電気事業法案
参議院 商工委員会
昭和39年法律第170号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S39.3.24趣旨説明・質疑本会議 1663
- S39.3.25趣旨説明商工委員会 25211
- S39.4.25質疑商工委員会 3755
- S39.5.27質疑商工委員会 5044
- S39.5.29質疑商工委員会 5179
- S39.6.2質疑商工委員会 5259
- S39.6.3質疑商工委員会 53148
- S39.6.5参考人招致商工委員会 54169
- S39.6.9質疑・修正案・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)商工委員会 55317
- S39.6.11委員長報告・修正案・採決(修正)本会議 3545
参議院商工委員会
- S39.4.8趣旨説明・質疑本会議 1655
- S39.4.9趣旨説明商工委員会 20146
- S39.6.12衆議院修正部分趣旨説明・補足説明・議案(衆議院修正部分)商工委員会 3470
- S39.6.16参考人招致・質疑商工委員会 35115
- S39.6.22質疑商工委員会 36154
- S39.6.23質疑・討論・採決・附帯決議商工委員会 3744
- S39.6.25委員長報告・採決本会議 3165
- S39.6.26附帯決議本会議 1
提案理由
福田一 通商産業大臣 昭和39年3月24日電気事業法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
電気事業は、国民生活及び産業活動に欠くことができず、しかも、代替性の著しく乏しい基礎エネルギーを供給するものであって、国民経済の発展と密接不可分の関連を有するきわめて公益性の高い基幹産業であります。
近時、国民生活の高度化、近代化と産業活動の目ざましい進展に伴って、電力の需要は著しく伸長し、総エネルギー需要に占める電力の比重は非常に満まってきております。これに伴い電気事業には、豊富、低廉、良質な電気を供給することによって、日本経済の成長をエネルギーの面からささえていかなければならない重大な使命を課せられているのであります。また、電気事業は、その生産する電力が直ちに消費され、この間に通常の商品のような在庫調整ができず、このため、常にピーク時の需要に応じ得るだけの設備を開発しておかねばなりません。一方、その送配電の技術的特質から重複設備によるむだを排除する意味で、地域独占の産業になっております。
このような特質を持つ電気事業をして、前述の国家的要請に応じて、常に適正なる電気の供給を行なわせるためには、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによって、電気の使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達をはかることが必要であり、このためには、いわゆる公益事業規制の措置がとられねばなりません。世界各国においても、その方法において若干の相違はあれ、いずれも政府による法的な規制を行なっている次第であります。さらに、電気はその物理的性質上、その取り扱いいかんによっては相当の危険ないしは障害を伴うものでありますので、保安面から電気工作物の規制を必要といたします。
このような電気事業に関する法的規制は明治四十四年電気事業法が制定されて以来、事業規制、保安規制の両面にわたって続けられてきたのであります。ところが、戦後、占領終了時における特殊事情のため、昭和二十七年にいわゆるポツダム勅令である旧公益事業令が失効し、一時的に無法律状態となり、これを救済するため、電気及びガスに関する臨時措置に関する法律が制定され、これによってすでに失効した旧公益事業令の規矩の例によって法規制を行ない、また、電気工作物に関しては、さらに昭和六年制定の旧電気事業法の規定の例によって規制するという、法形式的には全く類例を見ない特異なものとなっております。しかも、その後十余年を経た今日に至っては、その内容においても目ざましい発展を遂げた電気事業の実態に適合しない多くの点が生ずるに至っております。
すなわち、電力の需給は、かつての不均衡からくる混乱状態から脱却し、国民経済の発展の正常化とともに相当の供給予備力を持つまでに安定し、電気事業に対する要請も電気の量を確保することから、供給する電気の質を向上すること、あるいは電気の使用者に対するサービスを改善することへと大きく変わってきております。また、電気事業内部においても、発送変電技術の著しい進歩に伴う設備の大容量化、新鋭大容量火力の開発による火主水従への転換、企業間における格差の発生などの変化が生じ、設備を広域的に運用する必要性が非常に高まってきております。
このような電気事業の内外の情勢の変化に対応して現状に適合するようその法制を整備する必要性が生じたのであります。政府といたしましては、現行法制が前に申し上げたとおり特異な法形式をとっている関係上、その一部を改正することは立法技術的に非常に困難でありますので、現在の暫定的な法律を廃止し、新しい電気事業法を制定することが最も適切であると考えた次第であります。
なお、政府におきましては、電気事業法案の作成について昭和二十八年より検討を進めてまいったのでありますが、戦前に統合した公私常の電気設備の復元問題をはじめとする諸般の事情のため成案を得て国会で御審議をお願いするまでに至らなかったのであります。これらの問題もようやく解決しましたので、昭和三十七年五月に、電気事業法案策定に関する基本方針を検討するため、電気事業審議会を設置し、広く各界の有識者によって一年半にわたる審議を行なった結果、昨年十月にその答申を得たのであります。
政府といたしましては、その答申を尊重して事業許可、供給義務、料金規制、保安規制等の従来の法的規制に対し、第一には、企業経営の能率化と行政の合理化、簡素化の見地から事業規制及び保安規制を合理化するとともに、公益的立場から必要とされる監督権限を整備すること、第二には、設備の建設、運用における合理性の確保、企業間における格差の是正等の電気事業の課題を解決する方途として、広域運営を推進するとともに、これに関する国の監督権限を整備すること、第三には、電気の使用者の利益を保護し、サービス水準を向上させる規定を整備することの三つの見地を加味して、この電気事業法案を作成いたしたのであります。
以上をもちまして、電気事業法案の趣旨の説明といたします。(拍手)
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電気事業法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第46回国会衆議院会議録第16号18頁(昭和39年3月24日)〔福田一通商産業大臣発言・発言番号54〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104601136)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。