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衆法第37回国会 第1号成立

中国地方開発促進法案

昭和35年法律第172号 中国地方開発促進法
提出昭和35年12月9日 遠藤三郎、外42名
付託参議院 建設委員会
衆議院 国土総合開発特別委員会
成立
昭和35年法律第172号
審議会議 5回・発言 214(政府答弁等 60)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院建設委員会

  1. S35.12.15趣旨説明建設委員会 29
  2. S35.12.20質疑・附帯決議・採決・討論建設委員会 3234
  3. S35.12.21委員長報告・採決本会議 744
  4. S35.12.22附帯決議本会議 1

衆議院国土総合開発特別委員会

  1. S35.12.16趣旨説明・質疑・討論・採決・附帯決議国土総合開発特別委員会 243
  2. S35.12.17採決・委員長報告本会議 872
  3. S35.12.22附帯決議本会議 1

提案理由

田中角榮 議員(発議者) 昭和35年12月15日

ただいま上程せられました中国地方開発促進法案について、私は自由民主党・日本社会党及び民主社会党を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。

 中国地方の開発促進につきましては、去る三月三十四国会におきまして、中国地方開発促進に関する決議が満場一致で可決されたのでありますが、この決議の趣旨等からも明らかでありますように、本地方の経済・民生その他の地域的後進性を打破するため、この際、画期的施策を講ずることが強く要望せられているところであります。

 特に政府がさきに策定いたしました経済成長政策を達成いたしますためには、地域的格差の除去、産業・人口の適正配置をはかりますことが当面の課題であり、この問題の解決こそがわが国経済の安定的伸長発展をもたらすゆえんであることは言うまでもありません。

 今ここに、本地方の内包する問題点について二、三の例証を試みますならば、

 (一) 本地方は、一部臨海地域を除き、総じて第一次産業の占むる比重がきわめて大きく、従って、住民の所得は、全国水準をはるかに下回り、地場資本の蓄積に乏しく、各県財政の実情について見ましても、総予算に占むる自主財源の比率はわずかに二五%、全国平均三三%に対比して、実に八%の低位を示しているのであります。

 (二) 本地方は、その中央部に中国山脈が縦走しているため、本来、同一経済圏として、共同一体的発展を遂ぐべき陰・陽両地域が、相互の連絡交通の円滑を欠き、本地方の総合的開発に決定的阻害要因をなしているのであります。

 (三) また、本地方は、その大部分が、特殊土壌、急傾斜、積雪寒冷、湿田単作地帯等におおわれ、もともと国土総合開発法において、それぞれ特別の地域指定を受けながら、その対策事業が従来きわめて微温的であったため、今なお旧態依然たる低位生産性を脱却し得ない実情にあります。 特に、山陰・山陽中北部一帯は未開の山間僻地として取り残され、また、内海には、全国屈指の数多い島嶼をかかえまして、開発の立ちおくれは最も著しいものがあります。

 (四) しかるに他面、本地方は、阪神・北九州の二大工業地帯の間に介在いたしまして、三面に海をめぐらし、臨海工業地帯の造成適地はもとより、産業立地上幾多の好条件に恵まれており、また、近代工業の必須的原動力たる水、電力、労働力等の資源をきわめて豊富に内蔵いたしておりますので、これらの立地条件の優位を活用するとともに、陰・陽両地域にわたって、経済基盤の総合一体的な培養整備をはかりましたならば、開発効果は瞭然として期してまつべきものがあると確信するものであります。

 ときあたかも、政府は経済成長政策の強力な実施推進を期し、公共投資の増大とともに、国土の総合的開発に特段の施策を講ぜんとしているところでありますが、本地方の開発については、如上のごとき実情にかんがみ、特にこの際、特別の立法措置を行ない、開発事業の画期的推進をはかることが、きわめて緊要であると思うのであります。

 以上が本法律案を提出する理由であります。

 次に法案の要旨について御説明いたします。

 第一は、内閣総理大臣が、中国地方開発促進計画の作成を行なうことについて規定したものでありまして、総理は、後述する中国地方開発審議会の議を経て、これを行なうことといたしております。

 第二は、中国地方開発審議会の設置とこれに伴う所掌事務・組織その他必要な事項について規定いたしました。

 なお、特定の重要事項を審議検討するための部会の設置、その他審議会の具体的運用については政令をもってこれを定めることといたしております。

 第三は、開発促進計画に基づく事業の実施に関する規定でありますが、開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法令の規定に従って、国、地方公共団体その他のものが実施するものとし、それぞれの事業の総合かつ、効率的な実施推進を期するため、経済企画庁長官が毎年度、事業計画及び資金計画の調整を行なうことといたしたのであります。

