道路交通法の一部を改正する法律案
衆議院 地方行政委員会
昭和39年法律第91号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院地方行政委員会
- S39.4.2趣旨説明・補足説明・質疑地方行政委員会 21107
- S39.4.9質疑地方行政委員会 23225
- S39.4.14質疑・採決地方行政委員会 24192
- S39.4.22委員長報告・採決本会議 1863
衆議院地方行政委員会
- S39.4.23趣旨説明・補足説明地方行政委員会 3776
- S39.5.8質疑地方行政委員会 4257
- S39.5.12質疑地方行政委員会 4360
- S39.5.19質疑地方行政委員会 4679
- S39.5.21質疑地方行政委員会 47109
- S39.5.22質疑地方行政委員会 48101
- S39.5.26質疑地方行政委員会 4983
- S39.5.28質疑・採決・附帯決議地方行政委員会 50147
- S39.5.29採決・委員長報告・附帯決議本会議 3270
提案理由
赤澤正道 自治大臣・国家公安委員会委員長 昭和39年4月2日ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、道路交通に関する条約への加入に伴い、車両等の交通方法に関する規制を同条約に定める方式に適合するように改め、国際運転免許証及び国外運転免許証に関する制度について規定すること、最近における交通事情にかんがみ、車両等の交通方法に関する規定を改め、運転免許制度の合理化をはかるため所要の規定を整備すること、交通事故の場合の事後措置義務違反、酒酔い運転の禁止違反等に対する罰則を強化すること等をその内容としております。
まず、条約への加入に伴う改正について御説明いたします。
第一は、車両等の通行方法に関する規制を条約に定める方式に適合するように改めることでありますが、一部の例外を除き、車両の通行区分を道路の左側部分の左側を通行するいわゆるキープレフトの原則に改めること、軽車両の並進を禁止すること、優先道路の指定に関する規定を新設すること等がその内容となっております。
第二は、国際運転免許証の国内における取り扱い及びわが国で発給する国外運転免許証制度に関する規定を新設することであります。すなわち、国際運転免許証につきましては、条約第二十四条第一項の国際運転免許証を所持する者は、本邦に上陸してから一年間、わが国の運転免許を受けないで、その国際運転免許証で運転することを認められる自動車等を運転することができることとし、あわせて国際運転免許証の携帯義務、提示義務等について定めるとともに、国際運転免許証の発給の条件が満たされなくなった場合または道路交通法令に違反した場合には、わが国の運転免許を受けている者に対する運転免許の取り消しまたはその効力の停止の例により、一定期間、その者の自動車等の運転を禁止することができることといたしております。
また、わが国において発給する条約第二十四条第一項の運転免許証につきましては、これを国外運転免許証と呼称し、公安委員会が発給することとするとともに、この国外運転免許証の交付の申請の手続、有効期間、失効した場合における返納義務等について規定することといたしております。
次に、最近の交通事情にかんがみ、車両等の交通方法に関する規定を改め、運転免許制度の合理化をはかるため所要の規定を整備することについて御説明いたします。
第一は、車両等の交通方法に関する規定の改正でありますが、車両等の追い越し、駐車等の規制その他車両の交通方法に関する規定について、最近における交通事情にかんがみ、これらの規定を実情に即するよう整備することにより、道路における危険の防止、その他交通の安全と円滑をはかろうとするものであります。
第二は、運転免許制度の合理化をはかるための所要の規定の整備でありますが、これは、従来の軽自動車のうち農耕作業用自動車及び小型特殊作業用自動車を軽自動車から分離して小型特殊自動車とし、その運転免許試験を簡略にすること、運転免許の拒否または保留に関する規定を整備して、公安委員会は、運転免許の拒否または保留をすべき者について運転免許を与えた後においてその事実が判明したときは、その者の免許を取り消し、またはその効力を停止することができることとすること、運転免許を取り消し、またはその効力を停止することができる公安委員会を、その処分にかかわる事由発生時に被処分者の住所地を管轄する公安委員会とし、行政処分の迅速化と適正化をはかることとしたこと等がその内容であります。
