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国会審議›第55回国会›閣法第68号
閣法第55回国会 第68号成立

漁業災害補償法の一部を改正する法律案

昭和42年法律第124号 漁業災害補償法の一部を改正する法律
提出昭和42年4月4日 内閣
付託参議院 農林水産委員会
衆議院 農林水産委員会
成立
昭和42年法律第124号
審議会議 13回・発言 774(政府答弁等 343)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. S42.4.19趣旨説明・補足説明農林水産委員会 48
  2. S42.6.13質疑農林水産委員会 2066
  3. S42.6.14質疑農林水産委員会 21100
  4. S42.6.20質疑農林水産委員会 23170
  5. S42.6.21参考人招致農林水産委員会 248
  6. S42.6.22質疑農林水産委員会 25108
  7. S42.6.27委員長報告・採決・附帯決議本会議 3025
  8. S42.6.27採決・附帯決議農林水産委員会 2654

参議院農林水産委員会

  1. S42.7.6趣旨説明・補足説明農林水産委員会 2385
  2. S42.7.11質疑農林水産委員会 24164
  3. S42.7.13質疑農林水産委員会 25116
  4. S42.7.18質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 2665
  5. S42.7.19委員長報告・採決本会議 2630
  6. S42.7.21附帯決議本会議 1

提案理由

久宗高 政府委員(水産庁長官) 昭和42年4月19日

漁業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由説明を補足して御説明申し上げます。

 昭和三十九年に漁業災害補償法が制定されまして以来、政府は、同法に基づき、漁業共済団体の行なう漁業共済事業及び漁業再共済事業の適正円滑な運営をはかりますとともに、この制度をさらに充実したものにすることを目途に、資料の蓄積とその分析につとめ、学識経験者の意見も聞いて各般の検討を加えてまいったのでありまして、その結果、ここに政府の保険事業の新設と漁業共済への加入の円滑化のための規定の整備を主たる内容とする改正法案を提出いたした次第でございます。なお、このような立法措置とあわせて、本制度の健全かつ円滑な運営を確保するための措置といたしまして、共済限度額率の引き上げ等による給付内容の充実、国庫補助の強化等をはかることとし、所要の予算措置を講ずることといたしております。

 以下、本法案の骨子について、その概略を御説明申し上げます。

 第一に、政府の漁業共済保険事業についてでありますが、保険の基本的な仕組みといたしましては、漁業災害の特殊性にかんがみまして、全国段階において保険設計を行ない、政府と漁業共済組合連合会との間に保険契約を成立させることといたしました。この保険契約は、連合会とその会員との間に漁獲共済または養殖共済にかかる再共済契約が成立いたしますと、当然に、漁業の種別または養殖業の種類に応じた保険区分ごとに、その共済責任期間の開始日が同一の会計年度に属する共済契約についての再共済責任を一体として成立するものといたしております。政府の保険金につきましては、連合会が支払うべき再共済金の合計額が一定額をこえる場合に、そのこえる金額を支払う方式をとっておりますが、この場合の一定額は、保険区分ごとに、再共済金額の合計額のうち、連合会の再共済責任にかかる危険の態様を勘案して算定される金額といたしております。また、保険料の金額は、保険区分ごとに、純再共済掛け金の合計額のうち、政府の保険責任にかかる危険に対応するものとして算定される部分の金額といたしております。

 なお、政府は、連合会が法令もしくは連合会の共済規程に違反し、または損害額を不当に認定して再共済金を支払ったとき等の場合には、保険金の支払いを免責される旨の規定を設けております。一方、連合会は、この保険事業に関する政府の処分につき不服があるときは、農林大臣に対し審査を申し立てることができることといたしておりまして、審査の申し立てがありますと、農林大臣は、農林省に付属機関として設置される漁業共済保険審査会の審査を経て裁決することといたしております。

 以上のほか、政府の保険事業の実施につきまして、所要の規定を設けておりますが、保険事業の業務の執行に要する経費は、一般会計から漁船再保険及漁業共済保険特別会計に繰り入れて国庫で.負担することといたしております。

 第二に、漁獲共済及び養殖共済についての改正でありますが、魚獲共済につきましては、加入の円滑化をはかることを主眼として次のような改正を行なうことといたしております。

 まず、魚獲共済について申し上げますと、その対象とする漁業のうち採貝、採そう業等につきましては、都道府県知事が定める一定の水域単位にこれらの漁業を営む中小漁業者の全員で一つの団体を構成して加入する方式をとっておりますが、二以上の漁業協同組合の組合員が入り会い操業する水域での加入を円滑に進めるため、政令で定めるところにより都道府県知事が当該中小漁業者の住所地のすべてが含まれる地域を分けて二以上の区域を定めたときは、その区域ごとに団体を構成し得ることといたしました。この区域は、当該中小漁業者の全員の住所及び漁獲物の販売に関する事情を考慮して、それぞれの漁業協同組合の地区ごとに定めることとする予定であります。

