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国会審議›第76回国会›閣法第10号
閣法第76回国会 第10号成立

油濁損害賠償保障法案

昭和50年法律第95号 船舶油濁等損害賠償保障法
提出昭和50年9月20日 内閣
付託衆議院 運輸委員会
参議院 運輸委員会
成立
昭和50年法律第95号
審議会議 5回・発言 382(政府答弁等 167)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院運輸委員会

  1. S50.11.11趣旨説明・質疑・採決運輸委員会 172
  2. S50.11.11採決・委員長報告本会議 1341

参議院運輸委員会

  1. S50.11.18趣旨説明・質疑運輸委員会 2149
  2. S50.11.20採決運輸委員会 3141
  3. S50.12.12採決・委員長報告本会議 13141

提案理由

木村睦男 運輸大臣 昭和50年11月11日

ただいま議題となりました油濁損害賠償保障法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 わが国は、年間二億六千万トンに及ぶ石油を輸入しておる世界でも有数の石油輸入国であり、多数のタンカーがわが国の沿岸を航行しております。

 これらのタンカーの安全確保につきましては、構造及び設備の改善、交通ルールの確立、航行環境の整備など各般にわたり努力しておりますが、万一タンカー事故が発生した場合には、早期に適切な防除措置を講じて油濁損害の拡大を防止しなければならないとともに、油濁損害の被害者が適切な救済を受けることができるような制度を確立することが必要であります。

 わが国の現行の法制度では、民法及び商法の不法行為に関する規定が適用されるとともに、これによる船舶所有者の損害賠償責任につき、船体等の権利を被害者側に移転することにより責任を免れるいわゆる免責委付制度が認められております。

 しかし、国際的には、一九六七年に英仏海峡で発生したトリー・キャニオン号事件を契機として、油濁損害の賠償責任について行為者の故意または過失の存在を前提とする不法行為責任の一般原則によることは適切でないとの反省のもとに、その賠償の万全を期するため、一九六九年に油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約が、また、一九七一年には、この条約を補足するために油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約が、それぞれ成立をいたしております。

 わが国といたしましても、万一油濁事故が発生した場合にはできる限り被害者の救済を図る必要がありますので、現行の法制度を改め、他の先進海運諸国と同じく両条約の内容に沿った国内法を整備するため、油濁損害賠償保障法を制定しようとするものであります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 本法案は、両条約の内容を国内法化するため、第一に、タンカーによる油濁損害について、戦争、異常な天災地変等の例外的な免責事由に該当する場合を除き船舶所有者が無過失賠償責任を負うこととしております。

 第二に、油濁損害の賠償責任について、船舶所有者は、自己に故意または過失がある場合を除き、船舶のトン数に約四万八千円を乗じた金額、量局限度約五十億円に責任を制限することができることといたしております。

 第三に、責任制限を認められておる金額まで船舶所有者の賠償能力が確保されるように、二千トンを超える油を輸送するタンカーについて責任保険契約等の締結を義務づけております。

 第四に、国際基金に対して、被害者は、損害額のうち船舶所有者等から十分な賠償を受けられなかった部分の補償を請求できることとし、また、タンカーによる油濁損害が生じた場合、船舶所有者等は、一般の船舶所有者の責任に比して責任限度額が倍加されることとなるので、その加重された責任額の一部の補てんを請求できることといたしております。

 第五に、国際基金がこれらの補償及び補てんの事業を行う財源として、石油事業者等年間十五万トン以上の海上輸送された油を受け取った者は国際基金に拠出金を納付しなければならないこととしております。

 以上のほか、船舶所有者が責任を制限する場合の手続、罰則等所要の規定を整備することとしております。

 以上がこの法律案を提案する理由であります。

 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

第76回国会衆議院運輸委員会議録第1号2頁(昭和50年11月11日)〔木村睦男運輸大臣発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107601010)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。