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国会審議›第43回国会›閣法第65号
閣法第43回国会 第65号成立修正あり

中小企業基本法案

昭和38年法律第154号 中小企業基本法
提出昭和38年2月7日 内閣
付託衆議院 商工委員会
参議院 商工委員会
成立昭和38年7月5日
昭和38年法律第154号
審議会議 17回・発言 1,500(政府答弁等 533)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院商工委員会

  1. S38.2.19趣旨説明・質疑本会議 866
  2. S38.2.26趣旨説明商工委員会 1171
  3. S38.5.31質疑商工委員会 3187
  4. S38.6.4質疑商工委員会 3237
  5. S38.6.5質疑商工委員会 3316
  6. S38.6.7質疑商工委員会 3484
  7. S38.6.11質疑・現地調査会商工委員会 35382
  8. S38.6.12参考人招致商工委員会 3698
  9. S38.6.14質疑商工委員会 3793
  10. S38.6.20質疑・採決(修正)・修正案・修正案趣旨説明商工委員会 3846
  11. S38.6.26委員長報告・修正案・修正案趣旨弁明・質疑・討論・採決(修正)本会議 4052
  12. S38.7.6参議院回付案・参議院回付案同意本会議 5040

提案理由

福田一 通商産業大臣 昭和38年2月19日

中小企業基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 わが国の中小企業が、鉱工業生産の拡大、商品流通の円滑化、海外市場の開拓、雇用機会の増大等、国民経済のあらゆる領域にわたって、その発展に寄与するとともに、国民生活の安定に貢献して参りましたことは、すでに国民の一人片々が高くこれを評価しているところであります。

 しかるに、最近に至りまして、生産性等の著しい企業間格差は、中小企業の経営の安定とその従事者の生活水準の向上にとって大きな制約要因となりつつあります上に、技術革新の進展、生活様式の変化等による需給構造の変化と労働力の供給の不足とは、中小企業の存立基盤を大きく変化させようといたしているのであります。わが国の中小企業をこのような状態に放置いたしますときは、その事業経営の安定をそこない、ひいては国民経済の健全な成長発展をも達成し程なくなるものと深く憂慮いたしている次第であります。

 このような事態に対処して、特に小規模企業の従事者に対し適切な配慮を加えつつ、中小企業の成長発展をはかるため、その経済的、社会的制約による不利を補正し、中小企業者の自主的努力を助長して生産性を向上し、取引条件を改善するよう格段の努力をいたさねばならないと考える次第であります。このことは、中小企業の経済的、社会的使命にこたえるゆえんのものであるとともに、わが国経済の均衡ある成長を達成しようとする国民のすべてに課された責務でもあるとかたく信ずるものであります。

 このような考えのもとに、ここに中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業に関する政策の目標を示すため、本法案を提出いたした次第であります。

 次に、本法案の内容につきましてその概要を御説明いたします。

 まず、前文におきましては、以上に申し述べましたような趣旨を明らかにいたし、次いで第一章総則におきまして、第一に、中小企業に関する国の政策の目標は、国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的、社会的制約による不利を補正するとともに、中小企業者の自立的な努力を助長して中小企業の成長発展をはかり、あわせてその従事者の地位の向上に資することと規定しております。これは、中小企業の成長発展を国民経済と遊離して考えることは非現実的であり、国民経済もまた均衡成長を果たすことなく高度成長を達成することはできないとの観点に立って、国民経済の成長発展の方向に即しつつ、生産性等の企業間格差が是正されるように、中小企業の生産性と取引条件が向上することを目途として、中小企業の成長発展をはかって参ることが必要と考えたがためであります。

 第二に、本法案の対象とする中小企業者の範囲を、製造業等にあってはおおむね資本金五千万円以下または従業員数三百人以下、商業、サービス業にあっては同じく一千万円以下または五十人以下とし、具体的には諸般の施策が最も効率的に運用されるよう、施策ごとに弾力的に定めるべきであるといたしております。

 第三に、第一に述べました目標を達成するため、国は、ひとり産業政策の分野のみならず、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないこととしておりますが、その際重点的に取り上ぐべき方向づけとして設備の近代化以下八項目を明らかにいたすとともに、地方公共団体もこれに準じて施策を講ずるように、また、中小企業者以外の者もこれらの施策の実施について協力するよう要請しております。これは、中小企業の成長発展をはかることが全国民経済的課題であることにかんがみ、国は、その産業経済、財政金融、科学技術、社会労働等諸般の政策を通じ、また国民は、一致協力して問題の解決に当たるべきであると考えたがためであります。

 第四に、政府に対しまして、施策の実施に必要な法制上、財政上の措置をとるべきこと、中小企業の実態を明らかにするための調査を実施すべきこと並びに中小企業の動向及び施策に関し国会に年次報告を提出すべきことを義務づけております。

 以上が第一章のおもなる内容でありますが、第二章から第六章までにおきましては、第一章で方向づけられました必要な施策につきまして、その方針をそれぞれ明らかにいたすこととしてあります。