次に、罰則の強化について御説明いたします。
第一は、車両等の運転者が交通事故による人の死傷があった場合において負傷者の救護等を怠った場合の罰則を強化したもので、これは、最近におけるいわゆるひき逃げ事犯の増加とその悪質化の予防をはかろうとするものであります。
第二は、酒酔い運転の禁止違反に対する罰則の強化でありまして、これはいわゆる酔っぱらい運転がきわめて危険な行為であるばかりでなく、そのような者が交通事故を起こした場合は、同時にひき逃げ事犯を犯すことが多いことから、罰則を強化することによりこの種事犯の予防をはかろうとするものであります。
第三は、不正な手段等により運転免許証の交付を受けた者に対する罰則の強化でありまして、これも最近増加の傾向にある自動車教習所における不正卒業証明書の発行、免許試験の際におけるかえ玉受験等の事犯の予防をはかろうとするものであります。
第四は、車両の通行区分違反、追い越しの規制違反等に対する罰則の強化でありまして、これらの違反行為が交通事故の原因となっている場合が多いことにかんがみ、罰則を強化することにより、この種の違反行為の予防をはかろうとするものであります。
なお、この法律案中、国際運転免許証を所持する者に対する自動車等の運転を禁止する規定に関連する関係規定に条文整理上の不備がありましたので、この不備を補うため若干の修正をいたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
第46回国会参議院地方行政委員会会議録第21号1頁(昭和39年4月2日)〔赤澤正道自治大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
まず最初に、案文を朗読いたします。道路交通法の一部を改版する法律案に対する附帯決議(案)最近におけるわが国の交通事故の激増と交通渋滞の頻発の状況にかんがみ、政府は、本法の施行にあたり、とくに左の諸点についてすみやかに適切な対策を講ずべきである。
一道路交通行政に関する総合的施策を迅速かつ強力に策定推進するため、警察庁、運輸省、建設省、通商産業省等交通に関係ある行政機関相互間の連絡調整を徹底すること。
二道路交通に関する法体系を整備するとともに、法令における難解かつ多義的な表現をつとめて平易、明快にし、あわせて大都市の交通事情に対処するための規制につき検討すること。
三罰則の適用にあたっては、本法の趣旨に則り、個々の具体的事案を慎重に検討の上、適正な法の運用をはかること。
四道路交通法違反事件の実情にかんがみ、交通事犯の処理については、刑事罰のみによることなく、交通事犯の行政罰手続への一部移行をはかること。
五歩行者に関する事故が多発している現状にかんがみ、歩行者に対する通行方法の指導ならびに年少者に対する保護者の責任の自覚を高めるなど交通道徳の確立につとめるとともに、交通安全教育を強力に推進すること。
六キープレフトの原則の採用にあたっては、わが国の道路交通の実情に即するよう(とくに歩車道の区別のないところにおいて)慎重に検討の上実施すること。
七安全な交通を確保するため、交通安全施設等(ガードレール、道路照明、跨道橋、安全島、道路標識、信号機等)を早急に拡充整備し、そのための十分な財政措置を講ずること。
八物件の路上放置、青空車庫による違法駐車等道路の不正使用およびネオンサイン、広告板等の違法工作物を排除し、交通環境を整備すること。
九雇用者および車両運行管理者に対して、本法の趣旨に則り、その雇用する運転者に対する給与制度、労働時間、休養施設等労務管理の改善に特に意を用いるよう強力に指導すること。一〇、 ダンプカー等大型自動車の運転車の資格年令および運転経験期間等につき再検討すること。
一一運転免許試験の方法の改善、指定自動車教習所の充実強化等運転免許取得制度をすみやかに改善すること。
一二運転免許に対する取消および停止の処分の全国的な斉一化と迅速化を図るとともに、違反者に対する講習制度の活用について効果的な制度を検討すること。
一三道路交通の安全と円滑をはかるため、地方自治体に諮問機関として、交通安全対策委員会を設けるよう指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104601138)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。