特定不況地域離職者臨時措置法案
参議院 社会労働委員会
昭和53年法律第107号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S53.10.6趣旨説明社会労働委員会 111
- S53.10.13質疑社会労働委員会 2369
- S53.10.17質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 3338
- S53.10.18委員長報告・採決・附帯決議本会議 834
参議院社会労働委員会
- S53.10.19趣旨説明・質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 2258
- S53.10.20採決・委員長報告本会議 755
- S54.1.30附帯決議本会議 1
提案理由
藤井勝志 労働大臣 昭和53年10月6日ただいま議題となりました特定不況地域離職者臨時措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
わが国におきましては、景気は緩やかながら回復の兆しが見られますが、雇用失業情勢は依然として厳しい状況が続いております。
しかも、いわゆる構造不況業種の問題が特定の地域に集中的な影響を及ぼしており、その地域全体が疲弊するとともに、一時に多数の離職者が発生すること等により深刻な雇用問題を招くに至っております。
このような深刻な雇用問題を招いている特定不況地域については、企業の経営の安定を図るための措置等と相まって、特定不況地域離職者等の職業及び生活の安定を図るための特別の措置を講ずることが当面の緊急課題となっております。
政府といたしましては、このような背景のもとに、特定不況地域において失業の予防、離職者の再就職の促進等のための特別の措置を講ずること等について関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案いたした次第であります。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、特定不況地域とは、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に基づき政令で指定された市町村の区域及びその近隣の地域のうち、この法律で定める特別の措置を講ずる必要がある地域として、労働大臣が指定する地域を言うこと等、必要な定義をすることとしております。
第二に、失業の予防、再就職の促進等に関する国、地方公共団体及び事業主等の責務を明らかにすることとしております。
第三に、国及び雇用促進事業団は、特定不況地域離職者の再就職を容易にするため、必要な職業訓練を迅速かつ効果的に実施するよう特別の措置を講ずることとし、国は、都道府県が同様の措置を講ずることを奨励するために必要な措置を講ずるよう努めることとしております。
第四に、公共職業安定所は、特定不況地域離職者について、求人の開拓、職業指導の実施及び就職のあっせんを行う等必要な措置を講ずることとしております。
第五に、四十歳以上の特定不況地域離職者であって、雇用保険または船員保険の受給資格者である者のうち、一定の要件に該当するものについては、九十日の延長給付を支給することができることとしております。
第六に、特定不況地域については、指定業種以外の事業主に対しても雇用安定資金制度を全面的に適用すること、特定不況地域離職者の雇い入れを促進するための特別の措置を講ずること等雇用安定資金制度等の特例を設けることとしております。
第七に、特定不況地域において国、地方公共団体等が計画実施する公共事業に関する特定不況地域離職者の吸収率制度を設けることとしております。
第八に、雇用保険の延長給付に要する費用等に充てるため、保険料率を労使それぞれ千分の〇・五ずつ引き上げることとしております。
第九に、中央職業安定審議会への諮問に関する規定その他所要の規定を整備することとしております。
なお、この法律案は、公布の日から施行し、昭和五十八年六月三十日までに廃止することとしておりますが、雇用保険の保険料率の引き上げに関する部分は、昭和五十四年四月一日から施行することとしております。
以上、特定不況地域離職者臨時措置法案の提案理由及びその内容の概要につきまして、御説明申し上げました。何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第85回国会衆議院社会労働委員会議録第1号5頁(昭和53年10月6日)〔藤井勝志労働大臣発言・発言番号9〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一特定不況地域の指定については、雇用情勢の急激に悪化している地域に施策の効果が及ぶよう、関係省庁間の連携を密にし、かつ、関係地方公共団体の意見を尊重して、弾力的に行うこと。
一特定不況地域離職者に対する援護措置については、特定不況業種離職者等の援護措置との均衡を考慮して、今後引き続きその内容の充実に努め、あわせて雇用保険被保険者以外の新たな求職者についても配慮すること。
一雇用保険及び船員保険の延長給付については、関係者に対し、その趣旨の徹底を図ること。また、公共事業における特定不況地域離職者の吸収率の確保に万全を期すること。
一公共職業訓練施設の充実強化のほか、専修学校、各種学校、事業内職業訓練施設の活用に努めるとともに、失業者特に中高年齢離職者が早期に再就職できるよう、訓練職種、設備、指導員等について配慮する等実情に即応した職業訓練態勢の確立を図ること。
一最近における深刻な雇用失業情勢に対処し、雇用安定資金制度の周知と活用に努める等現行諸制度の一層の弾力的、効率的運用により失業の予防、再就職の促進等に万全を期すること。
一今後引き続き予想される内外の経済事情の著しい変化と厳しい雇用情勢に対処し、雇用の維持、拡大を図るため、新しい雇用対策基本計画を策定する等、より包括的、体系的な施策の検討を早急に進めること。
一雇用失業対策の実効ある運営を図るため、定員増を含め、行政の実施体制を充実強化すること。
政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一特定不況地域の指定に当つては、全国的に雇用指標を調査、整備し、雇用情勢の急激に悪化している地域に施策の効果が及ぶよう、関係省庁間の連携を密にし、かつ、関係地方公共団体の意見を尊重して、弾力的に行うこと。
二特定不況地域離職者に対する援護措置については、特定不況業種離職者等の援護措置との均衡を考慮して、今後引き続きその内容の充実に努め、あわせて雇用保険被保険者以外の新たな求職者についても配慮すること。
三失業の予防、再就職の促進に万全を期するため、雇用安定資金制度等現行諸制度を一層弾力的、効率的に運用するとともに、公共職業訓練施設の充実強化、民間各種職業訓練施設の活用等に努め、実情に即応した職業訓練態勢の確立を図ること。
四今後引き続き予想される内外の経済事情の著しい変化と厳しい雇用情勢に対処し、雇用の維持拡大を図るため、新しい雇用対策基本計画及び職業訓練基本計画を策定するとともに、雇用保険制度についても、今後の実情に対応させるための方策を検討し、より包括的、体系的な施策を早急に進めること。
五雇用失業対策の実効ある運営を図るため、定員増を含め、行政の実施体制を充実強化すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108501010)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。