大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案
衆議院 商工委員会
昭和48年法律第109号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S48.4.17趣旨説明・質疑本会議 2744
- S48.6.20趣旨説明商工委員会 32219
- S48.7.3質疑商工委員会 37242
- S48.7.4参考人招致・質疑商工委員会 38259
- S48.7.10質疑商工委員会 40258
- S48.7.11質疑・修正案・修正案趣旨説明・附帯決議・採決(修正)商工委員会 41261
- S48.7.13委員長報告・修正案・採決(修正)・附帯決議本会議 5138
参議院商工委員会
- S48.7.17議案(衆議院修正部分)商工委員会 20112
- S48.9.6趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・補足説明商工委員会 2373
- S48.9.11参考人招致・質疑商工委員会 24166
- S48.9.13質疑・採決商工委員会 25269
- S48.9.14委員長報告・採決本会議 3319
提案理由
中曽根康弘 通商産業大臣 昭和48年4月17日大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
わが国の小売商店数は、百四十万店をこえ、そこに働く人々も約四百五十万人に達しておりますが、大部分の商店はきわめて零細であるので、百貨店、スーパー等の大規模な小売店の進出によって著しい影響を受ける場合が少なくありません。
このため、昭和三十一年には、小売業における当時唯一の大企業であった百貨店業を対象として、その事業活動を調整し、もって中小商業の事業活動の機会を確保することを目的として、百貨店法が制定されたのであります。
以来十数年を経過し、一方では消費者利益確保の要請が高まるとともに、他方では百貨店以外にもスーパー、ショッピングセンター等の大規模な小売店が出現する等、小売業を取り巻く環境は著しく変化するに至っており、また、経済の国際化に伴って、流通業の資本自由化も強く要請されるに至っております。
政府は、このような情勢の変化に対応した百貨店等の大規模な小売店と中小小売店との事業活動の調整のあり方について、かねてから産業構造審議会にはかっておりましたところ、昨年八月、法改正の方向について答申を受けたのであります。
本法案は、この答申の示した方向に沿って、関係者の意見を十分聴取しつつ作成したものであり、大規模な小売店の出現により中小小売業者がこうむる不測の被害を未然に防止するとともに、消費者利益の確保にも十分配慮したものであります。
なお、改正内容が多岐にわたっているので、新法の制定、百貨店法の廃止という形式をとることとしております。
次に、本法案の概要について御説明いたします。
第一は、現行百貨店法の中小商業の事業活動の機会の確保という目的に、配慮事項として消費者の利益の保護を加えるものとしていることであります。すなわち、消費者物価の上昇、消費者欲求の多様化、高級化という社会的情勢への対応に配慮すべきことを規定したものであります。
第二は、同一建物内の店舗面積の合計が基準面積をこえるものを大規模小売店舗として公示するものとし、これに入居するすべての小売業者を規制対象とすることとしたことであります。これにより、従来の百貨店に加えて、大型スーパー、ショッピングセンター等が大規模小売店舗内の小売業者として把握されることとなるのであります。
第三は、現行百貨店法が採用している許可制を届け出、審査、勧告、命令という体系に改めることとしたことであります。この新しい制度のもとでは、大規模小売店舗において小売業を営もうとする者の届け出があった場合には、通商産業大臣はその地域の人口の推移、中小小売業の近代化の見通し等を勘案して審査を行ない、中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、店舗面積の削減、営業開始時期の繰り延べ等について勧告、命令を行なうこととし、これに違反した者に対しては、現行百貨店法の無許可営業以上の罰則を課するとともに、営業停止をも命じ得ることにしております。
以上が大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案の趣旨であります。(拍手)
————◇—————
大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第71回国会衆議院会議録第27号25頁(昭和48年4月17日)〔中曽根康弘通商産業大臣発言・発言番号36〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一大規模小売店舗における小売業者の届出については、厳正な審査を行ない、万一にも大企業のダミーが寄合百貨店の形態をとって、本法による調整をまぬがれることのないよう十分措置すること。
二大規模小売店舗審議会及び商業活動調整協議会の組織及び運営については、消費者、中小小売業者及びその従業員の意見が十分反映されるよう措置すること。
三閉店時刻及び休業日数の基準の設定にあたっては、従業者の福祉、地域との融和等を重視し、特に休業日数については十大都市、その他都市の区別を撤廃するよう検討すること。
四百貨店業者等の基準面積未満の大規模店舗についても、本法の調整措置に準じ適切な指導を行なうとともに、駈込み新増設については、従来の行政指導を強化し、本法の趣旨に基づいて処理すること。
五百貨店における派遣店員、不当返品等の不公正な取引方法の規制を厳格に実施するとともに、本法の制定にともない新たに対象となる大規模小売店舗における小売業の不公正取引方法の特殊指定について検討すること。
六百貨店、大型スーパー、商社等による中小小売店の系列化等の抑制について強力な指導を行なうとともに、中小小売業者の事業分野の確保について適切な措置を講ずること。
七大規模小売店舗の進出により直接影響を受け、事業転換を余儀なくされる中小小売業者に対しては、その円滑な実施を図るため所要資金の融資等特段の配慮を行なうこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101109)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。