道路運送車両法等の一部を改正する法律案
衆議院 運輸委員会
昭和37年法律第106号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
斎藤昇 運輸大臣 昭和37年3月13日ただいま議題となりました道路運送車両法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
最近における自動車数の増大及びこれに伴う自動車事故の激増にかんがみ、政府といたしましては、自動車の安全性を確保し、及び自動車事故による被害者の保護を一そう強化するため、自動車検査制度及び自動車損害賠償保障制度の充実及び合理化の諸方策につきまして、鋭意検討を進めておりますが、そのうち特に緊急を要するものにつきまして、とりあえず所要の改正を行なうことといたした次第であります。
この法律案は、道路運送車両法の一部改正及び自動車損害賠償保障法の一部改正からなっております。
まず、道路運送車両法の一部改正につきましては、第一に、検査標章表示制度の新設であります。
これは、自動車検査証の有効期間の終期を表示する検査標章を自動車に表示させる制度を新設し、その有効期間の終期を一目瞭然とさせることにより、無検査自動車の運行を防止しようとするものであります。
なお、この検査標章は、後に述べます自動車損害賠償責任保険と検査、登録等の関連性の強化によりまして、保険への加入の有無をも表示することになりますので、これにより無保険自動車の運行をもあわせて防止しようとするものであります。
改正の第二点は、自動車検査証の有効期間の改正であります。
これは、乗合バス等の営業用旅客自動車につきまして、その整備の向上、車両欠陥事故の低下の傾向にかんがみ、現行の原則九カ月、例外として一年となっております有効期間を一年に改正するとともに、自家用旅客自動車のうち、自家用バス及びドライブクラブ用自動車につきまして、乗車人員、その使用形態等を考慮して、その有効期間を二年から一年に短縮することといたしたのであります。
改正の第三点は、指定自動車整備事業制度の新設であります。
これは、最近における自動車数の増加に伴う自動車検査業務の激増に対処し、自動車検査制度の合理化をはかるとともに、自動車使用者の利便を増進するため、指定自動車整備事業制度を新設し、一部の検査につきまして、指定自動車整備事業者の検査を受けた場合には、書面審査によることとし、民間の検査能力を活用することといたしたのであります。
改正の第四点は、原動機番号に関する規定の整理であります。
現在、原動機番号につきましては、打刻等の規定がありますが、自動車の普及とその価格の低下に伴い、そこまで規制する必要がなくなりましたので、これらの規定を削除することといたしました。
次に、自動車損害賠償保障法の一部改正につきましては、第一に、保険と検査、登録等の関連性の強化であります。
これは、自動車の検査、登録等の処分を行なう場合に、自動車検査証等の有効期間をカバーする保険期間のある保険証明書の提示がないときは、これらの処分を行なわないものとし、これにより、検査証等の有効期間中は必ず保険に加入している状態を確保しようとするものであります。
改正の第二点は、保険標章等の表示制度の新設であります。
軽自動車につきましては、検査、登録の制度がありませんので、保険期間の終期を表示する保険標章等を表示させる制度を新設し、保険期間の終期等を一目瞭然とさせることにより、無保険自動車の絶滅を期そうとするものであります。
改正の第三点は、契約の解除の制限であります。
現行法では、この保険が強制保険であるにもかかわらず、契約の解除につきまして何らの規制もありませんため、保険契約者が恣意的な契約の解除を行なうことにより無保険自動車が運行することもできるので、これに法律上の制限を加えることといたしたのであります。
改正の第四点は、罰則の強化であります。
これは、無保険に対する罰則を強化することにより、無保険自動車の運行を防止しようとするものであります。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いを申し上げます。
第40回国会参議院運輸委員会会議録第13号1頁(昭和37年3月13日)〔斎藤昇運輸大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104001129)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。