 さらに、十トン未満の漁船漁業につきましては、一定の区域内に住所を有する被共済資格者の二分の一以上から加入の申し込みがなければ、共済契約を締結できないこととなっておりますが、この要件が成り立ちやすくするため、被共済資格者のうち当該漁業を営む日数が一年を通じて九十日以下である者は除くことといたしております。

 これらのほか、漁獲共済の適正円滑な運営をはかるため、国庫補助を強化することとあわせて採貝、採そう業等につき共済金額の最低限度を設けるとともに、漁獲共済の対象とする漁業についての規定等の整備を行なうことといたしております。

 次に、養殖共済について申し上げますと、漁業者が個別に加入する現行の方式を改正して、漁場管理が団体的に行なわれている漁業法第七条の特定区画漁業権に基づく養殖業のうち政令で定めるものにつきましては、都道府県知事が定める一定の水域内においてその養殖業を営む中小漁業者の全員で団体を構成して加入することといたしております。また、共済金の支払いについて養殖業のうち特定のものにつきましては、共済責任期間中の損害額の通算による超過支払い方式をとることといたしておりますが、これを適用する養殖業は、その経営事情及び共済事故の発生の態様に照らして特例を定める必要があるものとして政令で定める種類の養殖業といたしております。

 第三に、連合会の再共済事業の改正について申し上げます。

 現行制度では、漁業共済組合と連合会との間の再共済契約は、共済契約にかかる支払い責任を連合会と組合とが一定の割合で分担する比例契約となっておりますが、漁業共済団体の事業経営の健全化を期する観点から、漁獲共済及び養殖共済については、共済契約ごとに、支払い共済金が一定額以下であるものについては組合の責任を重くし、損害査定等についての組合の努力を促し、支払い共済金がこの一定額をこえる深い事故については連合会の責任を重くする比例超過契約に改めることといたしております。

 第四に、以上申し上げた改正に伴う規定の整備といたしまして、漁業共済保険事業の経理を行なうため、漁船再保険特別会計に独立の勘定として漁業共済保険勘定を新設して、その歳入歳出科目を明らかにし、これに伴い同会計の名称を漁船再保険及漁業共済保険特別会計に改める等漁船再保険特別会計法の一部改正を行なうことといたしております。なお、当然のことでありますが、漁船再保険事業と漁業共済保険事業とは、保険の対象や仕組みを異にいたしますので、それぞれ明確に区分経理することといたしております。

 以上のほか、漁業共済基金の監事の権限を強化し、役員の欠格条項を改正する等、所要の規定の整備を行なうことといたしております。

 最後に、本法案の施行期日及び適用区分につきましては、今回の改正が制度の全般にわたりますため、相当の準備期間を置くことが必要でありますので、本法案は、昭和四十二年十一月一日から施行することといたし、政府の保険事業の新設その他漁獲共済及び養殖共済に関する改正規定は、漁獲共済では昭和四十三年一月一日から、養殖共済では同年四月一日から共済責任期間が始まる共済契約について適用することといたしております。ただし、漁船再保険特別会計法の改正関係規定は、公布の日から施行し、昭和四十二年度の予算から適用することといたしております。

 以上をもちまして本法案についての補足説明を終わります。

 次に、続きまして、漁業協同組合合併助成法案の提案理由につきまして、補足的に御説明申し上げます。

 本法案は、提案理由で御説明申し上げましたとおり漁業協同組合の合併の促進をはかることを目的としておりまして、法案の内容といたしましては、第一には合併及び合併後の組合の事業経営計画の樹立に関する事項、第二には都道府県知事による計画の適否の認定、第三には認定にかかる合併についての政府の助成措置、第四には認定にかかる合併後の組合の漁業権行使規則の変更等についての特例につき規定いたしております。

 以下その細目につき若干補足させていただきます。

 まず第一に、合併及び合併後の組合の事業経営計画についてでありますが、これは第二条及び第三条に規定しております。合併及び合併後の組合の事業経営についての方針は、合併参加組合の組合員にとって最も関心が高く、かつ、あらかじめこれを策定しておくことは合併を自主的、計画的に進めるためにきわめて重要なことであることにかんがみて、合併参加組合は、これらに関する基本方針を定め、総会の特別議決を経ることといたしております。

