準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 大蔵委員会
昭和47年法律第23号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
船田譲 政府委員(大蔵政務次官) 昭和47年2月28日準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。
ただいま議題となりました準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
金融制度調査会は、昨年十二月に、準備預金制度の活用に関する答申を行ないました。この答申におきましては、国際化の進展、国内構造の変化等に伴う今後の新たな金融環境に対処して、有効、適切な金融政策を実施していくためには、その手段の整備をはかることが緊要であるとの観点から、今後、準備預金制度の機能を強化し、その活用をはかることが適当であると述べられております。
今回の制度改正は、この答申に基づくものでありますが、まず改正の目的について申し上げます。
今後の経済政策におきましては、政策目標の多様化に伴い、財政、金融、為替等の諸政策を総合いたしましたポリシーミックスの確立がますます必要となりますが、金融政策も、その一環といたしまして、その手段の多様化と整備をはかることが必要であります。
この観点から、金融政策の手段を検討いたしますと、公定歩合操作等の金利政策は、市場メカニズムに基づく金利機能を活用するという見地から考え、今後とも一そう強化をはかるべきであります。
しかしながら、内外資金の流出入が増大する国際化のもとにおきましては、金利操作にあたって国際金利水準をも勘案しなければならないという制約が出てまいりますので、今後におきましては、直接の金利操作手段でない準備預金制度の機能を充実することが必要であります。
また、同じく、今後は、内外資金の流出入が活発になるであろうことを考えますと、この際、海外からの短資の流入によって国内の金融市場が撹乱されることを防ぐ手段を講じておくことが必要であります。
他方、国内における景気調整政策としての金融政策の有効性確保という観点からも、過去におきまして、引き締め期に引き締め政策の対象外の金融機関の貸し出しが急増するという現象が見られたことに加えまして、最近では日銀の一般貸し出しがほとんどなくなるという事態になっておりますこと、また、今後はわが国における外国銀行の活動が次第に増大するであろうことが予想されますこと等を考えますと、今後は、市中全体の流動性を調整して、金融政策の有効性を確保するため、準備預金制度を整備する必要があります。
以上の理由から、この際、長期的観点に立って準備預金制度を整備し、その機能の充実をはかることが必要であると考え、ここに、この法律案を提出することとした次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、その大要を御説明申し上げます。
第一に、法律上、準備預金制度の適用対象となる金融機関に、生命保険会社を加え、また、適用対象となる勘定として、現行の預金のほか、金融債、貸付信託の信託元本等を加えることにより、金融政策の有効性を確保しようとすることであります。
第二に、準備率の最高限度を現行の百分の十から百分の二十に引き上げ、この制度の弾力的な活用をはかることであります。
第三に、準備預金を計算する方法として、現行の残高を基準とする方式に加えて、増加額を基準とする方式をも可能であるようにすることであります。
最後に、海外短資の流入のルートとなると考えられる非居住者自由円勘定等に対し、他の一般の勘定と区別して、最高一〇〇%までの準備率を適用し得るようにすることであります。これにより、短資流入を効果的に規制するとともに、流入した短資の国内金融市場に与える影響が遮断されることとなります。
以上、準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し述べました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第68回国会参議院大蔵委員会会議録第3号1頁(昭和47年2月28日)〔船田譲政府委員発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106801018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。