TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第55回国会›閣法第39号
閣法第55回国会 第39号成立

地方税法等の一部を改正する法律案

昭和42年法律第25号 地方税法等の一部を改正する法律
提出昭和42年3月27日 内閣
付託衆議院 地方行政委員会
参議院 地方行政委員会
成立
昭和42年法律第25号
審議会議 11回・発言 780(政府答弁等 342)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院地方行政委員会

  1. S42.4.20趣旨説明・補足説明地方行政委員会 629
  2. S42.5.9質疑地方行政委員会 758
  3. S42.5.11質疑地方行政委員会 874
  4. S42.5.12質疑地方行政委員会 988
  5. S42.5.16質疑地方行政委員会 1086
  6. S42.5.18質疑・採決・附帯決議地方行政委員会 11133
  7. S42.5.23委員長報告・採決・附帯決議本会議 1540

参議院地方行政委員会

  1. S42.5.18趣旨説明地方行政委員会 7156
  2. S42.5.25補足説明・質疑地方行政委員会 971
  3. S42.5.30質疑・討論・採決・附帯決議地方行政委員会 10233
  4. S42.5.31委員長報告・採決本会議 1354
  5. S42.6.14附帯決議本会議 1646

提案理由

藤枝泉介 自治大臣・国家公安委員会委員長 昭和42年4月20日

ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。

 地方税につきましては最近の数次にわたる改正により、地方財政の実情を考慮しつつ、負担の軽減につとめてまいったのでありますが、なお引き続き住民負担の合理化をはかっていく必要があると存じます。ただ、昭和四十二年度においては地方税、地方交付税等の自然増収は見込まれますが、一方国庫予算の増加に伴う公共事業費の増大、社会保障の充実または地方公務員の給与改定に伴う給与費の増加等による経費の増高も避けることができませんので、地方財政についてはなお健全化を促進する必要があるのであります。したがいまして、昭和四十二年度の地方税制の改正にあたりましては、このような実情を考慮いたしまして、第一種臨時地方特例交付金の交付にかえて、たばこ消費税の税率を引き上げることにより、地方税源の充実をはかりつつ、事業主控除及び事業専従者控除の引き上げにより個人の住民税、個人の事業税を軽減する等地方税負担の合理化をはかるため所要の改正を行なうこととしたのであります。

 次に、以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。

 第一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。まず個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、中小事業者の負担の軽減をはかるため専従者控除を二万円引き上げることとしました。また障害者、未成年者、老年者または寡婦についての非課税の範囲を年所得二十六万円までに拡大するほか、前年の合計所得金額が五万円をこえる配偶者がある場合の第一人目の扶養控除額も一万円引き上げることとしています。

 なお、昨年の所得税法の改正による給与所得控除の引き上げが本年度以降個人の住民税の課税標準の算定に反映することとなりますので、給与所得者にかかる個人の住民税につきましては、本年度約百四十億円の減税が行なわれることとなっております。

 また障害者、老年者、寡婦または勤労学生について現在行なっている税額控除を、所得税の改正に準じて所得控除に改めることといたしましたが、この改正は昭和四十三年一月一日から施行することといたしております。

 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、法人の均等割りの税率を合理化するため、資本または出資の金額によって税率を区分することとし、資本または出資の金額が千万円をこえる法人及び相互会社の標準税率を道府県民税にあっては千円、市町村民税にあっては四千円に、その他の法人等の標準税率を道府県民税にあっては六百円、市町村民税にあっては二千四百円にそれぞれ改めるとともに、これに伴い市町村民税の均等割りの制限税率についても所要の調整を行なうこととしました。また租税特別措置法の改正により法人税額の控除が拡大されますので、これによる減収を回避するため、法人税割りの課税標準である法人税額は、この法人税額の控除が行なわれる前の税額によることとしています。

 第二は事業税についてであります。まず個人の事業税につきましては、中小事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除及び専従者控除をそれぞれ二万円引き上げることとしました。また、農業協同組合連合会が行なっている社会保険診療については事業税を課さないものとしています。

