国民年金法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和40年法律第93号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S40.3.24趣旨説明社会労働委員会 1072
- S40.5.10質疑社会労働委員会 2818
- S40.5.11質疑社会労働委員会 2975
- S40.5.12質疑社会労働委員会 30277
- S40.5.13質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 31105
- S40.5.14採決・委員長報告・附帯決議本会議 4422
参議院社会労働委員会
- S40.5.17趣旨説明・質疑社会労働委員会 19181
- S40.5.18質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 20107
- S40.5.24委員長報告・採決本会議 2042
- S40.6.1附帯決議本会議 1
提案理由
神田博 厚生大臣 昭和40年3月24日次に、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
国民年金は、昭和三十四年に発足して以来数次にわたる改正が行なわれてまいりましたが、本制度は、国民皆年金の一翼をにない、農家、自営業者等を中心とする二千万人にのぼる被保険者を包含する年金制度としてその使命を果たすべく、なお一そうの内容の充実を必要とするところであります。
また、児童扶養不当につきましても、発足後三年有余を経過し、今日まで手当額の引き上げ、支給制限の緩和等の改称が行なわれてまいりましたが、引き続き内容の充実をはからなければならないところであり、重度精神薄弱児扶養手当につきましても、昨年発足したばかりでありますが、なお今後の改善が望まれるところであります。
以上のような事情にかんがみ、今回の改正法案は、国民年金、児童扶養手当及び重度精神薄弱児扶養手当につきまして、福祉年金の額及び手当の額を引き上げ、支給制限を緩和するとともに、障害年金の対象範囲を精神薄弱者にまで拡大することによりまして、これらの制度の改正をはかることとしたものであります。
以下、改正法案のおもな内容につきまして、国民年金に関する事項から御説明申し上げます。
第一に、福祉年金の額の引き上げにつきまして、老齢福祉年金の額を現行の月額千百円から千三百円に、障害福祉年金の額を現行の月額千八百円から二千円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金の額を現行の月額千三百円から千五百円に、それぞれ引き上げることにいたしたのであります。
第二に、障害年金等の支給範囲の拡大についてでありますが、これには二点ございまして、第一点は、障害年金及び障害福祉年金の支給の対象となる障害の範囲を精神薄弱にまで拡大することにいたしたのであります。
第二点といたしましては、母子年金及び母子福祉年金の対象となる子についてでありまして、障害のため所定年齢をこえてもなお対象とされる場合の障害の範囲を、障害年金の場合と同様に精神薄弱にまで拡大することといたしております。
なお、準母子年金、準母子福祉年金及び遺児年金の対象となる障害の子等についても同様であります。
第三に、福祉年金の支給制限の緩和について申し上げます。
これには三点ございまして、第一点は、受給権者の所得による支給制限の限度額を二十万円から二十二万円に引き上げるとともに、受給権者が子等を扶養する場合において二十二万円に加算する額を現行の三万円から四万円に引き上げることにいたしたのであります。
第二点といたしまして、受給権者の扶養義務者の所得による支給制限の限度額を引き上げ、扶養親族が五人の標準世帯では従前の六十五万四千円を七十一万六千円に緩和することといたしたのであります。
第三点といたしましては、公務扶助料等の戦争公務に基づく公的年金と福祉年金との併給制限の緩和についてでありまして、その限度額を現行の八万円から十二万二千五百円に引き上げることといたしました。
次に、児童扶養手当に関する事項について御説明申し上げます。
第一に、手当額の引き上げにつきまして、その月額を、児童一人の場合は現行千円でありますのを千二百円に、二人の場合には現行の千七百円を千九百円に、三人以上の場合には現行では千七百円に三人以上一人につき四百円を加算することとなっているのを、千九百円に三人以上一人につき四百円を加算することといたしたのであります。
第二に、児童の障害の範囲につきましては、国民年金と同様に精神薄弱によるものにまで拡大し、これらの児童にも手当を支給することができることといたしたのであります。
第三に、支給制限の緩和についてでありますが、国民年金と同様、支給対象者本人の所得による手当の支給制限の限度額を二十万円から二十二万円に、その扶養する児童についての加算額を三万円から四万円に引き上げるとともに、支給対象者の扶養義務者の所得による支給制限の限度額を六十五万四千円から七十一万六千円に引き上げることといたしております。
次に、重度精神薄弱児扶養手当に関する事項について御説明申し上げます。
第一に、手当額の引き上げにつきまして、重度精神薄弱児一人につき月額千円から千二百円に引き上げることといたしております。
第二に、支給制限の緩和についてでありますが、国民年金及び児童扶養手当と同様、支給対象者本人の所得による手当の支給制限の限度額を二十万円から二十二万円に、その扶養する児童についての加算額を三万円から四万円に引き上げるとともに、支給対象者の扶養義務者の所得による支給制限の限度額を六十五万四千円から七十一万六千円に引き上げることといたしております。
最後に、実施の時期につきましては、障害者の範囲の拡大に関する事項につきましては昭和四十年八月一日から、年金額及び手当の額の引き上げに関する事項につきましては同年九月一日から、公務扶助料等と福祉年金の併給の緩和に関する事項につきましては同年十月一日から、それぞれ適用し、その他につきましては公布の日から施行することといたしております。
以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを望みます。
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第48回国会衆議院社会労働委員会議録第10号5頁(昭和40年3月24日)〔神田博厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文を朗読いたします。国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議政府は、国民年金制度の重要性にかんがみ左記事項につき速やかに実現するよう検討努力すること。1 各年金の年金額を大幅に引き上げることとし、厚生年金の改正との均衡をはかること。2 老齢年金、老齢福祉年金の支給開始年齢を引き下げること。3 福祉年金の給付制限を緩和すること。4 年金額、保険料、給付要件、受給対象等すべての面において社会保障の精神に従って改善すること。5 右の実現のため大幅な国庫支出を行なうこと。6 拠出年金の積立金の運用については、被保険者の意向が十分反映できるよう配慮するとともに、被保険者の福祉のため運用する部分を拡充すること。特に左の具体的事項については可及的速やかに実現するよう図ること。1 各福祉年金額を大幅に引き上げること。2 各福祉年金の所得制限の限度額を大幅に引き上げるとともに、その後の所得水準上昇にともないこれを引き上げる制度を確立すること。3 夫婦とも老齢福祉年金をうける場合の減額制度を廃止すること。4 老齢福祉年金及び障害福祉年金における配偶者所得制限を廃止すること。5 障害年金、障害福祉年金に関して配偶者並びに子につき加算制度を設けること。6 内部障害の適用範囲をすべての疾病による障害に及ぼすこと。7 福祉年金と他の公的年金との併給の限度額の不均衡を是正すること。8 保険料の免除を受けたものの年金給付についてはさらに優遇措置を講ずること。9 拠出年金について物価変動及び生活水準向上の二要件に対応する明確なスライド規定を設けること。10 年金加入前の障害についても拠出制年金の支給対象とすること。11 障害年金、障害福祉年金ともに障害の等級範囲を厚生年金とあわせること。なお、国民年金の事務費については、実状に即し増額すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104801065)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。