恩給法等の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
昭和45年法律第99号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- S45.3.10趣旨説明内閣委員会 3159
- S45.5.7質疑内閣委員会 23166
- S45.5.8質疑・附帯決議・採決内閣委員会 24378
- S45.5.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 2562
参議院内閣委員会
- S45.3.17趣旨説明内閣委員会 517
- S45.5.11質疑・附帯決議・採決内閣委員会 16248
- S45.5.12委員長報告・採決本会議 1682
- S45.5.13附帯決議本会議 1
提案理由
山中貞則 総理府総務長官 昭和45年3月10日ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
恩給年額につきましては、恩給審議会の答申の趣旨を尊重し、昭和四十二年度までのいわゆる経過措置として昭和四十四年十月に行なわれた恩給増額の際の増額割合を補正するとともに、昭和四十三年度における消費者物価、公務員給与の上昇を考慮し、本年十月分以降、現在の恩給年額の八・七五%増の額に増額することといたそうとするものであります。
その第二点は、遺族、傷病者及び老齢者の恩給の改善であります。
遺族、傷病者及び老齢者の置かれております立場を考慮いたしまして、その恩給について次のような改善措置をいたそうとするものであります。すなわち、その一は、公務扶助料の倍率の改善であります。
旧軍人の公務扶助料の年額を算出する場合における普通扶助料年額に対する割り増し率、いわゆる倍率、四十三・二割ないし二十一・六割を、四十六・一割ないし二十三・〇割に引き上げるとともに、文官の公務扶助料の倍率についてもこれに準じて改善しようとするものであります。
その二は、増加非公死扶助料の倍率の改善であります。
増加恩給を受けている者が公務以外の原因で死亡した場合にその遺族に給される扶助料の倍率は、公務扶助料の倍率の六割程度となっていますが、これを、右の公務扶助料の新倍率の七割五分相当の率となるよう改善しようとするものであります。
その三は、特例扶助料の倍率の改善であります。
大東亜戦争以後、内地、朝鮮、台湾等で職務に関連する事由によって死亡した旧軍人等の遺族に給される特例扶助料の倍率を、増加非公死扶助料の倍率の改善に準じて改めようとするものであります。
その四は、傷病恩給の年額の改善であります。
傷病恩給の年額を、倍率改善による兵の公務扶助料年額の引き上げに準じて改善しようとするものであります。
その五は、老齢者等の恩給年額についての特例であります。
恩給の基礎在職年に算入されている実在職年の年数が普通恩給についての最短恩給年限以上であるものの年額につきましては、普通恩給の年額が九万六千円未満であるときはこれを九万六千円とし、扶助料の年額が四万八千円未満であるときはこれを四万八千円とすることになっていますが、七十歳以上の者及び扶助料を受ける七十歳未満の妻子については、この九万六千円を十二万円に、四万八千円を六万円に、それぞれ引き上げようとするものであります。
その第三点は、琉球政府職員にかかる恩給の基礎俸給の改善であります。
琉球政府職員を退職したことにより恩給を受けている者の恩給年額計算の基礎となる仮定俸給につきましては、本土公務員の恩給との均衡を考慮しまして、その格づけを三号俸引き上げようとするものであります。
その第四点は、南西諸島等において抑留された旧軍人等の在職年に対する加算措置であります。
終戦後、南西諸島、小笠原諸島及び千島列島において抑留された旧軍人、旧準軍人または旧軍属の在職年を計算する場合におきましては、海外において抑留された旧軍人等と同様に、その抑留期間の一月について一月の加算年に準ずる在職年の割り増しをしようとするものであります。
その第五点は、教育職員から文官等に転じた者にかかる勤続加給条件の緩和であります。
教育職員としての勤続在職年が普通恩給についての最短恩給年限以上である場合の恩給年額については、その最短年限をこえる期間についての勤続加給がありますが、教育職員が教育事務に従事する文官等に転任し、さらに引き続いて教育職員となった場合には、前後の同程度の学校の教育職員としての在職は勤続するものとみなして、この勤続加給を認めようとするものであります。
その第六点は、海外拘禁期間に対する加算措置であります。
日本国との平和条約第十一条に掲げる裁判により海外において拘禁された者の在職年を計算する場合におきましては、海外において抑留された旧軍人等についてのいわゆる抑留加算との均衡を考慮しまして、その拘禁期間の一月について一月の加算年に準ずる在職年の割り増しをしようとするものであります。
その第七点は、旧日本医療団職員期間の通算条件の緩和であります。
旧日本医療団の職員であった者で戦後医療団の業務が政府へ引き継がれたことに伴って公務員となったものの恩給の基礎在職年を計算する場合におきましては、普通恩給についての最短恩給年限に達するまでを限度としてその職員期間を通算することとしておりますが、この制限を廃止しようとするものであります。
その第八点は、旧国際電気通信株式会社の社員期間の通算であります。
旧南洋庁の公務員であった者で、同庁の電気通信業務が昭和十九年五月一日に旧国際電気通信株式会社に引き継がれたことに伴い同社の社員となったものにつきましては、その社員期間を公務員期間に通算しようとするものであります。
右の措置のほか、恩給年額の増額措置に伴いまして、恩給外の所得による普通恩給の停止に関する基準を改めますとともに、その他の所要の改正をすることといたしております。
なお、以上述べました措置は、すべて昭和四十五年十月一日から実施することといたしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第63回国会衆議院内閣委員会議録第3号21頁(昭和45年3月10日)〔山中貞則総理府総務長官発言・発言番号157〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず案文を朗読いたします。恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、次の事項について速かに善処するよう要望する。
一恩給法第二条ノ二の規定について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与を基準として、国民の生活水準、消費者物価その他を考慮の上その制度化を図ること。
二恩給に関する立法の簡素化その他法制上の諸問題について、国民の要望に沿うよう抜本的検討を加えること。
政府は、次の事項について速やかに検討の上善処すべきである。
一恩給法第二条ノ二の規定については、国家公務員の給与を基準として国民の生活水準、消費者物価その他の諸事情の変動に対処しうるようその制度化の速やかな実現を図ること。
一外国政府職員および旧南満州鉄道株式会社等の外国特殊法人、外国特殊機関の職員であつて、終戦後シベリヤ等に抑留または留用された者に対する恩給の通算については、過去五回に及ぶ委員会の決議、恩給審議会でも是正すべき旨の答申があつたにも拘らず未だその実現をみないのは甚だ遺憾である。よつて来年度よりその実現を図ること。
一旧満州拓殖公社、旧北支那開発株式会社等の在外国策機関および在外国策会社の職員期間と公務員期間との通算を図ること。
一現行恩給法は極めて難解であるため抜本的検討を加え、その平易化を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301058)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。