特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案
参議院 運輸委員会
昭和53年法律第26号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院運輸委員会・運輸委員会建設委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会
- S52.11.1趣旨説明運輸委員会 26
- S52.11.11質疑運輸委員会 3110
- S52.11.14質疑運輸委員会建設委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 1176
- S52.11.16質疑運輸委員会 4210
- S52.11.18参考人招致運輸委員会 589
- S52.11.22質疑運輸委員会 685
- S53.2.28質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案運輸委員会 389
- S53.3.2委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1042
参議院運輸委員会・運輸委員会、建設委員会、公害対策及び環境保全特別委員会連合審査会
- S53.3.23趣旨説明・質疑運輸委員会 3306
- S53.3.28質疑運輸委員会 4303
- S53.4.6質疑運輸委員会 5117
- S53.4.10質疑運輸委員会、建設委員会、公害対策及び環境保全特別委員会連合審査会 1158
- S53.4.11討論・附帯決議・採決運輸委員会 667
- S53.4.12附帯決議・委員長報告・討論・採決本会議 1536
提案理由
田村元 運輸大臣 昭和52年11月1日ただいま議題となりました特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
近年におけるわが国の航空の発展はまことに目覚ましく、いまや航空は、国際旅客輸送におきましてはもちろんのこと、国内の長距離旅客輸送におきましても重要な役割りを果たしており、その公共性はきわめて高いものであります。
ところで、最近における航空機のジェット化、大型化と運航回数の増加は、時間距離の短縮、旅客の大量輸送等輸送サービスを著しく向上させてまいりましたが、その反面、空港周辺に及ぼす航空機騒音の影響を著しく拡大させることとなりました。一方、空港周辺は一般的に空港と都心部との交通網が整備される等の要因により宅地化が進展する傾向にありますが、特に都市圏内にある空港周辺におきましては、このような傾向が顕著に見られるところであります。
このような事情から、特にジェット機が就航している空港の周辺におきましては、航空機騒音をめぐる地域住民との紛争が激化し、航空機騒音問題は、いまや深刻な社会問題となっております。
政府といたしましては、このような状況に対処し、航空機の騒音基準適合証明制度の確立等の発生源対策や、周辺への騒音の影響を減少させるための空港構造の改良対策を初め、住宅、学校、病院等の防音工事に対する助成、移転希望者に対する損失補償及び土地の買い入れ、緑地帯の整備等の空港周辺対策を積極的に進めてまいりました。
しかしながら、これらの発生源対策や空港構造の改良対策にはおのずから限界がありますし、助成措置を中心とする従来の空港周辺対策では、空港周辺において住宅の新たな建築が行われることを抑制することができず、航空機騒音問題の根本的な解決はきわめて困難な状況であります。
このような事態を解決するためには、昭和四十九年の参議院運輸委員会の決議においても指摘されているところでありますが、宅地化の進展が予想される空港周辺につきまして、健全な町づくりの一環として住宅等の建築を制限するとともに、生活環境施設、産業基盤施設等の施設の整備の促進のための措置等を講じ、航空機騒音による障害の防止に配意した土地利用を誘導促進することにより、航空機騒音による障害を防止し、あわせて適正かつ合理的な土地利用を図るための制度を確立する必要があります。
このため、航空審議会の同様の趣旨の答申をも尊重し、この法律案を提案いたしました次第でございます。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
本法律案は、第一に、その周辺について航空機の騒音により生ずる障害を防止し、あわせて適正かつ合理的な土地利用を図る必要があると認められる空港を政令で特定空港として指定することといたしており、この指定があれば、特定空港の設置者は、おおむね十年後における当該特定空港の周辺で航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域及び当該地域における航空機の騒音の程度等を示して、当該地域を管轄する都道府県知事に対し、特定空港の周辺について次に述べる航空機騒音対策基本方針を定めるべきことを要請しなければならないことといたしております。
第二に、都道府県知事は、特定空港の設置者の要請があったときは、特定空港の周辺について、航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区の位置及び区域に関する基本的事項、航空機騒音により生ずる障害の防止に配意した土地利用に関する基本的事項並びに航空機騒音障害防止施設、生活環境施設、産業基盤施設等の施設整備に関する基本的事項を内容とする航空機騒音対策基本方針を、関係市町村長、関係住民等の意見を聞いた上、運輸大臣及び建設大臣の同意を得て、策定するものといたしております。
第三に、都道府県知事は、特定空港の周辺で都市計画区域内の地域においては、航空機騒音対策基本方針に基づき、都市計画に航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区を定めることができることといたしております。
第四に、都市計画決定された航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区内においては、住宅等の建築については、必要最小限の制限を行うものといたしております。その制限の内容は、航空機騒音障害防止地区内において住宅等を建築する場合には、防音構造としなければならないこととし、航空機騒音障害防止特別地区内においては、都道府県知事が許可した場合を除き、住宅等の建築をしてはならないことといたしております。
第五に、このような航空機騒音障害防止特別地区内における住宅等の建築の禁止により通常生ずべき損失は、特定空港の設置者が補償しなければならないこととするとともに、住宅等の建築の禁止によって土地の利用に著しい支障を来すこととなる場合に、当該土地の所有者が当該土地を買い入れるべき旨を特定空港の設置者に申し出るときは、特定空港の設置者は、当該土地を時価で買い入れるものといたしております。
第六に、航空機騒音障害防止特別地区に現に所在している住宅等については、特定空港の設置者が、移転希望者に対し、移転補償及び土地の買い入れを行うことができることといたしております。
第七に、特定空港の設置者による地方公共団体に対する援助として、特定空港の設置者が買い入れた土地を地方公共団体が公園、広場等に利用するときは、無償で使用させることができることとするとともに、地方公共団体が航空機騒音対策基本方針に適合し、かつ、航空機騒音による障害の防止に資する施設の整備を行うときは、その整備に要する経費の一部を補助することができることといたしております。
第八に、国は、航空機騒音対策基本方針に適合する施設の整備を行う地方公共団体その他の者に対し、財政上及び金融上の援助に努めなければならないことといたしております。
以上が、この法律案を提出する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
第82回国会衆議院運輸委員会議録第2号1頁(昭和52年11月1日)〔田村元運輸大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一特定空港周辺の関係地方公共団体、住民代表等の関係者により航空機騒音対策等のための協議会を設置すること。
二先住者の住宅の改築等に対する本法による防音構造の義務づけについては、当該防音構造に係る経済的負担に対する助成を図ること。
政府は、本法の施行にあたり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一特定空港周辺の地方公共団体、住民代表等の関係者で構成される航空機騒音対策等のための協議会を設置すること。
二本法により防音構造が義務づけられることに伴う先住者の住宅に係る経済的負担については、軽減措置を講ずること。
三農業者等移転補償を受けて転出する者については、その生業維持のための必要な助成措置を講ずること。
四本法による改善命令及び罰則の運用については、善意の居住者等に不当な負担をかけないよう十分配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108201008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。