環境庁設置法案
参議院 内閣委員会
衆議院 内閣委員会公聴会
昭和46年法律第88号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会・内閣委員会公聴会・内閣委員会産業公害対策特別委員会連合審査会
- S46.2.25趣旨説明・質疑本会議 1143
- S46.3.10趣旨説明内閣委員会 6213
- S46.5.10公聴会内閣委員会公聴会 158
- S46.5.10質疑内閣委員会 2157
- S46.5.12質疑内閣委員会産業公害対策特別委員会連合審査会 1240
- S46.5.13質疑内閣委員会 2466
- S46.5.17質疑・附帯決議・採決内閣委員会 27192
- S46.5.17委員長報告・採決・附帯決議本会議 3126
提案理由
山中貞則 総理府総務長官 昭和46年2月25日環境庁設置法案について、その趣旨を御説明いたします。
国民の健康で文化的な生活を確保するために、公害を防止し、環境の保全をはかることは現下の緊要な課題であり、文化国家、福祉国家の完成への試金石でもあります。政府もかねてからこの点を重視し、さきの臨時国会において関係法制の抜本的な整備をはかるとともに、これに引き続き、今国会に提出した予算案等においても、公害防止を重点的施策として取り上げ、公害防止施策の拡充整備の裏づけとなる財政、金融、税制面について格段の配慮を払っているところであります。今回の環境庁の設置の構想は、このような環境問題に取り組む政府の基本姿勢を確立し、今後この問題に思い切って効果的に対処できる行政機構の整備をはかろうとするものであります。
まず、環境庁設置にあたっての基本的な考え方について申し上げます。
第一に、今回新設しようとする環境庁においては、公害の防止にとどまらず、広く自然環境の保護及び整備を含む環境保全に関するすべての問題をその行政の対象とすることにしております。公害の防止や自然環境の保護及び整備の問題の重要性にかんがみ、これらをばらばらにではなく、全体として総合的に取り上げることが重要であると考えられますので、公害防止施策とあわせて、自然公園行政等の自然保護施策をもその対象に含めることとしているのであります。
第二に、これまで関係各省庁に分散していた各種基準の設定、監視測定取り締まり等の公害規制に関する権限をすべて環境庁に集中して、行政の一元化をはかることとしていることであります。従来、公害規制の権限が多くの省庁に分かれているため、責任の所在が不明確となり、その実施面でも統一性を欠き、不徹底となるおそれがある等の批判がありました点を改善し、今後公害行政を強力に推進することをねらったものであります。
もっとも、下水道、廃油処理施設その他公害防止施設の整備などの問題は、関係各省の行政と密接に関連しているために、その事業の実施は従来どおり関係各省の所管としておりますが、環境庁は、現在の公害対策本部の機能を承継拡充して、広く、環境保全に関する基本的な政策の企画、立案、推進や予算面の調整を含む強力な総合調整機能を持つこととしておりますので、各省が一体となり、十分総合的、効果的な施策を推進していけるものと考えております。
第三に、公害の防止に関する科学的な調査、研究の重要性にかんがみ、国立公害研究所を設け、従来必ずしも十分でなかった公害の人の健康及び生活環境に及ぼす影響の研究その他公害の防止に関する調査、研究等を行なうこととしております。
次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
第一に、環境庁の所掌事務及び権限については、一般的事項として、環境の保全に関する基本的な政策の企画、立案及び推進、関係行政機関の環境の保全に関する事務の総合調整、関係行政機関の公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する経費の見積もり方針の調整等を行ない、特にこれらに関する試験研究費などについては、環境庁に予算を一括計上し、これを適切な計画に従って関係各省に配分する方法を採用するなど、その総合調整機能の強化をはかっております。
また、自然環境の保護及び整備に関する事項としては、自然公園法の施行、国立公園の公園事業の執行、鳥獣保護及狩猟二関スル法律の施行等の事務を行なうこととしております。
さらに、公害の防止に関する事項としては、公害防止計画の基本方針の指示及び計画の承認その他公害対策基本法に基づく内閣総理大臣の権限の行使につき内閣総理大臣を補佐するとともに、環境基準の設定に関する事務を行ない、さらに大気汚染防止法、水質汚濁防止法その他の公害の防止に関する諸法律の施行、公害防止事業団の監督の事務などを行なうこととしております。
第二に、環境庁の長は、環境庁長官とし、国務大臣をもって充てることとしております。環境庁長官は、環境の保全をはかるため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出及び説明を求め、さらに、重要事項について勧告を行なう権限を有するほか、特に内閣総理大臣に対し、内閣法第六条に基づく措置がとられるよう意見具申ができることとしております。
第三に、環境庁の内部部局として、長官官房のほか、企画調整局、自然保護同、大気保全局及び水質保全局の四局を置くこととしております。
第四に、環境庁に付属機関として、国立公害研究所及び公害研修所並びに中央公害対策審議会、自然公園審議会及び中央鳥獣審議会の三審議会を置くこととしております。
第五に、環境庁の設置に伴い、内閣法及び各省庁設置法の改正その他関係法律の整理を行なうこととしております。
最後に、環境庁は、昭和四十六年七月一日から発足するよう措置しておりますが、国立公害研究所及び公害研修所については、準備の都合上、一定の期間その設置をおくらせることとしております。
以上が環境庁設置法案の趣旨でございます。(拍手)
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環境庁設置法案(内閣提出)の趣旨説明に対す
る質疑
第65回国会衆議院会議録第11号12頁(昭和46年2月25日)〔山中貞則総理府総務長官発言・発言番号29〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
現下における環境保全行政の重大性並びに緊急性にかんがみ、政府は、環境庁の機能が十全に発揮できるよう予算、定員、人材確保に万全の配慮を加え、また、その運営に当っては実態把握に基づいて、環境基準及び排出基準の設定等の適正その他公害行政の強力な推進を期するとともに、できうる限りすみやかに、環境保全行政のより完全な一元化が可能となるよう今後さらに環境庁の機構、権限に検討を加え、その実現に格段の努力を払うべきである。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106501060)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。