TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第34回国会›衆法第40号
衆法第34回国会 第40号成立

東海道幹線自動車国道建設法案

昭和35年法律第129号 東海道幹線自動車国道建設法
提出昭和35年5月14日 遠藤三郎、外55名
付託衆議院 建設委員会
参議院 建設委員会
成立
昭和35年法律第129号
審議会議 6回・発言 334(政府答弁等 84)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院建設委員会

  1. S35.5.17趣旨説明・質疑建設委員会 1954
  2. S35.5.18質疑・採決建設委員会 20115
  3. S35.6.17委員長報告・採決本会議 3884

参議院建設委員会

  1. S35.5.19趣旨説明建設委員会 3041
  2. S35.6.21質疑・採決建設委員会 3572
  3. S35.7.15委員長報告・採決本会議 2762

提案理由

遠藤三郎 議員(発議者) 昭和35年5月17日

ただいま議題となりました東海道幹線自動車国道建設法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、その提案の理由並びに法案の要旨を御説明申し上げます。

 近時、わが国経済の著しい伸長発展に伴いまして、必然に、きわめて過大な交通需要を喚起し、特に自動車交通の飛躍的増大により、今後の輸送対策に即応する道路整備の緊急性は、日とともに重きを加うるに至りました。現に、所得倍増を目途とする長期経済計画の策定にあたっては、発足したばかりの道路整備五カ年計画が、すでにして、抜本的再検討を迫られている実情であります。なかんずく、わが国産業の中核的大動脈たる国道第一号線、いわゆる東海道について見まするに、その交通量は逐年倍増の趨勢にありまして、かくのごとき現状をもって推移せんか、今後五カ年を出ずして、交通の麻痺状態に陥ることは必至であり、まことに憂患にたえない事態に立ち至っているのであります。

 また、このような交通の輻輳は、痛ましい交通事故の頻発を招き、他面、自動車走行速度の低下による産業生産機能の鈍化を来たす等、人的物的両面において、民生、経済上の犠牲と損失は、けだしはかり知れないものがあると思わるるのであります。

 このような交通の緊迫を緩和するため、現国道の拡幅、バイパスの建設補強等当面の応急対策が、一応考えらるるのでありますが、現実の交通需要は、既定の道路整備計画をはるかに上回り、今後加速度的に増大の一途をたどるものと想定せられ、この種の混合交通方式のみをもってしては、問題の本質的解決は、もはや、いうべくして不可能であると断ぜざるを得ないのでありまして、この際、別途に、新たなる創意構想をもって、これが抜本的打開策を講ずる必要があると切実に痛感するものであります。すなわち、これがため、いわゆる高速自動車国道として、特殊の規格と機能を有する自動車専用の道路を早急に建設して、自動車交通の高速化、輸送効率の強化をはかることが刻下喫緊の根本的命題であると思うのであります。

 今や、高速自動車道の普及発達は、世界的趨向であり、欧米先進諸国においては、つとにこれが顕著の度を加えているのでありますが、ひとりわが国においては、旧態依然として、道路交通対策の著しい立ちおくれを余儀なくせられていることは、まことに遺憾にたえないところでありまして、この際、この内外の新事態に即応する画期的施策の一環としてさしあたり、まず、東海道交通需要の緊迫に備えなければならないと存ずるものであります。

 なお、東海道高速自動車国道の建設に伴う財源の問題につきましては、前述のような交通量の著増傾向に徴しまして、有料道路として、その採算性がきわめて確実でありますので、もっぱら財政資金等の効率的活用により事業の促進を期することを建前といたしております。従って、公共事業による一般道路投資を圧縮するがごときことは、いささかも懸念の必要はないものと確信し、また、かくのごとき杞憂を生ぜしめざるよう万全の考慮を払うべきことは、もとよりいうを待たないところであります。

 翻って、わが国産業の現況と、その発展的将来を観望いたしますとき、重化学工業の振興による経済の体質改善が、最も強く要請せらるるところでありますが、あたかも東海道地域は、わが国産業活動の中枢として、拠点的役割をにない、長大な臨海工業地帯を擁した港湾、用水、工場用地の整備充実等、今後の建設的方策と相待って、きわめて好適な立地条件に恵まれているのでありまして、ここにたんたんたる一大幹線道路が貫通しましたならば、ひとり本地方における産業基盤の拡充強化に資し得るのみならず、広く、わが国経済の発展、国民所得の増大と社会民生の安定向上に寄与するところ、きわめて大なるものがあると確信する次第であります。

 以上が、本法案を提案せんとする理由であります。

 次に、本法案の要旨について、若干の説明を試みたいと存じます。

 まず、第一に、東海道幹線自動車国道の意義と性格を明確にいたしました。すなわち、本国道は、全国的自動車交通網の枢要な一環として、特に政治、経済、文化上重要な地域を連絡することを目的とした高速自動車国道でありまして、道路法上の道路としての取り扱いをすることにいたしております。

 第二は、本国道の予定路線を定めるものでありまして、まず起点を東京都、終点を名古屋市付近として、その主たる経過地を、横浜市付近、静岡市付近、浜松市付近及び豊橋市付近と定めております。

 第三は、路線の指定についてでありますが、本国道の路線は、前記の予定路線を基準として、政令で具体的にこれを定めることといたしました。すなわち、この政令につきましては、本法の施行後、すみやかに運輸、建設両大臣が共同して、その案を作成し、閣議の決定を経なければならないことといたしております。

 第四は、本国道の新設及び改築に関する整備計画の問題でありますが、これについても、運輸、建設両大臣が、政令で定むるところにより、これを共同作成することにいたしました。

 第五に、本法の附則において、現行の高速自動車国道法及び道路整備特別措置法の一部改正を行ないまして、前にも述べました通り、本国道を、道路法上の高速自動車国道としたこと、日本道路公団において、整備計画に基づく本国道の新設または改築を行なわしむるようにしたこと等、一連の関連規定を整備いたしまして、本法制定の趣旨、目的に即応し得るよう所要の法制措置を講ずることといたしましたのであります。

 以上が本法案の提案理由並びにその要旨でありますが、願わくは慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切にお願いする次第であります。

    —————————————

第34回国会衆議院建設委員会議録第19号2頁(昭和35年5月17日)〔遠藤三郎議員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103402040)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。