 第三は不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、産炭地域振興事業団が建設する工場用建物の取得について、その敷地と同様に非課税とする等合理化をはかるほか、開拓者の開拓農地等の取得についての非課税及び農業委員会のあっせんによる農地の交換分合によって取得する土地の課税標準の特例は、いずれも昭和四十二年三月末でその期限が満了しますが、その期限をさらに五年間延長することとしました。

 第四はたばこ消費税についてであります。たばこ消費税につきましては、第一種臨時地方特例交付金のたばこ消費税への移行に伴い、道府県たばこ消費税の税率を百分の十・三に、市町村たばこ消費税の税率を百分の十八・一に引き上げることとしました。この税率の引き上げは昭和四十二年三月以降に売り渡した製造たばこから適用することとしていますので、これに伴い、昭和四十二年四月分及び五月分のたばこ消費税につきましては、この改正後の税率によって算定した税額と現行の税率によって算定した税額との差額に相当する額を、それぞれ同年六月分及び七月分に合わせて申告納付することとしています。

 第五は固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、地方鉄道業者または軌道経営者が都市計画区域内において所有する地下道または跨線道路橋、一定期間内に新設された自動列車停止装置及び重油にかかる水素化脱硫装置について、課税標準の算定上特例を設けることによりその負担を軽減することとするほか、大規模の償却資産にかかる固定資産税の市町村の課税限度額について調整をはかるため、人口五万人以上の市町村についても人口の増加に応じて課税定額を順次増額し、人口二十万人以上の市については二十五億円とするとともに、市町村の課税最低限度保障額及び課税定額を増額する場合の前年度の基準財政需要額に乗ずべき財源保障率も引き上げることとしました。

 第六は電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、ガスに対する電気ガス税の免税点を七百円に引き上げてその軽減をはかることといたしました。また、三年間の非課税期間が満了するポリプロピレン等四品目を非課税品目に加えるとともに、紙の製造の用に使用する電気に対して課する電気ガス税の税率は、当分の間、百分の五とすることとしています。

 第七は税制の簡素化についてであります。税制の簡素化につきましては、国税の簡素化とも対応して、延滞金が一日百円につき二銭の割合で計算される期間について合理化をはかるとともに、給与等の支払いを受ける者が常時十人未満である事業所等にかかる個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の納期等について簡素化をはかるほか、事業税または法人税割りの分割基準である従業者の数についても原則として事業年度等の末日現在の従業者の数によることとする等、申告手続についても簡素化することといたしました。

 以上のほか、軽油引取税の保全に必要な担保の提供を命じ、または特別徴収義務者の指定を取り消すことができる等軽油引取税の徴収を合理化するとともに、所得税法の一部を改正する法律の施行に伴い、昭和四十二年六月一日前に支払われた退職手当等にかかる分離課税にかかる所得割りの額のうち過納となる額について還付の特例を設けるほか、所得税法の改正に伴う関係規定の整備等所要の規定の整備を行なっております。

 以上、地方税法等の改正につきましてその概要を御説明申し上げましたが、これに伴う増減収額は、初年度であります昭和四十二年度におきましては、個人の住民税につきまして四十一億円、個人の事業税につきまして二十九億円、電気ガス税につきまして七億円、その他一億円の減収が見込まれますが、一方、法人の均等割りの税率の調整により四億円、国税の改正に伴い十四億円の増収が見込まれますので、これらの増減収額を差し引きずると初年度においては六十億円の減収となります。また、平年度におきましては、所得税における給与所得控除の引き上げに伴う個人の住民税の減収等により三百八十五億円の減収となるのであります。ただ、第一種臨時地方特例交付金のたばこ消費税への移行に伴い、初年度、平年度とも二百六十五億円の増収が見込まれますので、これを加えると初年度においては二百五億円の増収であり、平年度においては百二十億円の減収となります。