 第二章におきましては、主として中小企業の体質改善に関する施策につきまして、その方針を明らかにすることといたしております。

 第一に、中小企業の設備の近代化、技術の向上、経営管理の合理化のため、積極的に施策を推進することといたしております。

 第二に、中小企業の諸問題は、根本的には企業規模が過小であることから生じていることにかんがみ、これを抜本的に改善いたし、生産性と取引条件が最も向上するように基盤を整備するため、中小企業構造の高度化の方策として、企業規模の適正化、事業の共同化、事業転換の円滑化及び小売商業における経営形態の近代化のための施策の方針を宣明いたしております。

 すなわちその一といたしまして、企業規模の適正化をはかるため、事業経営の規模の拡大、企業の合併、共同出資会社の設立等を円滑化するよう必要な施策を講ずるとともに、政府に対しこれに関する指標を作成すべきことを義務づけ、その二として、事業共同化のための組織の整備、工場、店舗等の集団化、その他の助成を行ない、中小企業者が体質改善するにあたり協同してこれを効率的に推進できるように必要な施策を講ずべきことといたしております。このほか、特に流通機構の合理化の趨勢に中小商業者が対処し得るように必要な配慮をなすべきこと、及び中小小売商の経常形態の近代化のため必要な施策を講ずべきことといたしております。なお、需給構造の変化等に即応して、中小企業者が自己の発意により他の業種に転換しようとする場合には、これを助成するため必要な施策を講ずべきことといたしております。

 第三に、中小企業における労働関係の適正化、従業員の福祉の向上をはかるため必要な施策を講ずるとともに、最近における求人難に対処すべく、職業訓練、職業紹介の事業の充実等により、労働力確保のために必要な施策を講ずべきことを規定いたしております。

 第三章、事業活動の不利の補正におきましては、中小企業の事業活動面における環境の整備をはかって、その不利を補正し、もって体質改善の推進に資するという趣旨に出、そのための施策の方針を明らかにいたしております。

 第一に、中小企業の過度の競争を防止するとともに、下請取引を適正化するため、下請代金の支払い遅延の防止等及び下請関係の近代化の施策を講ずることといたしております。

 第二に、中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会を適正に確保するため必要な施策を講ずるよう規定いたしております。これは、最近における需給構造等の変化に伴う大企業等の進出に対し、これに起因する社会的、経済的摩擦を回避し、中小企業の経営の安定が阻害されることのないよう措置することが必要であると考えたがためであります。また、これと関連いたしまして、中小企業製品と競合する物品の輸入により、中小企業に重大な影響を与えるおそれがある場合には、緊急に輸入調整等の措置も講じ得るよう規定いたしております。

 第三に、中小企業製品の輸出の振興、国等からの受注機会の確保、その他需要の増進をはかるため必要な施策を講ずべきことといたしておるのであります。

 第四章におきましては、小規模企業者について、特にその経常の改善発達とその従事者の生活の安定につき必要な考慮を払うよう規定いたしております。これは数多くの小規模企業者に対しては、一般の中小企業政策に加えて諸般の施策が円滑に実施されるように特に手厚い施策を講ずる必要があるからであります。

 第五章におきましては、中小企業の体質を改善し、経営の安定をはかるため、中小企業に対し資金の融通を適正、円滑化し、企業資本の充実を促進することがきわめて重要な政策手段であることにかんがみ、このための必要な施策を講ずるよう規定いたしております。

 次に、第六章におきましては、行政機関の整備と行政運営の改善に努めるよう規定いたすとともに、中小企業者が事業の共同化、事業活動の自主的調整等によりその成長発展と地位の向上をはかるため組織化を推進することが特に必要であることにかんがみ、中小企業者の組織化の推進その他中小企業に関する団体の整備につき必要な施策を講ずることといたしております。

 最後に、第七章におきましては、中小企業政策に関する重要事項を調査、審議せしめるため、総理府に中小企業政策審議会を設置することといたし、その組織等について必要な規定を定めております。

 中小企業基本法案の概要は以上の通りでありますが、ここに示された施策の方向に従い、今後にわたって施策の拡充に努め、これを積極的に推進して参る所存であります。なお、三十八年度につきましては、予算案に本法案の趣旨をすでに取り入れてありますが、また関係法律案につきましては、当面措置すべきものについてすみやかに提案いたすことといたしております。

 以上をもちまして、中小企業基本法案の趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)

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第43回国会衆議院会議録第8号4頁(昭和38年2月19日)〔福田一通商産業大臣発言・発言番号26〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

参議院 商工委員会昭和38年6月27日

なお、御意見のおありの力は、原案並びに修正案及び附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。

参議院 本会議昭和38年7月5日

他の四法案については一括してこれを採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。なお、福田通産大臣から、決議の趣旨を十分に尊重する旨の発言がございました。以上で五法案に関する報告を終わります。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301065)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。