森林組合法案
参議院 農林水産委員会
昭和53年法律第36号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S53.3.17趣旨説明・補足説明農林水産委員会 3247
- S53.3.22質疑農林水産委員会 4222
- S53.4.5質疑農林水産委員会 9247
- S53.4.6質疑農林水産委員会 10329
- S53.4.11質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案農林水産委員会 12323
- S53.4.13委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 2243
参議院農林水産委員会
- S53.4.14趣旨説明・補足説明・衆議院修正部分趣旨説明・議案(衆議院修正部分)農林水産委員会 78
- S53.4.18質疑農林水産委員会 8218
- S53.4.20質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 9230
- S53.4.21附帯決議・委員長報告・採決本会議 1769
提案理由
中川一郎 農林大臣 昭和53年3月17日森林組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び改正内容を御説明申し上げます。
森林組合合併助成法は、適正な事業経営を行うことができる森林組合を広範に育成して森林所有者の協同組織の健全な発展に資するため、その合併についての援助等の措置を定めて、森林組合の合併の促進を図ることを目的として、昭和三十八年に制定されたものであります。
この法律につきましては、昭和四十九年に合併及び事業経営に関する計画の認定制度につき、その適用期限の延長が図られたところでありますが、その後における森林及び林業をめぐる諸情勢の変化に対処し、森林組合の事業経営基盤を一層強化する必要があることにかんがみ、昭和五十三年三月三十一日までとなっております現行の認定制度の適用期限をさらに五年間延長して、地域の実情に応じた森林組合の合併を引き続き促進することとした次第であります。
以上がこの法律案の提案の理由及び改正内容であります。
次に、森林組合法案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
わが国の森林、林業は、木材等の林産物の供給と国土の保全、水質源の涵養等を通じて、国民生活の向上に大きく貢献してきたところであります。
このような森林、林業の果たす役割りに対する国民的要請は、今後とも一層増大するものと思われるのでありますが、同時に、これまで林業の中核的担い手としての役割りを果たしてきた森林組合に対する期待も大きいと考えられるのであります。
現行の森林組合制度は、昭和二十六年に森林法中に規定され今日に至っておるのでありますが、最近における森林、林業をめぐる厳しい諸情勢を見ますとき、今後の森林組合制度のあり方は、一方において森林の保続培養と森林生産力の増進に努めるとともに、他方において林業の発展と林業従事者の地位の向上を図るものであることが要請されるのであります。
また、昭和四十九年の森林法等の一部改正に際し、森林組合の組織及び機能についての検討を加えること等を内容とする規定が国会修正によって附則に追加され、林野庁において学識経験者等による検討会を開催し審議を重ねた結果、単独法化すべきである等の結論を得たところであります。
このため、今回、森林組合制度を森林法から分離独立せしめ、その広範な役割りへの制度的対応を図るとともに、森林組合の事業及び管理運営体制につき一層の改善強化を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
まず、森林組合制度を森林法から分離独立し、森林組合法とすることに伴う規定の整備でありますが、森林組合、同連合会及び生産森林組合の事業、組合員または会員の資格、管理等につきまして、現行森林法中の森林組合制度に関する規定とおおむね同様の規定を設けております。
次に、森林組合制度の単独法化とあわせて、新たに制度の改善、充実を図ることとした主要な事項について御説明申し上げます。
第一は、林業に関する共済事業につきまして、従来福利厚生事業の一環として実施しておりましたものを、近年におけるその実施状況にかんがみ、被共済者の保護を図る等の見地からこれを明文化するとともに、他の協同組合に準じた監督規定を設けることといたしております。
第二は、近年における林業活動の停滞状況にかんがみ、森林組合による森林の受託施業、受託経営等の事業を一層推進するため、一体的に整備することが必要であると認められる一定の森林につきまして、員外利用制限を緩和することといたしております。
第三は、生産森林組合による森林の共同経営の一層の発展に資するため、事業範囲の拡大、総代会制の創設、行政監督の簡素化等の措置を講ずることといたしております。
第四は、森林組合及び同連合会の経営管理等につき適切な指導、教育を行うことを主な目的として、新たに森林組合連合会が会員の監査の事業を行うことができることとするとともに、当該事業に従事する者の資格を定めることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第84回国会衆議院農林水産委員会議録第3号3頁(昭和53年3月17日)〔中川一郎農林大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。森林組合法案に対する附帯決議(案)森林の有する各種の機能に対する国民の要請が従来にもまして増大している一方、森林及び林業をめぐる諸条件が急速に悪化し、このため国内の林業活動は停滞の度を深め、森林資源の維持培養並びに国内林業の振興にとつて極めて憂慮すべき状況となつている。よつて、この際政府は、森林組合制度の単独法化を契機として、森林組合が、このような状況の中で、地域における林業活動の中核的担い手として自らの体質を強化すると同時に、その充実した活動を通して課せられた役割を果たし得るよう左記事項について適切な措置を講ずべきである。記
