炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案
参議院 石炭対策特別委員会
昭和38年法律第33号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院石炭対策特別委員会
提案理由
大橋武夫 労働大臣 昭和38年1月29日ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
わが国が石炭鉱業は、エネルギーの消費構造の変革に対処し、経営の近代化、合理化を迫られ、なかんずくその過程において多数の離職者が発生し、種々の社会的、経済的諸問題を提起してきたことは御承知の通りであります。このため、政府としては、従来とも各般の施策を講じて参ったのでありますが、最近の経済情勢の推移のもとにおいて石炭鉱業の景況は一層深刻化する様相を呈してきたのであります。
このような事態にかんがみ、政府は、昨年四月、閣議において石炭鉱業の近代化、合理化及び雇用の実態を調査し、今後の石炭政策について答申を求めるため、石炭鉱業調査団の設置を決定いたしました。その後、約半歳にわたる調査団の慎重な調査審議の結果、さきに内閣総理大臣に対して今後の石炭政策について答申をいただいたのであります。
政府といたしましては、この答申を十分に検討いたしました結果、これに基づき、石炭鉱業の合理化のため諸般の施策を講ずるとともに、合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者に安定した転換職場を確保するため、抜本的な対策を実施することとし、これらの離職者対策に必要な措置を講ずるため、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を作成し、第四十二回国会に提出したのであります。同国会では、衆議院においては政府原案通り可決されたのでありますが、参議院におきまして審議未了となりましたので、ここに前回提案いたしましたものと同内容の法案を提出いたした次第であります。
次に、その内容について概略御説明申し上げます。
第一に、炭鉱労働者の定義を改め、石炭鉱業の合理化の進展により、その影響を直接受ける山元の職員等をも新たに炭鉱労働者に含めることとし、石炭鉱業合理化臨時措置法に規定する炭鉱労働者の範囲と均衡をとることといたしました。
第二に、石炭鉱業の合理化に伴い離職を余儀なくされた炭鉱離職者であって一定の要件に該当する者に対して、その者の申請に基づき、炭鉱離職者求職手帳を発給し、離職後三年の間においてその者の再就職のために必要な特別の措置を講ずることといたしました。すなわち、まず、公務職業安定所は、手帳の発給を受けた者に対して定期的に出頭を求め、各人ごとにきめのこまかい特別の就職指導を行なうものとし、そのため産炭地の公共職業安定所に就職促進指導官を配置することといたしました。このような就職指導により、これら手帳の発給を受けた者は早期に再就職できると確信いたしております。次に、このような措置を実施するにもかかわらず、手帳の発給を受けた者が、労働市場の情勢等により、失業保険金受給を終了してもなお再就職の機会を得られない場合に備えて、これらの者に対しては、その生活の安定をはかり、求職活動を容易にさせるために就職促進手当を支給することといたしたのであります。また、このような措置は、昨年四月の閣議決定において石炭鉱業調査団の設置を決定した経緯にもかんがみ、同年四月一日以降の炭鉱離職者に対してもさかのぼって適用することといたしました。
第三に、手帳の効力に関する処分や手当の支給に関する処分についての不服の申し立ては、失業保険法の規定による不服申し立ての例にならい、失業保険審査官及び労働保険審査会に対して審査請求及び再審請求をすることができることといたしました。
第四に、石炭鉱業合理化基本計画が昭和四十二年を目標年次としていることにかんがみ、今後手帳の発給を受ける者については、本法の施行期間を昭和四十三年三月三十一日まで延長することといたしました。なお、以上のほか、本改正案の附則におきまして、手帳の発給にあたっての申請期間についての経過措置を定めるとともに、その他関係法律の条文につき所要の整備をいたしております。
以上、簡単でございましたが、この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第43回国会衆議院石炭対策特別委員会議録第2号5頁(昭和38年1月29日)〔大橋武夫労働大臣発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。