国有林野の活用に関する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和46年法律第108号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S45.5.12趣旨説明・補足説明農林水産委員会 27117
- S46.3.10質疑農林水産委員会 928
- S46.3.16質疑農林水産委員会 1112
- S46.3.23質疑農林水産委員会 12153
- S46.3.24質疑農林水産委員会 13299
- S46.3.25質疑・修正案趣旨説明・修正案・採決・附帯決議農林水産委員会 14193
- S46.3.26委員長報告・採決・附帯決議本会議 2246
参議院農林水産委員会
- S46.4.13趣旨説明・補足説明農林水産委員会 97
- S46.5.6質疑農林水産委員会 12147
- S46.5.7質疑農林水産委員会 13161
- S46.5.11質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 14148
- S46.5.12附帯決議・委員長報告・採決本会議 1252
提案理由
渡辺美智雄 政府委員(農林政務次官) 昭和45年5月12日次に、国有林野の活用に関する法律案につきまして、その提案理由及び主要を内容薮御説明申し上げます。
国有林野は、その面積においてわが国の森林面積の約三分の一、国土面積に対しても二割余を占め、国土の保全、林産物の需給及び価格の安定等に大きな役割りを果たすとともに、従来からも社会経済情勢の推移に即応して、地元住民の要請に応じた貸し付け、売り払い、部分林または共用林の設定等によって地元産業の振興と地元住民の福祉向上に寄与してまいったのであります。
しかしながら、近年、わが国の目ざましい経済の発展の中で、農山村からの急速な労働力の流出が見られる等わが国の農林業はきわめてきびしい条件のもとに立たされることになり、ここに農林業の零細な経営規模を拡大する等その構造の改善と農山村地域の振興をはかるための施策を一そう強力に推進することが要請されるに至っております。
このような要請にこたえるため、この際、国有林野の活用を積極的に推進することとし、このため林業基本法の規定の趣旨に従い、積極的に行なうべき国有林野の活用の内容を具体的に示すとともに、これらの活用を行なうに当たっての国の基本的態度を明らかにすること等により、国有林野の活用の適正円滑な実施の確保をはかることとした次第であります。
以上がこの法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の主要な内容につきまして御説明いたします。
第一は、農林大臣が国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ積極的に行なうべき国有林野の活用につきまして、その活用の種類等を明らかにしたことであります。すなわち、その一は農業構造の改善等のための国有林野の活用、その二は農業構造の改善等のために譲渡された土地の代替地に供するための国有林野の活用、その三は林業構造の改善のための国有林野の活用、その四は国有林野の所在する住民が共同して行なう造林、家畜の放牧等のための部分林または共用林野の設定のための国有林野の活用、その五は国有林野の所在する地域における公用、公共用または公益事業の用に供するための国有林野の活用、その六は山村振興計画に基づく事業の用に供するための国有林野の活用であります。
第二は、農林大臣は、国有林野の活用につきまして、その推進のための方針、適地の選定方法その他活用の実施に関する基本的事項を定め、これを公表すべきこととしたことであります。
第三は、農林大臣は、国有林野の活用の適正な実施をはかるため、活用の事務をすみやかに行なうとともに、活用に当たっては、その用途を指定する等その土地の利用が適正に行なわれるようにするための必要な措置を講ずべきこととし、特に売り払いをする場合には十年をその期間とする買い戻しの特約をつけなければならないこととしたことであります。
第四は、農林業の構造改善のための国有林野の活用の円滑な実施をはかるため、そのような国有林野の活用として、土地等の売り払いをする場合には、二十五年以内の延納の特約をすることができることとしたことであります。
第五は、国有林野の売り払い等による収入は予算で定めるところにより、森林経営の用に供することを相当とするものの買い入れ等に要する経費の財源に充てることとしたことであります。
なお、この法律案は第五十八通常国会に提出し、第六十一通常国会において審議未了になりました国有林野の活用に関する法律案につき、同国会の衆議院農林水産委員会において行なわれた売り払いに際しつけるべき買い戻しの特約及び売り払い等による収入の使途に関する修正どおりの修正を施し、再度提案いたしたものであります。
この法律案の提案理由及び主要な内容は、おおむね以上のとおりであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
第63回国会衆議院農林水産委員会議録第27号8頁(昭和45年5月12日)〔渡辺美智雄政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず案文を朗読いたします。国有林野の活用に関する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行にあたって、国有林野の活用が適切かつ円滑に行なわれるよう左記事項に十分留意し運用の万全を期すべきである。記
一国有林野の活用に関する基本的事項についてはその重要性にかんがみ、決定にあたっては林政審議会の意見をきくものとすること。
二国有林野の活用にあたっては、国土資源の総合的利用に配慮し、その目的が達成されるように活用の相手方について土地利用計画、事業構想、能力および資格等につき十分な審査を行なうとともに活用の適正を図るため指導助言につとめるほか活用を受けた者から土地利用について報告させる等の方途を講ずること。この場合において当該計画地域における未利用および粗放利用の民有地についても国土の効率的利用が促進されるよう配慮すること。
三林業構造の改善のための活用は、原則として部分林契約により協業体を相手として行なうものとし、共同利用の採草放牧地とするための活用は、原則として貸付けにより行なうものとすること。
四活用に伴う立木竹は原則として、幼齢林および防風林、庇蔭樹等土地と一体として活用されるものに限り売払いを行なうものとすること。
五人口の都市集中化と余暇時間の増加傾向にかんがみ、国民の野外レクリエーションの場として必要なものおよび禁猟区その他野生動物および自然保護のために必要なものについては、活用対象地として選定することを避けるよう配慮すること。
政府は、本法の適正かつ円滑な運用と国有林野事業の使命の達成を図るため、左記事項の実現に努めるべきである。記
一最近における社会経済情勢及び林業の動向に即応して速かに国有林野事業の体制の整備を期し、国土保全その他国有林野事業の使命達成との調整を図りつつ国有林野の適正な活用を図ること。
二国有林野の活用にあたつては、活用に関する基本方針は林政審議会の意見を聞いて決定し、活用の対象、相手方等の審査の公正を期し、林業のための活用は協業体を相手方とする部分林契約、共同利用の採草放牧のための活用は貸付けによることを原則とし買戻しの特約はその旨を登記する等、活用の目的を十全ならしめるよう措置すること。
三国有林野事業の運営にあたつては、森林生産力の一そうの増強を図り、国土保全、水源かん養、大気浄化等の公益的機能の充実に努めること。また、国民の保健休養、自然保護等のため必要な国有林野は活用の対象から除外するとともに、活用に係る収入については、とくに第八条の趣旨を生かすよう配慮すること。
四国有林野の活用の効果を発揚するため、活用後の指導助言に万全を期するとともに、当該地域の民有林野を含めた国土の高度利用が促進されるよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301080)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。