恩給法等の一部を改正する法律案
衆議院 内閣委員会
昭和42年法律第83号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院内閣委員会
- S42.5.25趣旨説明内閣委員会 1151
- S42.7.21附帯決議本会議 1
- S42.7.21採決・委員長報告本会議 2894
- S42.7.21質疑・附帯決議・採決・討論内閣委員会 31334
衆議院内閣委員会
- S42.6.13趣旨説明内閣委員会 1836
- S42.6.20質疑内閣委員会 21100
- S42.6.22質疑内閣委員会 22162
- S42.6.23質疑内閣委員会 23185
- S42.7.4質疑・附帯決議・採決内閣委員会 27209
- S42.7.6採決・委員長報告・附帯決議本会議 3339
提案理由
塚原俊郎 総理府総務長官 昭和42年5月25日次に、恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
現在、文官及び旧軍人並びにこれらの者の遺族の年金恩給は、昭和四十年法律第八十二号によって同年十月に改定され現在に及んでいるのでありますが、この恩給年額につきましては、昨年十一月恩給審議会から当面恩給の増額は、緊急に措置するのが適当であるとの中間答申がなされました。政府といたしましては、この答申の御趣旨を尊重するとともに、六十五歳以上の老齢者、妻子である遺族、傷病者の置かれております立場を考慮いたしまして、次のような改善の措置を講じようとするものであります。
まず、普通恩給及び扶助料の年額を、その受給者の年齢に応じ、七十歳以上の者については二八・五%、六十五歳以上七十歳未満の者並びに六十五歳未満の妻及び子については二〇%、六十五歳未満の者については、妻及び子を除き一〇%の増額を行なうこととし、また、公務傷病者にかかる恩給につきましては、増加恩給及び七十歳以上の者が受ける傷病年金については二八・五%、七十歳未満の者が受ける傷病年金については二〇%の増額を行なうこととし、昭和四十二年十月から実施いたそうとするものであります。
その第二点は、老齢者に給する加算恩給の改善であります。
現行法におきましては、戦地事変地等に勤務した公務員には加算年を認め、これを算入して普通恩給最短年限に達する場合にはこれに普通恩給または扶助料を給することとしておりますが、その年額につきましては、妻及び子に給するものを除き、普通恩給最短年限に達しているものの算出率百五十分の五十から、普通恩給最短年限と実在職年との差の一年につき一定の率を減じて計算することとしているのであります。今回の措置は、七十歳以上の老齢者に給する普通恩給または扶助料につきましても、妻及び子に給するものと同様に普通恩給最短年限の場合の恩給年額に相当するものを支給しようとするものであります。
その第三点は、増加恩給の特別加給の額の増額であります。
不具廃疾者に給する増加恩給のうち第二項症以上の重症者に給するものにつきましては増加恩給の年額に、年額二万四千円の加給を行なっておりますが、この年額を三万六千円に増額いたそうとするものであります。
第四点は、旧外地関係官公署職員であった者が、琉球諸島民政府職員として在職した場合の当該職員期間の通算に関する措置であります。
終戦時において、台湾、朝鮮、樺太等の旧外地関係の官公署に勤務していた恩給公務員で戦後琉球諸島に引き揚げ、恩給公務員に相当する琉球諸島民政府職員となった場合には、当該琉球諸島民政府職員となる前の恩給公務員としての在職年が普通恩給最短年限に達している者の場合を除き、琉球諸島民政府職員としての在職期間を恩給公務員期間に通算いたそうとするものであります。
第五点は、旧軍人等の遺族に対する特例扶助料等の支給条件の緩和であります。
旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律によりますと、旧軍人、旧準軍人が内地等で職務に関連して負傷し、または疾病にかかり、在職期間内に死亡し、あるいは在職期間経過後、厚生大臣の指定する結核等にあっては六年以内、その他の傷病にあっては二年以内に死亡した場合には、その遺族に対しまして特例扶助料または特例遺族年金が給されることとされております。今回の措置は、この支給要件である六年を十二年に、二年を四年に延長することにより、特例扶助料または特例遺族年金の支給範囲を広げようとするものであります。
第六点は、在職年十二年以上十三年未満の准士官以上の旧軍人に対して普通恩給を支給しようとすることであります。
終戦により准士官等として退職した旧軍人で、その在職年が下士官としては十二年未満、准士官等としては十三年未満であった者について、准士官等となる直前の階級による旧軍人としての普通恩給または扶助料を支給しようとするものであります。
右の措置のほか、一の増額措置に伴いまして普通恩給についての多額所得者に対する恩給停止基準を改めますとともに、その他所要の改正をいたすこととしております。
なお、以上述べました措置は、昭和四十二年十月一日から実施することといたしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第55回国会参議院内閣委員会会議録第11号2頁(昭和42年5月25日)〔塚原俊郎総理府総務長官発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は次の事項について速かに検討の上善処するよう要望する。
一外国政府職員、外国特殊法人職員の最短恩給年限をこえる職員期間及び抑留、留用期間の通算並びに最短恩給年限に達していた者が、外国政府職員、外国特殊法人職員となった場合の職員期間の通算について、その早期実現に努めること。
二最短恩給年限に達していた者が、琉球諸島民政府職員となった場合における在職年の通算並びに内地の官公署職員から、琉球諸島民政府職員となった場合における在職年の通算について、その早期実現に努めること。
三傷病恩給症状等差調査会の報告の取扱いについて、従来の傷病恩給受給者の既得権が充分尊重されるよう配慮すること。
政府は、次の事項について速かに検討の上善処するよう要望する。
一今回の基準引上げ率の一〇%は、当面の緊急措置としても、あまりに低きに失する嫌いがあるので、四十三年度においても、その引上げに努めること。
二外国政府、外国特殊法人等の職員の最短恩給年限をこえる職員期間及び抑留、留用期間の通算並びに最短恩給年限に達していた者が、外国政府、外国特殊法人等の職員となつた場合の職員期間の通算について、その早期実現に努めること。
三旧外地官公署職員で、最短恩給年限に達していた者が、琉球諸島民政府職員となった場合における在職年の通算並びに内地の官公署職員から、琉球諸島民政府職員となった場合における在職年の通算について、その早期実現に努めること。
四傷病恩給症状等差調査会の報告の取扱いについては、従来の傷病恩給受給者の既得権を充分尊重すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。