石油コンビナート等災害防止法案
参議院 地方行政委員会
昭和50年法律第84号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会
- S50.10.30趣旨説明地方行政委員会 1180
- S50.10.31質疑地方行政委員会 2227
- S50.11.11質疑・採決・附帯決議地方行政委員会 771
- S50.11.11委員長報告・採決・附帯決議本会議 1341
参議院地方行政委員会
- S50.11.18趣旨説明・質疑地方行政委員会 5244
- S50.11.20質疑・採決・附帯決議地方行政委員会 697
- S50.12.10附帯決議・委員長報告・採決本会議 1225
提案理由
福田一 自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 昭和50年10月30日ただいま議題となりました石油コンビナート等災害防止法案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
石油コンビナート等における災害がその周辺の地域に重大な影響を及ぼすおそれがあることにかんがみ、石油コンビナート等の区域内において石油または高圧ガスを貯蔵し、取り扱い、または処理する事業所に対して防災上の見地からの規制を強化するとともに、その区域における一体的な防災体制を確立する等石油コンビナート等における災害の発生及び拡大を防止するための総合的な施策の推進を図る必要があります。
これが、この法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、石油コンビナート等特別防災区域を指定し、その区域内における一定の事業所の新設または変更について災害の拡大の防止の見地から規制の強化を図ろうとするものであります。
すなわち、大量の石油もしくは高圧ガスを貯蔵し、取り扱い、もしくは処理する区域または貯蔵し、取り扱い、もしくは処理することとなると認められる区域を石油コンビナート等特別防災区域として政令で指定するとともに、この区域内において多量の石油と高圧ガスをともに貯蔵し、または取り扱い、及び処理する事業所の新設または変更をしようとする事業者は、主務大臣にその計画を届け出なければならないものとし、主務大臣は、事業所内の各施設地区の面積及び配置が災害の拡大の防止の見地から適切でないと認められるときは、必要な指示を行うことができることとしております。
第二は、事業所における防災施設及び防災組織等の強化であります。
このため各種の防災施設及び自衛防災組織の設置、防災管理者の選任、防災規程の作成等を事業者に義務づけることにより、事業所の防災体制の強化を図り、また人員、資機材を備えた共同防災組織、及び石油コンビナート等特別防災区域協議会を設置することにより、事業者による地域の共同防災体制の整備を促進することといたしております。
第三は、石油コンビナート等特別防災区域における防災体制の一元化であります。
このため、都道府県に都道府県知事を本部長とし、関係市町村長、関係機関の長、事業者等を本部員とする防災本部を常置し、総合的かつ一体的な防災対策の実施を確保していくこととしております。
第四は、石油コンビナートにおける災害が、その周辺の地域に及ぶことを防止するための緩衝地帯の設置の推進であります。
すなわち、地方公共団体が緩衝地帯としての緑地等を設置する場合に、その費用について一部を事業者に負担させることができることとするとともに、国においても特別の財政措置を講ずることとしております。
その他罰則規定を設けるとともに、消防法、地方交付税法、消防施設強化促進法の一部改正等を行うものであります。
以上が石油コンビナート等災害防止法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第76回国会衆議院地方行政委員会議録第1号22頁(昭和50年10月30日)〔福田一自治大臣発言・発言番号178〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、相つぐコンビナート災害、とりわけ三菱石油水島重油流出事故等の重大性にかんがみ、特に左の諸点に留意し、コンビナート災害の根絶を期すべきである。
一石油コンビナート等特別防災区域にかかる消防法、高圧ガス取締法、労働安全衛生法等の関係法令による規制を強化し、本法とともに、当該区域の防災対策が真に一体的・総合的に講じられることとなるよう運用に万全を期すること。なお、石油コンビナート等における防災行政の一元化についても検討すること。
二既設事業所における災害を防止するため、石油コンビナート等における石油・高圧ガスタンクの基礎、構造、防油堤、防液堤、保安距離等に関する規制を強化し、危険物等の過密化の防止その他安全性を高めるための措置を強力に推進すること。
三石油コンビナート等における災害の特殊性にかんがみ、すみやかに海上防災に関する立法措置を講じ、本法と相まって陸上および海上を通ずる総合的・一体的な防災体制を確立すること。
四事業所の自衛防災組織については、当該事業所における災害に十分対処しうるだけの防災資機材を備えつけさせるよう措置すること。
五石油コンビナート等特別防災区域における共同防災体制の役割の重要性にかんがみ、共同防災組織および石油コンビナート等特別防災区域協議会が設置されるよう積極的に指導すること。
六事業所の従業員について、防災教育および防災訓練が十分に行われるよう指導すること。
七本法および防災関係法令の基準が適確に遵守されることを確保するため、定時および随時に立入検査を実施する等事業所の監督を厳格に行うこと。なお、石油コンビナート周辺地域の住民から異常発見等の理由により立入検査の要請があった場合、関係機関はすみやかに立入検査を行うこと。
八防災のための緩衝地帯としての緑地等の設置が促進されるよう十分に予算措置等を講ずること。
九石油コンビナート等防災計画の作成にあたっては、住民の意思が十分に反映されるよう地方公共団体を指導すること。
十石油コンビナート等の防災に関する科学技術の研究開発を強力に推進すること。
十一コンビナート関係地方公共団体の専門技術職員の充実をはかるための教育訓練および処遇の改善ならびに化学消防車、人員の増強等消防力の充実強化のため必要な措置を講ずること。
十二近時における災害の多様化、大規模化に即応し、防災技術の高度化を推進するため消防庁、消防研究所その他国の関係機関の機構、人員等の充実強化に努めること。
十三石油タンクの基礎、構造、非破壊検査等に関する検査制度の確立をはかること。
政府は、国民生活及び自然に重大な影響を与えるコンビナート災害の重大性にかんがみ、その根絶のため次の諸点について善処すべきである。
一消防法、高圧ガス取締法、労働安全衛生法等の関係法令による規制を強化し、本法とともに一元的かつ総合的な防災対策が講じられるよう運用に万全を期すること。特に石油コンビナート等に対する防災行政の一元化をはかるよう検討すること。
二既設事業所に対する規制を強化すること。
三海上防災に関する立法措置を講じ、陸上・海上の総合的かつ一体的防災体制を確立すること。
四事業所の自衛防災組織の機能を高めるよう措置すること。
五石油コンビナート等特別防災区域における共同防災体制の役割の重要性にかんがみ、共同防災組織及び石油コンビナート等特別防災区域協議会が設置されるよう指導すること。
六事業所に対する定時及び随時の立ち入り検査を強化すること。なお、住民から異常発見等の理由による立ち入り検査の要請があつた場合、関係機関はすみやかに立ち入り検査を行うこと。
七緑地帯の設置等防災対策を促進するため十分な財源措置を講ずること。
八防災計画の作成にあたつては、住民の意思が反映されるよう地方公共団体を指導すること。
九コンビナート関係地方公共団体の専門技術職員を充実するための教育訓練及び処遇の改善並びに化学消防車、人員の増強等、消防力の充実強化を図るための必要な措置を講ずること。
十防災技術の高度化等を推進するため、消防庁、消防研究所その他国の関係機関の機構、人員等の充実強化に努めること。
十一コンビナート地域について綜合的な防災診断を推進するとともに、石油タンク及び高圧ガスタンクについてその基礎、構造、非破壊検査等に関する専門的な検査体制の確立を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107601023)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。