 第四は、開発促進計画の実施を促進するための財政上の措置に関してでありますが、政府は開発促進計画を実施するために必要な資金の確保をはかり、かつ財政の許す範囲において、その実施の促進に努めなければならないと規定いたしております。

 なお、これについては一般会計予算の増額を期するほか、地方産業育成のための財政資金の確保についても、特段の考慮が払わるべきものと存じます。また、開発促進計画に基づく事業の実施促進に伴う、地方財政再建促進特別措置法との関係については、財政再建団体及び財政再建法準用団体である県が、開発促進計画に基づく事業を円滑に実施できるように、自治大臣が、財政再建計画の変更の承認にあたって、特別の配慮を行なわねばならないと規定いたしております。

 なお、本法附則において、本法と九州地方開発促進法との双方に包含せられている山口県の取り扱いについて、特に規定いたしました。すなわち、本法の施行に伴い、開発計画が実施の段階に入り、かつまた事業が円滑に推進せられる時期において、政令の定めるところにより、山口県を九州地方より切り離し、本地方開発促進計画に一元化することといたしております。

 次はこれらの事業の実施にあたっての国の特別の助成措置についてでありますが、本地方の開発促進計画が作成された場合、重要事業に対する国の負担率、補助率の割合について所要の改正を行なうことといたしまして、附則第三項にその規定を設けたのであります。

 以上がこの法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。

第37回国会参議院建設委員会会議録第2号2頁(昭和35年12月15日)〔田中角榮議員発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 国土総合開発特別委員会昭和35年12月16日

中国地方の開発を促進するため、直ちに促進計画を樹立し、重要事業に対する国の負担又は補助率については、地方財政の実情に即するよう、必要な措置を講ずるとともに、地方開発資金の確保並びに運用に万全を期すべきである。…………………………………北陸地方開発促進法案に対する附帯決議北陸地方の開発を促進するため、直ちに促進計画を樹立し、重要事業に対する国の負担又は補助率については、地方財政の実情に即するよう、必要な措置を講ずるとともに、地方開発資金の確保並びに運用に万全を期すべきである。提案の趣旨を若干敷衍をいたしておきたいと思いますので、申し上げます。政府は、ただいまの附帯決議の趣旨、また、先ほど議決をされました法案に基づきまして、すみやかに、開発促進計画に基づく事業のうち、重要なものに要する経費にかかわる国の負担または補助の割合を引き上げることによって、今後一そう両地方の開発事業の促進をはかられたいのであります。そのためには、まず第一に、東北開発促進法に準じまして、両地方の県のうち、財政再建団体である県につきましては、当該県にかかわる開発促進に基づく重要な事業について、その経費にかかわる国の負担割合を、通常の国の負担割合より二割引き上げることとしていただきたいのであります。次に、財政再建団体ではないが、十分な財政力がないために、未開発のままになっておる県が相当ありますので、これらの県のうち、内閣総理大臣が当該県の財政の状況を勘案して指定する県に対しましては、第一において述べた事業につきまして、政令で定めるところにより、その経費にかかわる国の負担割合を、通常の国の負担割合の二割以内において、政令で定める割合だけ引き上げることといたすべきであろうと思うのであります。次に、以上の措置をすみやかに講ずることにより、国の負担割合が引き上げられる結果といたしまして、当該県の負担割合が百分の十未満となる場合におきましては、当該県の負担割合が百分の十となるように国の負担割合を定めるようにいたしたいのであります。なお、中国地方の場合につきましては、山口県の特殊事例があるのでございます。現在、山口県は、九州地方開発促進法の対象の区域内にあるのでありまして、本法が実施となる場合におきましては、これを中国地区に切りかえるように了承済みであることは、御案内の通りであります。従いまして、九州地方等と異なった条件ではきわめて不都合が生ずるのでありまして、この特殊事情も十分政府においてもくみ取られまして、すみやかに附帯決議の趣旨を実施していただきたいのであります。なお、先ほど質疑の際に要望をかねて申し上げましたが、私どもは、開銀の特別ワクを応急措置としてとりあえず要望いたしておるのでありまして、各ブロックごとに開発公庫を設置するということは、いろいろ困難な事情もあるように考えられまするので、九州、四国、中国、北陸等を対象とする、たとえば西日本開発公庫のごときものをこの際十分御検討願いまして、以上の融資等に対する要望に沿われるよう、政府においても御検討の上、実施せられんことを、これは各党の一致した意見であることも付言して申し上げ、附帯決議の趣旨並びに説明にかえる次第であります。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103702001)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。