開拓者資金に係る政府の貸付金債権の償還条件の緩和及び農林漁業金融公庫への移管等に関する特別措置法案
参議院 農林水産委員会
昭和44年法律第80号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S44.12.1採決・附帯決議農林水産委員会 128
- S44.12.1採決・委員長報告・附帯決議本会議 275
参議院農林水産委員会
- S44.12.2趣旨説明・補足説明・附帯決議・採決農林水産委員会 144
- S44.12.2附帯決議本会議 1
- S44.12.2採決・委員長報告本会議 366
提案理由
玉置和郎 政府委員(農林政務次官) 昭和44年12月2日開拓者資金に係る政府の貸付金債権の償還条件の緩和及び農林漁業金融公庫への移管等に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
戦後の開拓事業もすでに二十有余年の歳月を経てまいったのでありますが、開拓農業の現況を見ますと、新振興対策に基づく諸政策の効果もようやくあらわれ、一般農家に比べてその農業生産の伸びはすこぶる顕著なものがあり、その農家所得も一般農家水準に急速に接近しつつあるのであります。
そこで、今後の開拓行政の指向すべき方向は、開拓農家のすぐれた特性を生かしながら、これを、円滑に一般農政に移行させていくことにあると考えるのでありますが、一面、この開拓農家の営農の進展をささえている資本装備が多額の借り入れ金によってなされていることから、開拓農家の負債問題の解決が円滑な一般農政への移行をはかるための必須の要件であると考えるのであります。
そこで、政府といたしましては、開拓者負債実態調査の結果を十分検討の上、開拓営農振興審議会、関係各方面等の意向をも十分に組み入れて今回の負債対策を策定し、この法律案を提出することとした次第であります。
なお、この法律案は、第六十一回国会に提出し、審議未了となったものと同一の内容でありまして、本国会に再度提出したものであります。
次にこの法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
第一は、開拓者資金融通特別会計から貸し付けられた政府の貸し付け金に関する償還条件の緩和及び徴収停止等に関する措置についてであります。
その一は、営農の基礎が不安定な特定の開拓者に対しては、償還期間を二十年に延長するほか、その償還が著しく困難な一部の開拓者に対しては償還期間を二十五年に延長することであります。
その二は、開拓者の金利負担の軽減と債権管理の適正化に資するため現在五種類に分かれている貸し付け金利を三分六厘五毛及び四分に統一するとともに、同一金利別に債権の統合を行なうことであります。
その三は、開拓農協に対する転貸し資金または共同利用施設資金にかかる貸し付け金債権について個人分割または債務引き受け等を促進し、開拓農協の負債の整理と債権の健全化に資することであります。
その四は、無資力者、所在不明者等、償還能力が乏しいかまたは償還を期待し得ない者に対する貸し付け金債権その他開拓農協に対する貸し付金債権でこれに準ずるものについては、保証責任を追及することなく、徴収停止の措置を講ずることであります。
第二は、一般系統資金等にかかる固定化負債についての措置であります。
一般系統資金等にかかる固定化負債については、自作農維持資金による借りかえ措置を講ずることとし、その場合の自作農維持資金の貸し付け条件については、償還期間を二十五年に、据え置き期間を五年にそれぞれ延長することといたしております。
第三は、開拓者資金融通特別会計にかかる権利義務の農林漁業金融公庫への移管に関する措置についてであります。
まず、特別会計にかかる権利義務については、昭和四十五年度以降順次農林漁業金融公庫に移管し、昭和四十六年度末日をもって一切の権利義務の移管を完了し、昭和四十七年四月一日をもって特別会計を廃止することといたしております。
次に、特別会計にかかる権利義務の移管にあたっては、特別会計にかかる資産の額が負債の額をこえる部分の額について政府から公庫に対し出資されたものとするとともに、その出資額については、承継債権の消却に要する財源として必要に応じ取りくずすととができることといたしております。
以上が、本法案の提案の理由及びその主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
第62回国会参議院農林水産委員会会議録第1号5頁(昭和44年12月2日)〔玉置和郎政府委員発言・発言番号33〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行にあたつて、開拓事業の完遂のため、左記各項の実現に遺憾なきを期し、もつて一般農政に円滑に移行せしめるよう努めるべきである。記
一一般開拓者、特定開拓者及び徴収停止対象者についての基準及びその適用については、開拓者の実情を十分考考慮の上、これを決定し、実施すること。
二自作農維持資金の貸付けについては、その貸付限度額の引上げを行なう等開拓者の固定化負債が十分開消されるよう措置せることとし、貸付業務の適正を期すること。
三農林漁業金融公庫資金等に係る負債であつてその償還が困難なものについては、開拓者資金の条件緩和措置に準じて措置すること。
四今後の開拓者に対する資金の融通を確保するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の活用を図るとともに、中央開拓融資保証協会に対する政府出資金の増額に努めること。
五開拓道路の整備、開拓未利用地の開発等を完遂するとともに農業構造改善事業その他の農業振興諸対策を開拓地の実情に即して総合的に実施するよう万全を期すること。
六開拓営農の今後の進展と一般農政への円滑な移行を図るため、開拓営農総合調整事業等これに必要な濃密指導及び助成について特に配慮すること。
七開拓農協については、その実態に即して再編整備を行ない、農協活動が十分行なわれるよう所要の措置を講ずること。
八開拓者以外一般農家であつて、災害等により固定化負債を有し営農のきそが不安定な者に対しても、負債整理が行なえる所要の措置を検討すること。
政府は、本法の施行にあたって、開拓者に対する負債対策に遺憾なきを期し、営農振興の推進を図り、一般農政への移行を円滑にするため、左記事項の実現に努めるべきである。記
一特定開拓者、特別緩和対象開拓者及び徴収停止対象者についての基準については、開拓者の実情と一般国民生活との調和を十分考慮してその運用にあたること。
二開拓者資金に係る貸付条件の変更契約の締結に必要な保証人の保証その他の担保を徴するにあたっては、開拓者の実情を十分勘案して措置すること。
三一般系統資金等に係る固定化負債が十分解消されるようにするため、自作農維持資金による借換措置について、貸付事由の拡大、貸付限度額の引上げ等を図るとともに、その貸付けにあたっては、円滑な取扱いがなされるよう措置すること。
四農林漁業金融公庫資金等の制度資金に係る固定化負債についても、開拓者資金の条件緩和措置に準じて措置すること。
五今後における開拓者の資金融通を確保するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の活用を図るとともに、開拓融資保証制度の拡充に努めること。
六開拓農協の実情に応じ、その整備強化等の対策を講ずること。
七開拓道路の整備その他の開拓事業の速かな完遂を期するとともに、開拓営農総合調整事業の実施等を通じて農業構造改善事業その他の農業振興対策が開拓地域の実情に即して円滑かつ総合的に実施されるよう万全を期すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106201025)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。