大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
昭和53年法律第105号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S53.10.3趣旨説明商工委員会 24
- S53.10.13質疑商工委員会 3363
- S53.10.16質疑商工委員会 4179
- S53.10.17修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案商工委員会 5104
- S53.10.18委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 834
参議院商工委員会
- S53.10.19趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・補足説明・質疑・採決・附帯決議商工委員会 2304
- S53.10.20委員長報告・採決本会議 755
- S54.1.30附帯決議本会議 1
提案理由
河本敏夫 通商産業大臣 昭和53年10月3日大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが国の小売商業は、事業所数で約百六十万、就業者数で約五百六十万人とわが国経済の中で大きな比重を占めておりますが、その大部分はきわめて零細であり、百貨店、スーパー、ショッピングセンター等の大型店の進出によって著しい影響を受ける場合が少なくありません。
特に、最近における経済の安定成長への基調変化の中にありまして、大型店の出店が増加している一方、いわゆる中型店をめぐる紛争も増加する傾向にあります。
このような状況にかんがみまして、国会においても小売商業調整制度のあり方について、その抜本的対策を講ずるよう特別決議がなされたところであります。さらに、中小企業政策審議会と産業構造審議会との合同小委員会におきまして今後の小売商業政策のあり方につきまして検討が行われ、本年四月に意見具申がなされたところであります。
本法案は、この意見具申の示した方向に沿って、関係者の意見をも徴しながら作成したものであり、第一に大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部改正、第二に小売商業調整特別措置法の一部改正をその内容とするものであります。
次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、第一条は大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、いわゆる大店法の改正であります。
その一は、調整対象面積の引き下げを行うことであります。現行の大店法の調整対象となる大規模小売店舗は、千五百平方メートル以上、十大都市にあっては三千平方メートル以上になっておりますが、最近の小売業をめぐる紛争の実態に適切に対処するため、これを五百平方メートルを超えるものにまで引き下げることといたしております。
その二は、大規模小売店舗の調整問題について都道府県知事の関与を強めたことであります。すなわち、千五百平方メートル未満、十大都市にあっては三千平方メートル未満で、五百平方メートルを超える範囲の店舗につきましては、その調整の権限を都道府県知事に委任することといたしております。また、通商産業大臣が調整に当たる千五百平方メートル以上の店舗につきましても、これについての届け出を都道府県知事を経由して行わせることとし、その際都道府県知事は、通商産業大臣に対して意見を申し出ることができることとする等国の商業調整に際しても地域の意向が十分反映できるよう配慮いたしております。
その三は、店舗面積に係る調整措置の強化であります。本法の調整対象となる店舗面積が引き下げられる結果、通商産業大臣の調整に係る店舗を含めて、一の建物の店舗面積が全体として五百平方メートルになるまで勧告、命令が可能となるとともに、大規模小売店舗に入居する個々の小売業者に対して必要に応じて厳しい調整措置を講ずることができることを明確にするため所要の改正を行うことといたしております。
その四は、調整期間の延長等に関するものであります。最近における調整期間の長期化等にかんがみ、届け出から勧告までの期間を、現行の三カ月から四カ月に改めるとともに、必要に応じてさらに二カ月の範囲内で延長できることとし、他方、特に問題のない案件については勧告期間の短縮を行い得ることといたしております。
その他これらの改正に伴う所要の改正を行うことといたしております。
第二条は、小売商業調整特別措置法の改正であります。
その一は、小売市場に関する規定の改正であります。すでに述べましたように、大店法の調整対象面積を五百平方メートルにまで大幅に引き下げることに伴い、小売市場に関する商業調整問題は、事実上これによって対処できることとなりますので、小売市場に関する規制は、その店舗に入居する零細小売商の保護の観点からのものに改めることといたしております。すなわち、小売市場開設者に対し、その貸付契約または譲渡契約を締結または変更するに際してあらかじめ貸付条件等を都道府県知事に届け出させることとするとともに、都道府県知事は、その貸付条件等が一定の基準に適合せず小売商の経営の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるときは、その変更を勧告することができることとし、勧告に従わないときは、その旨を公表できることといたしております。
なお、小売市場に入居する零細小売商の保護の趣旨を明確にするため、小売市場の実態に即した定義の改正を行うこととしております。
その二は、大企業者による特定物品販売事業の開始または拡大についての調査及び調整に関する諸規定についてでございます。これにつきましては、大店法の改正により調整の対象となる店舗面積を大幅に引き下げることにより特定物品販売事業についての諸規定の趣旨が実質的に取り込まれることとなりましたので、これらの規定を削除することといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
第85回国会衆議院商工委員会議録第2号1頁(昭和53年10月3日)〔河本敏夫通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一本法の重要性にかんがみ、改正点の趣旨を関係方面に周知徹底すること。
二中小小売業の事業活動の機会が適正に確保されるよう、物品の販売事業を行う各種協同組合の活動についても、各協同組合法の趣旨に則り、所要の改善が行われるよう措置すること。
三本法が施行されるまでの間、大規模小売店舗の駆込み的な新増設が行われることのないよう指導すること。
政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一本法の重要性にかんがみ、改正点の趣旨を関係方面に周知徹底すること。
二中小小売業の箏業活動の機会が適正に確保されるよう、物品の皈売事業を行う各種協同組合の活動についても、各協同組合法の趣旨に則り、所要の改善が行われるよう指導すること。
三本法が施行されるまでの間、大規模小売店舗の駆込み的な新増設が行われることのないよう指導すること。
四大規模小売店舗における小売業者の営業開始後の商品構成の大幅な変更により生じた紛争については、小売商業調整特別措置法の運用等により適切に対処するよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401082)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。