農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和47年法律第71号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院農林水産委員会
- S47.4.13趣旨説明・補足説明農林水産委員会 6208
- S47.4.18質疑農林水産委員会 7206
- S47.4.20質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 8178
- S47.4.24附帯決議・委員長報告・採決本会議 1129
提案理由
赤城宗徳 農林大臣 昭和47年4月13日農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業災害補償制度につきましては、制度創設以来、農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりでありますが、近年における果樹農業の著しい進展と農業生産に占めるその地位の重要性にかんがみ、その健全な発展と経営の安定をはかるため、果樹農業についても本制度の対象とすることが強く要請されるに至っております。
政府におきましては、このような事情にかんがみ、昭和四十三年度以降果樹保険臨時措置法に基づいて果樹共済の制度化のための試験を行なっているところでありますが、その試験期間が昭和四十七年度をもって終了いたしますので、その実績を踏まえて、昭和四十八年度から恒久的な果樹共済制度を創設することとし、この法律案を提出いたした次第であります。
次に法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
まず第一に、果樹共済の種類及び実施体制でございます。果樹共済につきましては、果樹の永年性作物としての特性にかんがみ、年々の果実の収獲を対象とする収獲共済と樹体そのものを対象とする樹体共済の二種類といたしております。また、この事業の実施は、農作物共済等の場合と同様に、農業共済組合または市町村の共済事業、農業共済組合連合会の保険事業及び政府の再保険事業により行なうことといたしております。
第二に、対象果樹につきましては、温州、ミカソ、ナツミカン、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃その他政令で指定する果樹といたしております。
第三に、果樹共済の内容でございますが、収穫共済につきましては、風水害等の災害によって生じた果実の減収等が三割をこえた場合に、樹体共済につきましては、これらの災害による樹体の枯死、流失等によって生じた損害が一割をこえた場合に、それぞれ、その減収または損害の程度に応じて、共済金を支払うことといたしております。
第四に、果樹共済の加入方式でございます。果樹共済への加入は、農業者の任意といたしておりますが、事業の安定的な運営ができるよう、農業共済組合等がその旨の議決をした場合には、関係農業者がこれに加入する義務を負うこととする道も開いております。
第五に、共済掛金の国庫負担でございますが、農家負担の軽減をはかるため、共済掛け金の二分の一を国庫が負担することといたしております。
第六に、農業共済基金の業務範囲の拡大でございまして、基金は、果樹共済の共済金等の支払いの円滑化に資するため、必要な資金の融通等ができることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第68回国会参議院農林水産委員会会議録第6号1頁(昭和47年4月13日)〔赤城宗徳農林大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、最近の厳しい農業情勢にかんがみ長期的展望に立って果樹生産の基盤整備、果実の需給と価格の安定対策、災害対策等を一層拡充し、果樹経営の健全な発展を図り、国際競争にたえうる果樹農業を確立するとともに、本制度の運用に万全を期するため、左記事項を検討して、その実現に努めるべきである。記
一本制度の対象果樹については、すみやかにかきなどを追加するとともに、その他の果樹農業振興特別措置法適用果樹についても、実態に即し、調査を終了し、早期に事業対象に加えるよう配慮すること。
二果樹農業の特性、地域性を十分に反映した基準収穫量、共済金額、掛金率の設定を指導し、適確な損害評価方法の確立、被害の把握に努め、補償の充実を図るよう努めること。
三樹体共済については、共済事業の対象として、今後幼木を含める方向で検討するとともに、損傷等による分損被害を適切な範囲で対象事故とするよう措置すること。
四果樹共済事業の効果的運用を図るため、支払共済金等の削減が行なわれないよう指導すること。
五果樹共済の特殊性に照し、農業共済団体の事務執行体制の整備に特別な配慮を払い、職員、共済連絡員等の待遇改善に資するため、国庫負担の拡充を期すること。
六農業生産の進展に対応して、施設園芸、地域特産物、肉豚、鶏等の新種共済について、早急に基礎資料の整備を行ない、制度化を促進ずること。
政府は、近年における果樹農業の著しい進展とその農業生産に占める地位の重要性にかんがみ、長期的な観点に立って、果樹農業振興の諸施策を一段と拡充強化するとともに、特に、本制度の運用にあたっては、左記各項の実現に十分留意すべきである。記
一果樹共済の対象果樹については、かき、くりその他の果樹農業振興特別措置法の適用対象果樹についてもその実態に応じて所要の調査等を行ない、可及的すみやかに対象に加えること。
二基準収穫量、掛金率及び共済金額の設定にあたっては、地域の実情を適正に反映させるよう努めるとともに、損害評価の方法については関係団体等の協力を得てその適正を期すること。
三果樹共済における無事もどしについては、米麦、蚕繭共済等に準じて措置する等無事故農家対策に十分配慮すること。
四被害農家に対する補償内容を充実するため、収穫共済について共済金の支払割合の中だるみの是正、樹体共済について幼木をその対象に加えることを今後それぞれ検討するとともに、共済金等の削減が安易に行なわれることのないよう適切な指導を行なうこと。
五果樹共済制度の円滑かつ適正な運営を期するため農業共済団体の事務人件費等については、事務内容の特殊性を十分考慮して国の助成に万全を期すること。
六最近における施設園芸、肉豚、鶏及び畑作等の進展にかんがみ、これらを対象とした共済制度の確立について可及的すみやかに調査等を完了し、早期実現を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106801096)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。