大規模地震対策特別措置法案
参議院 災害対策特別委員会
昭和53年法律第73号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院災害対策特別委員会
- S53.4.13趣旨説明・質疑災害対策特別委員会 860
- S53.4.18質疑災害対策特別委員会 9257
- S53.4.19参考人招致災害対策特別委員会 10137
- S53.4.20質疑災害対策特別委員会 11179
- S53.4.21質疑災害対策特別委員会 12217
- S53.4.25質疑災害対策特別委員会 13187
- S53.4.28討論・採決・附帯決議災害対策特別委員会 1422
- S53.5.9委員長報告・採決・附帯決議本会議 2977
参議院災害対策特別委員会
- S53.5.10趣旨説明・質疑災害対策特別委員会 6180
- S53.5.12質疑災害対策特別委員会 7262
- S53.6.2質疑・討論・採決・附帯決議災害対策特別委員会 10334
- S53.6.7附帯決議・委員長報告・採決本会議 2453
提案理由
櫻内義雄 建設大臣・国土庁長官 昭和53年4月13日ただいま議題となりました大規模地震対策特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、わが国は世界有数の地震国として幾多の大地震に見舞われ、多くのとうとい人命と財産が失われております。
このような地震災害から国土と国民を保護するため、政府といたしましては、災害対策基本法に基づき、防災基本計画を作成し、防災体制の確立、防災事業の促進等に努めてきたところであります。
この間において、地震の予知につきましては、最近の科学技術の進歩と調査研究の積み重ねにより、その水準も向上してきておりますが、この地震予知情報を有効に生かして、地震災害の防止、軽減を図るためには、大規模な地震が発生した場合に著しい被害の生ずるおそれのある地域を地震防災対策強化地域として指定し、地震観測体制の整備を図るとともに、地震予知がなされた場合において国及び関係地方公共団体その他の関係者が迅速かつ適切に地震防災応急対策を実施し得るよう、あらかじめ地震防災計画を作成する等地震防災に関する事項について特別の措置を定めることにより、地震防災対策の強化を図る必要があると考えられます。
以上がこの法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、内閣総理大臣は、大規模な地震が発生するおそれがあり、地震防災対策を強化する必要がある地域を、中央防災会議に諮問し、関係都道府県知事の意見を聞いた上で、地震防災対策強化地域として指定することとしております。
第二に、強化地域の指定が行われた場合には、国は、計画的に地震観測体制の充実強化を図るとともに、国、地方公共団体等は、中央防災会議が策定する地震防災基本計画に即して地震防災強化計画を作成し、警戒宣言が発せられた場合に講ずべき地震防災応急対策のほか避難地、避難路等の施設の整備、防災訓練の強化等について定めることとしております。また、不特定多数の人が出入りする施設その他地震防災上重要な施設の管理者等は、地震防災応急計画を作成しなければならないこととしております。
第三に、内閣総理大臣は、気象庁長官から強化地域において大規模な地震の発生のおそれがある旨の地震予知情報の報告を受けた場合に、地震防災応急対策を実施する緊急の必要があると認めるときは、閣議にかけて、警戒宣言を発するとともに、関係機関、都道府県知事等に対して地震防災応急対策を講ずべき旨を通知することとしております。
第四に、警戒宣言が発せられると、総理府に地震災害警戒本部を設置し、その本部長には内閣総理大臣が当たることとしております。
この本部長は関係行政機関、地方公共団体等が実施する地震防災応急対策について調整、指示をすることができるほか、これらの地震防災応急対策を支援するため自衛隊の派遣を防衛庁長官に要請できることとしております。さらに関係地方公共団体におきましても地震災害警戒本部を設置し、地震防災応急対策等の実施とその連絡調整等を行うこととしております。
第五に、内閣総理大臣から通知を受けた関係地方公共団体は、その情報を関係者に伝え、避難の指示等必要な措置をとることとするとともに、地震防災応急計画を定めた管理者等は、それぞれ地震防災応急対策をとらなければならないこととしております。これらの管理者等が計画どおりに対策を実施しなかった場合には、市町村長等は、所要の要請、勧告、指示を行い得ることとしております。さらに、一般住民も市町村長等の行う地震防災応急対策に協力するよう定めております。
第六に、以上のほか、避難等を円滑に行うための交通規制等地震防災応急対策を円滑に実施するために必要な措置、平素における地震防災訓練の実施、地震防災強化計画に基づく事業に対する財政援助等所要の措置につき規定いたしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
—————————————
第84回国会衆議院災害対策特別委員会議録第8号1頁(昭和53年4月13日)〔櫻内義雄建設大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、地震防災対策等の一層の充実強化を図るため、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
一地震予知のための観測、研究を効果的に推進するため、可及的速やかに地震予知推進体制の一元化を図るよう特段の努力をはらうこと及び地震対策に関する行政体制の強化に努めること。
二強化地域における地震予知のための常時観測の実施、測量の強化、その成果の計画的集中等に万全を期すること及び全国的な観測網の整備、測量の強化等に特段の努力をはらうこと。
三強化地域の指定は、東海地域について早急に指定作業を進めるとともに南関東をはじめその他の地域についても検討を進めること。
四大都市地域における建築物の不燃化促進等耐震環境の整備の推進並びに原子炉、放射性物質等危険物及び石油コンビナートに対する安全の確保に努めること。
五避難路、避難地、消防用施設、備蓄等地震防災緊急整備事業の計画的推進を図るため、関係地方公共団体に対する特別な財政措置を講ずること。
六警戒宣言を発するにあたっては、事態の緊急性にかんがみ、迅速な手続の確保に留意するとともに、情報の伝達体制を整備し、正確かつ迅速な情報伝達が行われるよう、その内容、形式等について予め地域住民に徹底を図ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、地震対策に遺憾なきを期すべきである。
一地震予知に関する観測、測量、研究のための予算及び人員の拡充等地震予知推進体制を整備するとともに、地震防災及び震災対策に関する総合的かつ機能的な行政体制の早期確立に努めること。
二公共施設の総点検をはじめ建築物の不燃堅牢化等、耐震環境の計画的整備を推進し、とくに避難地、避難路、消防用施設等地震防災緊急施策の早期実現を図るため、関係地方公共団体に対する財政上の措置を講ずること。
三強化地域の指定は、東海地域について早急に指定作業を進めるとともに、南関東をはじめその他の地域についても、検討を進めること。
四強化地域の指定に当たつては、予め地震防災に関し対象地域住民の理解と協力を得るより努めるとともに、当該地域の効果的な地震予知を推進するため、観測、測量の強化、資料の統一的管理等、その体制の整備に努めること。
五地震防災計画の策定に当たつては、基本計画を中心に強化計画、応急計画の一体性を保つよう指導するとともに、各機関、各企業の防災応急対策が円滑かつ的確に実施されるよう、応急計画の整合性の確保に留意すること。
六警戒宣言を発するに当たつては、迅速な手続の確保に努めるとともに、情報の伝達体制を整備し、正確かつ迅速な情報伝達が行われるよう、その内容、形式等について予め地域住民に徹底を図ること。
七国民の防災意識の高揚を図るため、地震予知、震災に関する知識の普及、とくに防災訓練及び自主的な防災活動の推進に努め、震災時における社会的混乱を回避すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401073)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。