農業災害補償法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
昭和38年法律第120号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S38.3.6趣旨説明・補足説明農林水産委員会 156
- S38.3.28質疑農林水産委員会 24176
- S38.5.8質疑農林水産委員会 2536
- S38.5.9質疑農林水産委員会 265
- S38.5.14質疑農林水産委員会 2749
- S38.5.15参考資料説明農林水産委員会 2897
- S38.5.16質疑農林水産委員会 2993
- S38.5.21質疑農林水産委員会 30194
- S38.5.22参考人招致農林水産委員会 3134
- S38.5.23質疑農林水産委員会 3292
- S38.5.28質疑・修正案・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 33187
- S38.5.31委員長報告本会議 2834
- S38.6.4討論・採決本会議 2960
提案理由
津島文治 政府委員(農林政務次官) 昭和38年3月6日次に、農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
現行農業災害補償制度は、その制度創設以来すでに十数年を経過しておりますが、その間にこの制度が災害対策として農業経営の安定に多大の寄与をして参りましたことは周知の通りであります。しかしながら、最近におきましては、農業生産基盤の整備、耕種技術の改善等によりまして、農作物被害の地域差が拡大し、安定地域が増加する等農業災害の発生態様も変化して参り、この制度が農業の実態に必ずしも適合しない面も現われ、各方面からその改正が強く要望されてきたのであります。この要望にこたえるため、政府におきましては、農作物共済を中心に改善を加えることとして、第三十八回通常国会に改正法案を提出しましたが、審議未了となり、続く第三十九回臨時国会に再提出し、さらにこの国会から継続して審議されました第四十回通常国会において衆議院で修正議決の後、参議院で再び審議未了となりましたことは御承知の通りであります。このような事態に対処するため、政府といたしましては、とりあえず必要な予算措置等を講じて参り、特に昭和三十八年度予算におきましては、農作物共済及び蚕繭共済の単位当たり共済金額の引き上げ、家畜共済についての家畜加入推進奨励金の新設、農業共済団体等の事務費国庫負担金の増額等を行なうことといたしましたが、制度改正は農民の多年の要望でもあり、また制度運営の現状を早急に改善する必要もありますので、これまでの改正法案の国会審議の経緯や最近の実情等を慎重に検討いたしました結果、衆議院修正後の案を基礎に再びこの法律案を提出することといたした次第であります。
次に、法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
まず第一は、農業共済組合等の農作物共済の共済責任の拡充であります。農業共済組合または共済事業を行なう市町村の農作物の共済責任を実質的に拡充するため、通常危険責任部分のうちの大部分の責任を組合等に保留させ、通常危険責任部分のうちの残りの部分と異常危険責任部分を農業共済組合連合会の保険に付し、連合会はそのうちの異常危険責任部分のみを政府の再保険に付することといたしました。この結果、組合等の共済掛金の保留額も多くなりますので、無事戻し制度の整備拡充をはかることができ、低被害地における共済掛金の掛け捨てが多いという不満も相当緩和されるものと考えております。
第二は、画一的強制方式の緩和であります。経営規模がきわめて小さく農業所得の比重が非常に低い農家については、組合等への加入が強制されることのないよう地方の実情に即して緩和し、任意加入資格者の範囲を拡大することができることとするとともに、事業量が僅少である等の理屈がある場合には、組合等は、共済事業の一部廃止ができることとしたのであります。
第三は、農作物共済の損害補てん内容の充実であります。損害が発生した場合の補てん内容の充実をはかるため、農作物共済の単位当たり共済金額は、従来米麦の価格の七割を標準として定めていたのを、その九割を限度として定めた二以上の金額のうちから選択することといたしました。この結果、全損の場合の実質補てんの割合は、最高の単位当たり共済金額を選択した場合には米麦の価格の約六割三分にまで達することとなるわけであります。
第四は、農作物共済の共済掛金率の設定と共済掛金の国庫負担方式の合理化であります。組合等の共済掛金率を被害の実態に即応せしめるため、組合等ごとに過去の被害率を基礎として基準共済掛金率を定め、さらに必要な場合には、組合等の区域を幾つかの地域に分けて定めることができる仕組みにするとともに、共済掛金の国庫負担につきましても、基準共済掛金率の高低に応じ、最低を二分の一とする超過累進の方法により組合等別に国庫負担割合を定めることとしてその公平を期し、両々相待って農家負担の合理化をはかったのであります。
なお、この改正により農家負担が増加した組合員等に対しては、当分の間、その増加の割合を基礎として一定額の補助金を交付することといたしております。
第五は、水稲の病虫害の共済事故除外と共済掛金の割引であります。最近における病害虫による被害の低位安定化の傾向に即応し、病害虫防除事業の推進に資するため、水稲について病虫害の防止のため必要な施設が整備され、その防止が適正に行なわれる見込みがあるものとして指定を受けた組合等においては、病虫害を共済事故としないで、これに対応する部分の額だけ共済掛金を割り引くことができることとするとともに、この割引によって不要となった国庫負担額のうち、割り引きされた農家負担の減額分に相当する額を限度として、病害虫防除事業に対し補助することといたしました。
最後に、任意共済に関する制度の改正について申し上げますと、今回の改正により、連合会は、その行なう任意共済についての手持ち責任の一部を全国共済農業協同組合連合会の共済に付することができる旨の規定を新設したのでありますが、これにより、建物共済についての農業共済、農協系統両団体間の事業分野の調整が促進され、両団体の建物共済の健全な発展がはかり得るものと考えるのであります。
以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
第43回国会衆議院農林水産委員会議録第15号12頁(昭和38年3月6日)〔津島文治政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301137)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。