租税特別措置法の一部を改正する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和36年法律第49号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S36.3.9趣旨説明大蔵委員会 1281
- S36.3.28質疑大蔵委員会 2253
- S36.3.29質疑・附帯決議・採決大蔵委員会 23136
- S36.3.30委員長報告・採決本会議 2351
- S36.3.31参議院回付案・参議院回付案同意本会議 2431
- S36.6.28附帯決議本会議 1
参議院大蔵委員会
- S36.3.9趣旨説明大蔵委員会 931
- S36.3.30補足説明・質疑大蔵委員会 18197
- S36.3.31委員長報告・採決(修正)本会議 1778
- S36.3.31採決(修正)・討論・修正案趣旨説明大蔵委員会 1986
提案理由
大久保武雄 政府委員(大蔵政務次官) 昭和36年3月9日まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
政府は、昭和三十六年度税制改正の一環として、すでに租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出して御審議を願っているのでございますが、その後鉱工業技術研究組合法、低開発地域工業開発促進法その他の法案が国会に提案されることとなったことなどに伴い、必要な税制上の特別措置を講ずるため、重ねて租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第でございます。
改正案の概要の第一は、試験研究の助長をはかるための特別措置であります。科学技術振興の重要性に顧み、試験研究の助長をはかるために、すでに税制上各種の措置が講ぜられているのでありますが、さらに、鉱工業技術研究組合法案の提案に伴い、同法に基づいて設立される鉱工業技術研究組合がその試験研究用の機械設備等の取得に充てるため組合員が組合に対して納付する費用については、最初の一年間でその七〇%、三年間でその全額を償却する特別償却の方法を認めるとともに、鉱工業技術研究組合が組合員から受け入れた賦課金で取得した試験研究用固定資産については、その取得価額を減額していわゆる圧縮記帳を行なうことによりその賦課金の受け入れにより利益を生じさせないことができるよう措置することといたしております。
第二は、産業助成のための特別措置であります。
この点については、まず企業基盤を強化するため特定産業の合併を促進する政策上の要請に従って合併が行なわれる場合などに課税の特例を認めることといたしております。すなわち、機械工業振興臨時措置法に規定する特定する特定の機械工業を営む法人、農業協同組合合併助成法もしくは漁業協同組合整備促進法に基づき合併を行なう農業協同組合もしくは漁業協同組合または中央卸売市場において卸売業を営む法人が一定の要件に従って合併を行なった場合には、その合併により生ずる清算所得に対する法人税の課税を軽減し、特定機械工業を営む法人が事業の共同化のために機械工業振興臨時措置法の要件に従って現物出資した場合には、その出資により取得する株式について圧縮記帳を認め、さらに農業協同組合及び漁業協同組合が一定の要件に従って合併を行なうときは、被合併法人の欠損金を引き継ぐことを認めることとしております。
次に、特定産業の合理化と工場の地方分散等のために工場用地の買いかえを行なう場合に、課税の特例を認めることといたしております。すなわち、特定機械工業を営む個人または法人が、その生産方式の改善等のため一定の要件に従って工場を移転する場合、及び中小企業者が事業場の集団化のため一定の要件に従って一団地の工場用地に工場を移転する場合に生ずる譲渡所得について、一定の要件のもとで、その買いかえた工場用地の取得価額を圧縮記帳するなどの方法で、課税の特例を認める措置を講ずることといたしております。
さらに、硫安工業の合理化に資するため硫安製造業者の繰り越し欠損の処理について特例を認めることといたしております。すなわち、硫安工業の合理化対策の一環として、硫安製造業者が日本硫安輸出株式会社に対して有する売掛金で、本年七月三十一日までに生じたもののうち、日本硫安輸出株式会社の欠損に見合うものを法人の所得の計算上損金に算入するとともに、これに伴う損失については十年間の欠損金の繰り越し控除ができるなどの特例を設けることといたしております。
第三は、低開発地域等の工業開発等の促進をはかるための特例措置であります。わが国経済の急速な発展に伴い、地域別の所得格差を是正するため、地方における工業開発等を促進することが重要な課題となっておりますが、そのため税制上所要の特別措置を講ずることといたしております。この点については、まず低開発地域工業開発促進法案の国会提出に伴い、同法に基づき低開発地域工業開発地区として指定される地域内で製造業の用に供する設備を新設または増設する場合には、一定の要件のもとで、初年度において機械設備について取得価額の三分の一、工場建物については五分の一相当額を普通償却の別ワクとして償却することを認める特別償却の制度を設けることといたしております。また、地方における工業開発等に資するため、地方公共団体もしくは日本住宅公団の行なう工場用団地等の造成のため土地が買収されたことに伴って代替地等を買いかえた場合、または首都圏整備に関する法令によって東京都の区部等の既成市街地内において作業場の新増築等が制限されているため土地等を譲渡し、他の市街地開発区域、低開発地域、工業開発地区等の地区において土地等を取得する場合には、圧縮記帳の方法により譲渡所得の課税の特例を設けることといたしております。
第四は、海外移住者に対する譲渡所得等の課税の特例であります。わが国から海外に移住する者の実情を考慮するとともに、移住振興の見地から、国の行政機関が作成した計画に基づいて海外に移住する者が移住に際して資産を処分した場合の譲渡所得等の課税について特例を設けることとし、その譲渡所得の金額から百万円の特別控除を行なった後の金額の二分の一相当額を譲渡所得の金額と見ることなどの措置を講ずることといたしております。この結果、一般の譲渡所得の課税の例により、その金額からさらに十五万円を控除した後の金額の二分の一が課税の対象となることとなるのであります。
以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を申し上げましたが、何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
第38回国会衆議院大蔵委員会議録第12号12頁(昭和36年3月9日)〔大久保武雄政府委員発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、硫安工業の合理化計画その他各般の対策を急速に具体化し、そのコスト低下による国際競争力の培養をはかるとともに、国内の農民に対し低兼なる肥料の供給を期すべきである。なお、肥料二法についても再検訂の要あるものと認める。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103801138)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。