真珠養殖等調整暫定措置法案
参議院 農林水産委員会
昭和44年法律第96号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S44.12.1採決・附帯決議農林水産委員会 128
- S44.12.1委員長報告・採決・附帯決議本会議 275
参議院農林水産委員会
- S44.12.2趣旨説明・採決・補足説明・附帯決議農林水産委員会 144
- S44.12.2附帯決議本会議 1
- S44.12.2採決・委員長報告本会議 366
提案理由
玉置和郎 政府委員(農林政務次官) 昭和44年12月2日真珠養殖等調整暫定措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
わが国の真珠養殖事業は、旺盛な輸出需要を背景として戦後一貫して順調な発展を遂げ、その輸出全額も昭和四十一年度には約二百三十億円に達しまして、水産物の輸出総額の一八%を占めるに至りました。
しかしながら、昭和四十一年下期から戦後初めての輸出不振に当面し、これに伴い不況は逐次真珠関連事業のすべての部門に波及いたしまして、現在に至ってもなお依然として不振のままに推移しております。
このような事態に立ち至りましたのは、最近における生産の急増傾向からする生産過剰を契機として価格不安が生じ、加えて買い手市場のもとに品質の低下傾向が顕在化し、これらを警戒しての海外業者の買い控えを招いた結果と考えられ、このことは真珠の生産が成長段階からようやく調整を要する段階に入ったことを示すものであります。しかし、真珠産業の将来の見通しにつきましては、世界各国における真珠の末端消費者需要そのものが大きく減退したとは考えられませんので、需給調整による価格不安の解消、品質の改善等につとめますならば、将来にわたり安定的な需要を確保することは十分可能と考えられます。
このような見地から、当分の間、真珠養殖業者及び真珠母貝養殖業者が、生産調整、品質改善等のための自主的な調整活動を効果的に実施できるようにするとともに、これに関連して行政庁が必要な補完措置を講ずることができるようにすることによりこれらの者の経営の安定と合理化をはかり、真珠の正常な輸出を確保するため、本法案を提出した次第であります。
次に、本法案の主要な内容について御説明申し上げます。
なお、この法律案は、第六十一回国会に提出し、審議未了となったものと同一のものでありまして、本国会に再度提出したものであります。
第一に、真珠養殖業者または真珠母貝養殖業者が調整組合を設立し、この組織によって生産制限等不況の克服あるいは品質の改善のための調整活動を行なうことができることといたしております。
第二に、養殖いかだの敷設の過密化が真珠及び真珠貝の品質低下を招来している事態に対処するため、必要な海域について農林大臣が密殖改善計画を定め、これに基づいて密殖の防止、改善を促進することといたしております。
さらに、以上に述べました措置を補完するため、生産整調等不況克服のための整調事業についての農林大臣の員外者規制命令及び密殖海域における養殖いかだの削減に関する農林大臣の共同行為の指示並びにこれらの措置に関連し都道府県知事が漁業の免許をするにあたっての配慮義務等の措置を定めております。
以上が、本法案の提案理由及びその主要な内容であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
第62回国会参議院農林水産委員会会議録第1号3頁(昭和44年12月2日)〔玉置和郎政府委員発言・発言番号23〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
昭和四十一年以降における真珠不況の経過と現状にかんがみ、真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者の経営の安定と合理化を図り、真珠の正常な輸出を確保するため、政府は、本法の施行に当たつては、生産対策のみならず、加工、輸出対策を含めた対策を総合的に推進するとともに、当面特に左記事項の実現に努めるべきである。記
一本制度の実施にあたつては、真珠および真珠貝の養殖に関する現行漁業権制度ならびに真珠養殖事業法との関連を十分考慮して、これら制度の運用に遺憾なきを期すること。
二真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者に対する融資の円滑化に資するため、制度金融および系統金融の積極的な活用を図るとともに、真珠養殖漁業協同組合の整備について実態を調査のうえ、指導、助成等所要の措置につき検討すること。
三養殖いかだの敷設に関する制限特に密殖改善措置の実施に当たつては、一定規模以下の零細な経営体を除外する等これらの者の保護に特別な配慮を加えること。
四国は、真珠養殖等調整組合の行なう調整事業の円滑な実施を図るため、検査員の設置に要する経費その他の事務費につき、所要の助成を行なうよう配慮すること。
五真珠養殖業および真珠母貝養殖業の安定的な発展を図るため、真珠の価格安定機関の新設等長期的安定策について検討すること。
案文を朗読いたします。真珠養殖等調整暫定措置法案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行にあたって、関連する諸制度の適切な運用ならびに海外における宣伝活動等に遺憾なきを期するとともに、特に左記事項の実現に努めるべきである。記
一一定規模以下の真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者に対する本制度による諸制限は、これ等経営体の当該事業の正常な経営に支障をきたさないよう、特に保護措置を講ずるよう配慮すること。
二不況にあえぐ真珠養殖業者および真珠母貝養殖業者に対し、制度金融ならびに系統金融の積極的活用を図り、その融資の円滑化に資すること。
三真珠養殖漁業協同組合の整備および真珠養殖等調整組合の事業の円滑化に関し、指導・援助等所要の措置を講ずるよう検討すること。
四沿岸漁業等の振興のため、浅海漁場の開発ならびに再開発事業の早期着工に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106201024)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。