海洋汚染防止法の一部を改正する法律案
参議院 運輸委員会
昭和51年法律第47号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
木村睦男 運輸大臣 昭和51年4月23日ただいま議題となりました海洋汚染防止法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
海上災害の防止につきましては、従前から、港則法、海上交通安全法等により海上災害の原因となる事故の発生の防止に努めるとともに、海洋汚染防止法により油の排出があった場合における防除等について必要な措置を講じてきたところでありますが、最近における大型タンカーの火災、大量の油の流出等の事故に見られるように、これらに伴う被害はますます広範かつ重大なものとなってきております。このような海上災害に対処するためには、従前の措置に加え、油の流出等の事故が発生した場合において、迅速、効果的に、かつ、油の流出及び火災を一体的に防除するための対策を早急に確立する必要があります。このため、このたび海洋汚染防止法の一部を改正し、大量に油が排出された場合に対処するための措置を強化することとし、さらに、海上火災等が発生した場合における消火等の措置及び現場周辺の船舶交通の危険の防止について定めるとともに、関係機関及び民間の海上災害の防除のための体制を整備することとした次第であります。
次に、改正案の概要について御説明申し上げます。
第一に、危険物の排出があった場合または海上火災が発生した場合は、船長等は海上保安庁の事務所にその旨を通報し、かつ、応急措置を講じなければならないこととするとともに、海上保安庁長官は、現場の海域における火気の使用制限、船舶の進入の中止命令、火災が発生した船舶その他の財産の処分等を行うことができることといたしております。
第二に、海上保安庁長官は、危険物等の排出があった場合または海上火災が発生した場合における船舶交通の危険を防止するため、火災が発生した船舶を安全な海域に曳航すべきことを命ずることができることとするとともに、海上火災等の現場の周辺の海域において船舶の航行を制限し、または禁止することができることといたしております。
第三に、一定の大きさ以上のタンカーが主要な湾内、内海等を航行する場合は、その所有者は油回収船等を配備しなければならないことといたしております。
第四に、海上災害の防止に関する業務を行う海上災害防止センターを運輸大臣の認可により設立し得ることといたしております。また、海上保安庁長官は、排出された油の防除措置を緊急に講ずる必要がある場合で船舶所有者等に対してその措置を講ずべきことを命ずるいとまがない場合等においては、海上災害防止センターに対しその措置を講ずべきことを指示することができることといたしております。
以上のほか、海上保安庁と消防機関との間の消防活動に関する協力及び調整、海上保安庁長官による排出油防除計画の作成、タンカーの所有者等による排出油防除協議会の設置等について所要の規定を整備することとし、これらに伴い、海洋汚染防止法の題名を海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律に改めることといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
次に、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
港湾は、交通、産業、住民生活等の諸活動を支える重要な基盤であり、その整備の推進が国民経済の健全な発展にとって必要不可欠であることは申すまでもないところでございます。このような見地から政府は数次にわたり港湾整備五カ年計画を策定し、港湾の整備の計画的な実施を鋭意推進してまいりましたが、昭和五十年代におきましても港湾取り扱い貨物量の着実な増加が見込まれるばかりでなく、さらに、海上コンテナ輸送等の推進による貨物輸送の合理化、地域振興のための基盤施設の整備、船舶の航行の安全の確保、港湾及び海洋の環境の改善等の必要性が増大しており、港湾の整備に対する要請はますます多様化し、かつ、差し迫ったものとなっております。
このような情勢にかんがみ、港湾の整備を引き続き強力かつ計画的に実施するため、このたび港湾整備緊急措置法の一部を改正し、昭和五十一年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を策定することとした次第であります。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
第77回国会衆議院運輸委員会議録第6号1頁(昭和51年4月23日)〔木村睦男運輸大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107701033)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。