中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案
参議院 社会労働委員会
昭和46年法律第68号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S46.3.9趣旨説明・質疑本会議 1561
- S46.3.23趣旨説明社会労働委員会 14221
- S46.4.21質疑社会労働委員会 16176
- S46.4.27質疑社会労働委員会 18186
- S46.5.10質疑・修正案・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議社会労働委員会 21368
- S46.5.11修正案・委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 2858
参議院社会労働委員会
- S46.4.23趣旨説明・質疑本会議 1042
- S46.5.13趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑・議案(衆議院修正部分)社会労働委員会 13180
- S46.5.18質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 14233
- S46.5.19委員長報告・採決本会議 1376
- S46.5.24附帯決議本会議 1
提案理由
野原正勝 労働大臣 昭和46年3月9日中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
わが国の雇用失業情勢は、昭和三十年代後半以後引き続く経済の高度成長に伴いまして著しく改善され、近年においては労働力不足基調へと変わってまいりました。今後とも、経済はなお相当の成長を続けていくと予測されますので、多少の景気の変動があるとしましても、全体として労働力不足は一そう深刻化するものと思われます。しかしながら、その中でも年齢別、地域別に見ますとかなりの不均衡が見られ、中高年齢者や雇用機会の乏しい地域の失業者につきましては、年々改善されてきてはおりますが、なお就職が必ずしも容易でないという状況が見受けられます。
このような状況の変化に対処するため、失業対策制度のあり方について根本的に検討することが必要であると考えましたので、昨年九月学識経験者を失業対策問題調査研究委員に委嘱いたしまして、客観的、専門的立場からの調査研究を依頼いたしました。同年十二月、その結果が報告されましたので、それを参考として今後の失業対策制度に関する基本構想をまとめ、同月二十三日雇用審議会に諮問いたしました。
この基本構想におきましては、先に述べましたような雇用失業情勢の見通しを前提とし、中高年齢者が多年にわたる職業生活で得た知識と経験を生かすことが、中高年齢者自身にとっても、また、国民経済の観点から見ましても肝要なことであるとの考えに立ちまして、今後は、中高年齢者の雇用促進に重点を置き、これらの者が、従来のように失業対策事業に依存することなく、その能力を民間雇用において有効に発揮することができるようにするための特別の対策を講ずることとしております。
一方、現在失業対策事業に就労している者につきましては、従来の経緯等にかんがみ、当分の間失業対策事業を継続実施して、これに就労させることとしております。
雇用審議会におきましては、この基本構想について慎重な審議が行なわれ、去る二月十三日答申をいただきましたので、政府といたしましては、その御意見を尊重しつつ成案を固め、ここに中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案として提出した次第でございます。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律は、中高年齢者等の就職がなお困難な雇用失業情勢にかんがみ、これらの者がその能力に適合した職業につくことを促進するための特別の措置を講ずることにより、その職業の安定をはかることを目的とするものであります。
第二に、中高年齢者の雇用を促進するため、その適職、労働能力の開発方法等の研究、求人者等に対する指導及び援助、職業紹介施設の整備等の措置を講ずるとともに、中高年齢者に適する職種について雇用率を設定し、これが達成されるよう、事業主に対しまして、雇い入れの要請、給付金及び融資についての特別の配慮を行なうなど、中高年齢者の雇用を奨励するための必要な諸施策を講ずることとしております。
第三に、就職の困難な中高年齢者等の就職を促進するため、求職手帳を発給し、その有効期間中就職活動を容易にし、また、生活の安定をはかるため、所要の手当を支給しつつ、就職指導、職業訓練、職場適応訓練等を実施することによって就職の促進をはかり、このような対策を講じた後においても就職が困難な者につきましては、必要に応じ手帳の有効期間を延長することとしております。
第四に、中高年齢者等につきましては、一般的には、以上の諸施策によって十分対処し得るものと考えますが、産炭地域等雇用の機会の乏しい地域の中高年齢者等につきましては、手帳の通常の有効期間が終わってもなお就職が困難な者も考えられますので、有効期間について特別の配慮を加えるほか、これらの者の雇用を促進するため、職業紹介、職業訓練等の実施、雇用機会の増大をはかるための措置等に関する計画を作成し、計画に基づき必要な措置を講ずるとともに、必要に応じ公共事業へ吸収させることとして、万全を期している次第であります。
なお、雇用機会の増大をはかるための措置として、当該地域の発展により雇用の機会が増大するまでの間、臨時に雇用の機会を与えることを目的として、予算措置により特定地域開発就労事業を実施することとしております。
また、この法律案の附則におきましては、緊急失業対策法は、この法律の施行の際、現に失業対策事業に使用されている失業者についてのみ当分の間その効力を有するものとして、この場合においては、夏季または年末の臨時の賃金は支払わないものとするとともに、関係法律について所要の整備をいたしております。
以上が中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案の趣旨でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
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中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置
法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第65回国会衆議院会議録第15号20頁(昭和46年3月9日)〔野原正勝労働大臣発言・発言番号35〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
労働力不足基調のもとにおいても中高年齢者等の就業は必ずしも容易でないという状況の急速な改善は、困難であり、かつ、労働力の高齢化は、今後一層進行することにかんがみ、政府は、本法施行にあたり、特に次の諸点について適切な措置を講じ、中高年齢者等の就職促進に万全を期すべきである。
一中高年齢者等の年齢の範囲については、雇用失業情勢の変動に応じ弾力的に運用できるよう配慮すること。
一中高年齢失業者等求職手帳(以下「手帳」という。)の発給手続を簡素化し、少なくとも一カ月以内に手帳を発給するように措置すること。
一手帳に基づき中高年齢失業者等就職促進の措置を受ける者に対する手当の額を定めるにあたっては、労働者の生活の実態を考慮し、その充実に努めること。
一手帳の有効期間及びその延長の期間を定めるにあたっては、中高年齢失業者等の就職の状況等に応じた十分な期間とすること。
一第二十一条の就業の機会の増大を図るための事業として行なう特定地域開発就労事業及び公共事業のうち特に特定地域開発就労事業については、その実施地域、事業内容及び運営方針を定めるにあたって、同事業が中高年齢失業者等に対する対策であることに留意し、雇用失業情勢に応じた弾力的な運用を図るとともに、就労者の安定した雇用への再就職について配慮すること。
一本法案に規定された事項のほか、中高年齢者等の雇用の促進に重要な関係を有する事項については、あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聞くこと。、人口の高齢化が今後急速に進行することにかんがみ、すみやかに社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策の充実に努めること。
一現在失業対策事業に就労している者については、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策が充実されるまでの間は、同事業に就労し得るよう配慮すること。
一現在失業対策事業に就労している者のうち自立を希望する者に対する就職支度金等の自立援護措置をさらに充実するように努めること。
一中高年齢者の雇用を促進するためには、職業訓練がきわめて重要であることにかんがみ、中高年齢者向けの訓練の飛躍的改善を図るとともに、訓練修了者に対する安定雇用への就職を確保すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106501066)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。