 以上が、地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由およびその大要であります。

第55回国会衆議院地方行政委員会議録第6号1頁(昭和42年4月20日)〔藤枝泉介自治大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)
地方税法3条(地方税の賦課徴収に関する規定の形式)2地方税法15条の9(納税の猶予の場合の延滞金の免除)2地方税法16条の2(納付又は納入の委託)2地方税法20条の4の2(課税標準額、税額等の端数計算)2地方税法23条(道府県民税に関する用語の意義)2地方税法32条(所得割の課税標準)2地方税法34条(所得控除)2地方税法45条の32地方税法52条(法人の均等割の税率)2地方税法53条(法人の道府県民税の申告納付)2地方税法56条(法人の道府県民税の不足税額及びその延滞金の徴収)2地方税法64条(納期限後に納付する法人の道府県民税に係る延滞金)2地方税法72条の48(分割法人の申告納付等)2地方税法72条の54(二以上の道府県において個人の行う事業に対する事業税の課税標準とすべき所得)2地方税法72条の55(個人の事業税の賦課徴収に関する申告又は報告の義務)2地方税法72条の55の22地方税法73条の4(用途による不動産取得税の非課税)2地方税法73条の27の5(再開発会社の取得に対して課する不動産取得税の納税義務の免除等)2地方税法292条(市町村民税に関する用語の意義)2地方税法295条(個人の市町村民税の非課税の範囲)2地方税法312条(法人の均等割の税率)2地方税法321条の5の2(給与所得に係る特別徴収税額の納期の特例)2地方税法328条の5(特別徴収の手続)2地方税法349条の4(大規模の償却資産に対する固定資産税の課税標準の特例等)2地方税法349条の5(新設大規模償却資産に対する固定資産税の課税標準の特例)2地方税法69条(法人の道府県民税に係る滞納処分に関する罪)1地方税法70条(国税徴収法の例による法人の道府県民税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪)1地方税法311条(個人の均等割の税率の軽減)1地方税法313条(所得割の課税標準)1地方税法314条の2(所得控除)1

附帯決議

衆議院 地方行政委員会昭和42年5月18日

附帯決議の案文は、お手元に配付されておりますので、朗読は省略さしていただくこととし、提案の趣旨を御説明申し上げます。第一は、住民税の課税最低限の引き上げについてであります。最近、数次の改正により、地方税負担の軽減がはかられてきましたが、地方財政の制約もあって、国税に比しその軽減割合は少なく、地方住民の負担軽減に対する要請はきわめて強いのであります。特に低所得者つきましては、所得税に比し、地方税の負担が重いという不満が高くなっている現状にあります。これが解決策の一環として、所得税の課税最低限の引き上げの動向をも勘案して、住民税の課税最低限の大幅な引き上げをはかることとし、当面、昭和四十三年度においては、基礎控除、配偶者控除等の各種控除について、それぞれ一万円程度の引き上げを行なうことを目途として、住民負担の軽減をはかるべきであると思うのであります。第二は、地方道路財源の充実であります。地方団体における道路に関する財政需要が、年々増大の傾向にあることは御承知のとおりであります。さらに加えて、数次にわたる道路整備計画の改定に伴い、道路整備の重点が国道から地方道に移行する傾向にあり、地方道、特に市町村道の整備のための財源の充実をはかる必要に迫られているのであります。本年度は、さしあたり二十五億円の財源措置が行なわれておりますが、新道路整備五カ年計画との関係においても、国から市町村に道路目的財源を移譲することによって、市町村の道路財源の充実をはかるべきであると思うのであります。以上が提案の趣旨でございます。何とぞ皆さまの御賛同をお願い申し上げる次第でございます。—————————————〔参照〕地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、住民負担の軽減と地方財源の充実を図るため、左の措置を講ずべきである。

一住民税の課税最低限については、大巾な引上げを行なうものとし、さしあたり昭和四十三年度においては各種控除についておおむね一万円の引上げを行なうことを目途とすること。

二地方道路財源特に市町村の道路財源の充実を図るため必要な財源措置を講ずるよう努めること。

参議院 地方行政委員会昭和42年5月30日

林田悠紀夫君に御説明を願います。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501039)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。