警察法の一部を改正する法律案
参議院 地方行政委員会
昭和38年法律第10号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
篠田弘作 自治大臣・国家公安委員会委員長 昭和38年2月1日ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
この法律案は、全国的な幹線道路における交通の規制に関する事務を管区警察局に分掌させること、警察庁の職員の定員を改めること及び交通警察に関する警察官の職権行使に関する規定を整備すること等をその内容としております。
まず、全国的な幹線道路における交通の規制に関する事務を管区警察局に分掌させることについて御説明いたします。
国家公安委員会及び警察庁は、その所掌事務の一部として、全国的な幹線道路における交通の規制に関することをつかさどることとされているのでありますが、この事務は、現在は、警察庁の地方機関である管区警察局にはこれを分掌させていないのであります。しかしながら、最近における道路交通の状況を見ますと、一級国道、二級国道等の全国的な幹線道路における自動車の交通量が飛躍的に増加しており、交通渋滞、交通事故等が著しく増加しているのであります。このような事態に対処し、全国的な幹線道路における交通の安全と円滑をはかるためには、さらに一そう地方的な交通の実態を的確に把握し、適切な交通規制を実施することが必要であります。また、管区警察局の管轄内の府県間における交通規制については、管区警察局の単位でその斉一をはかり得る場合がありますので、これらの点を勘案いたしまして、警察庁の所掌する全国的な幹線道路における交通の規制に関する事務を、各地方の特殊事情に通じた管区警察局にも分掌させ、その適正にして能率的な運営をはかって参りたいと考えるのであります。
次に、警察庁の職員の定員の改正でありますが、これは警察庁における麻薬関係の事務の増加に対処するために、新たに警察官十人を増員しようとするものであります。最近における麻薬犯罪は、その取り締まりの強化にもかかわらず、なお増加と悪質化の傾向にあり、麻薬の不正施用に関連する各種犯罪の続発等きわめて憂慮される現況にあるのであります。これに対し警察におきましては、各都道府県警察における麻薬犯罪取り締まりのための警察官の増員、専門的な担当部課の設置等その組織体制の整備をはかりつつあるところでありますが、警察庁におきましても、今回の増員措置により、都道府県警察の実施する麻薬取り締まり活動の連絡調整及び指導教養、麻薬情報の収集分析等に関する事務処理体制の充実強化をはかりたいと考える次第であります。
なお、この増員とは別に、本年十月以降におきまして、バンコック駐在官の要員として外務省へ警察官一人を出向させるため定員の移しかえを行ないますので、定員上は、差し引き九人の増員ということになるのであります。
次は、交通警察に関する警察官の職権行使に関する規定の整備について申し上げます。
最近、観光事業者等が建設する道路運送法上の自動車道が各地にできつつありますが、これらの道路が二以上の都道府県の区域にわたるときは、これらの道路における効果的な交通警察活動を実施するため、警察官の管轄区域外の職権行使を認める必要性が生じてくるのであります。しかしながら、このような場合に適用されるべき警察法第六十六条第二項におきましては、道路法の規定による道路のみがその適用対象となっておりますため、ただいま申し上げましたような道路運送法の規定による自動車道にはこの規定を適用できないという不合理が生じているのであります。これを是正いたしますため、警察法第六十六条第二項に新たに道路運送法第二条に規定する自動車道を加えることにより、これらの道路における効果的な交通警察活動を実施し、もって交通の安全と円滑をはかって参りたいと存ずるのであります。
以上が、この法律案の提案理由及び内容であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
第43回国会衆議院地方行政委員会議録第1号2頁(昭和38年2月1日)〔篠田弘作自治大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301035)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。