 第二に、都道府県知事による合併及び事業経営計画の適否の認定でありますが、これは第四条に規定いたしております。都道府県知事は、その組合の経営的基礎が適正な事業経営を行なうのに十分なものであり、かつ、その事業経営計画が経営条件からみて適当でしかも達成可能である場合に限り、合併及び事業経営計画が適当である旨の認定をすることといたしております。なお、都道府県知事が合併及び事業経営計画につき適否の認定を行なうにあたっては、学識経験を有する者の意見を聞くことといたしております。

 第三に、政府の助成措置でありますが、これは第五条に規定しておりまして、都道府県に対し補助金を交付することができることといたしております。補助金といたしましては、合併後の組合が合併による規模拡大に伴い施設の統合整備が必要となることが考えられますので、都道府県知事の認定を受けた合併及び事業経営計画に従い、合併後の組合が施設の改良等を行なう場合にこれに要する経費につき助成することができることといたしておりますほか、合併参加組合が自主的に行なう合併及び事業経営計画の樹立、実施につき都道府県が指導を行なう場合に、この指導に要する経費を補助することができることといたしております。なお、昭和四十二年度予算におきましては、合併助成のための経費として二千七百五十五万六千円を計上しております。

 第四は、漁業権行使規則についての特例でありまして、第六条に規定しております。これは漁業協同組合が、販売事業等の経済事業の主体であるとともに漁業権の管理主体としての性格をも有しておりますため、経済事業の面からみれば明らかに合併した方がよいと思われる場合でも漁業権管理の面で話し合いがつかず合併に踏み切れない場合も見られますので、このような事情のもとにある組合の合併を促進させるため、部落総有的な漁業権につきましては、従来漁業を営んでいた漁業者が合併により不利な扱いを受けることがないように配慮したものであります。

 なお、本法案と関連して別途提案されております租税特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、都道府県知事の認定を受けた合併及び事業経営計画に従い昭和四十六年三月三十一日までに合併した組合の清算所得等につきまして課税の特例を設けることにいたしております。

 その内容は、合併後の漁業協同組合が被合併組合から引き継いだ欠損金につきまして法人税の課税標準たる所得の金額の計算上損金算入を認めるとともに、合併の場合における清算所得に対する法人税及び不動産または漁船の権利取得にかかる登記に対する登録税につきましてもそれぞれ課税の特例措置を講じ、また、合併によるみなし配当に対する所得税の源泉徴収はしないこととすることにより、従来から合併推進の障害となってきた問題につきまして税制面での優遇措置を講ずるものであります。これに伴いまして、事業税につきましても、合併による清算所得及び被合併組合から引き継いだ欠損金につき法人税におけると同様な優遇措置が講じられることになります。

 以上をもちまして、漁業協同組合合併助成法案の提案理由の補足説明を終わります。

第55回国会衆議院農林水産委員会議録第4号10頁(昭和42年4月19日)〔久宗高政府委員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会昭和42年6月27日

政府は、本制度が真に中小漁業者の漁業経営の安定を図り、漁業生産力の発展に資するためさらに左記事項について、すみやかに検討を加え、これが実現を図るよう努めるべきである。記

一政府の漁業共済保険事業については、今回の改正による方式のほか異常災害、通常災害の区分による保険制度についても検討を行ない、その検討の結果にもとづき適切な措置を講ずるとともに、漁具共済事業についてもすみやかに保険事業を実施すること。

二本制度発足以来今日までの間に生じた漁業共済団体の赤字分(金利負担分を含む。)については、事業の円滑な運営に支障を生じないよう財政措置を講ずること。

三政府の保険責任部分に係る漁業共済組合連合会の再共済金の支払いに必要な資金については、保険金の概算払制度を実施する等国において適切な措置を講ずること。

四共済掛金率の改定にあたっては、漁民の経済負担力の弱少の実情にかんがみ、その引上率は最少限度にとどめるよう措置すること。

五中小漁業者の加入を促進するため、補助限度率の引上および単独契約についても国の助成を行なう等適切な措置を講ずること。

六政府の保険責任を連合会の手持掛金の一定率以上とする場合の一定率(一三〇%、一二〇%等)については、連合会の経営の安定を図る立場で慎重に措置すること。

七共済組合と連合会の共済責任分担率は、今後の実施状況に応じ検討を加えること。

八義務加入制度をすみやかに実施すること。

九無事故継続加入者に対しては無事故戻制度又は掛金割引制度を採用する等優遇措置を講ずること。

十漁業共済団体の事務、人件費及び宣伝啓蒙費等を増額するとともに、事務の近代化のため機動力の充実を図ること。

十一可及的すみやかに、任意共済をこの法律に基づく事業とすること。

参議院 農林水産委員会昭和42年7月18日

案文を朗読いたします。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501068)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。