方法を用いて教育する特色のある制度でありますか、その教育には、添削指導、日曜日などの休業日における面接指導、辺地などの遠隔地における巡回指導もあわせ行なう必要があり、その勤務は容易ならぬものかあるのであります。さらに、定時制教育、通信教育を通じて、勤労と学習とを同時に遂行する生徒を対象とするため、生徒の学習や生活の指導には種々の困難を伴う現状であります。
以上申し述べました実情にかんがみ、これらの教育に携わる校長及び教員に対し、その労に報いて専心その職務に精励できるようにするとともに、優秀な人材をこの方面に誘致し、確保し、もって定時制教育および通信教育を振興するため、このたび定時制通信教育手当を支給する措置を講じようとするものであります。
次に、この手当の支給に要する経費について、当該地方公共団体に対し国庫補助をすることができるものといたしました。一部の都道府県におきましては、従来これに相当する手当を支給しているところもありますが、その額並びに範囲につきましては、はなはだ不十分のきらいがあります。この際この手当について国庫補助の規定を設けることといたしましたのは、わが国全体としての定時制教育及び通信教育の振興を期するために、すべての都道府県において必要な額の定時制通信教育手当が支給できるようにするためであります。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
第34回国会衆議院文教委員会議録第2号2頁(昭和35年2月26日)〔松田竹千代文部大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103401075)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。