一近年における木材需給の動向にかんがみ、国内森林資源の保続培養及び国産材の需要拡大のための措置を強化し、その活用についての試験研究の拡充等を図るとともに、的確な木材需給計画の樹立とこれに基づく外材の秩序ある輸入を図るなど木材需給の調整と木材価格の安定を図るための措置を講ずること。
二林業従事者の経営意欲をたかめ、地域林業の発展に資するため、造林、林道等の生産基盤の整備に対する国の補助及び融資の一層の強化を図るとともに農山村の環境整備に配慮した林業構造改善、山村振興等の諸施策の拡充に努めること。特に、分収造林の推進について必要な施策の強化を図ること。
三間伐の重要性にかんがみ、森林組合が行う間伐材の搬出・集出荷及び販売の事業に必要な施設等に対する助成並びに間伐材の計画生産を円滑に行うための間伐材安定流通対策の充実に努めるとともに需要拡大のための援助措置を講ずること。
四林業後継者の育成を図るため、地域社会との連けいを強化しつつ、指導体制の整備、後継者によるグループ活動の活発化、拠点となる施設の整備等の施策を充実すること。また、地域に即した林業技術の開発を図るため林業試験研究機関の強化拡充を図ること。
五森林災害共済事業の明定に伴い、この事業の健全かつ安定的な経営と共済加入者の保護を図るため、共済運営団体の強化、共済への加入拡大その他必要な措置を講ずるとともに森林国営保険との調整に留意しつつ、更に事故対象の拡大を図るなど森林災害による損失の合理的てん補制度の整備について検討すること。
六森林組合が林業活動の中核的担い手として造林、林産、販購買等の事業を実施し易い条件を整備し、また信用事業を行い得るための基本的条件の整備等について早急に検討を行うとともに森林組合等の活動に必要な資金については、制度金融はもとより農協等の系統資金の導入を図るほか、更にその円滑な確保について対処し得る方途について検討し、その実現に努めること。
七森林組合の作業班の活動分野の拡大に伴い、その育成強化、作業班員に対する社会保障制度の拡充及び雇用の安定等労働条件の向上について格段の努力をするとともに班員の福利厚生施設の増強に努めること。また、林業労働災害及び振動障害等職業病の発生防止のため適切な措置を講ずること。
八監査事業の実施に当たつては、森林組合の監事が行う自主監査、行政庁が実施する検査との相互補完に十分配慮し、地域の実態に即した森林組合の適切な活動の推進に努め、また、役職員の講習等を充実して、管理運営体制の強化を図ること。
九入会林野等の整備の促進に努めるとともに、整備の終了した当該林野の高度利用を図るため、農林業を一体とした施策の拡充を図ること。また、入会林野等の整備後の森林を基盤として設立される生産森林組合については、適正な経営面積の確保、円滑な事業運営等について森林組合との調和を図りながら指導に努めること。
十森林組合及び生産森林組合が総代会制を採用する場合には、特に慎重を期し、全組合員の意思が十分に反映されるよう指導すること。
わが国の林業は、木材需要の減少、価格の低迷、外材の圧迫などにより林業者の生産意欲が減退し、造林、間伐、伐採ともに停滞を続けており、このまま放置すれば林業の衰退だけでなく国土の荒廃を招くことにもなり、極めて憂慮すべき状況である。森林組合の健全なる発展は、林業生産活動の向上と、国、地方公共団体の林業施策の充実がなくては達成することができない。よつて政府は、森林組合制度の単独立法化を契機として、森林組合が真に協同組合的機能、公益的機能の充実を図り、地域林業活動の中核的担い手としての役割を果し得るよう次の事項の実現に努めるべきである。
一森林資源に関する基本計画及び重要林産物の需給の見通し、ならびに全国森林計画は、わが国林業の状況に照らして再検討するとともに、林業生産活動の拡大、森林資源の充実に努めること。
二近年における木材需要の動向にかんがみ、国内森林資源の保続培養と国産材の需要拡大のため、消費増進、流通改善、試験研究等の措置の充実に努めること。
三国産材をベースとした適格な木材需給計画を樹立し、行政指導を強化して外材の秩序ある輸入を図り、需給の調整と木材価格の安定のための積極的な対策を講ずること。
四造林不振の現状を克服するため、造林補助の強化、森林組合及び地方公共団体の造林事業拡大に必要な施策を行うこと。とくに、分収造林の推進に努めること。
五間伐の現況とその必要性にかんがみ、森林組合が行う間伐事業に必要な施設に対する助成、間伐材の用途開発、流通、価格安定など施策を講じ需要拡大に努めること。
六林業労働者の確保、雇用の安定、労働条件の改善、林業労働災害及び振動障害等職業病の発生防止について特段の措置を講ずること。また森林組合作業班の育成強化、退職金等社会保障制度の拡充、福利厚生施設の増強に努めること。
七林業後継者の育成を図るため、学習研究体制の整備、林業試験研究機関の強化、グループ活動の活発化、林業後継者養成資金の改善等の施策を充実すること。
八信用事業を行い得るような森林組合の体制の整備を図るとともに、信用事業についての調査検討を早急に進めること。
九病虫獣の被害の防止については、生活環境及び自然環境の保全に留意し、その対策を強化するとともに、森林保険の事故対象の拡大、共済加入の拡大、共済運営団体の強化、森林災害共済と国営保険との調整の検討を行い、共済加入者の保護と共済事業の健全な運営を図ること。
十教育指導事業をたかめるため、森林組合役職員の人材確保、技術向上等に必要な措置の充実に努めること。
十一生産森林組合の事業運営及び執行体制の強化を図り、かつ森林組合系統組織の一環としての総合力が発揮できるよう育成、指導するとともに、入会林野等の整備促進の対策を充実すること。
十二連合会の指導力をたかめ、監査事業の実施については、指導監査に重点をおき、森林組合の自主監査、行政庁の検査との相互補完に十分配慮するよう指導するとともに監査士の活動に必要な助成を行うこと。
十三森林組合及び生産森林組合が総代会制を採用する場合には、特に慎重を期し、全組合員の意志が十分に反映されるよう指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。