林業等振興資金融通暫定措置法案
参議院 農林水産委員会
昭和54年法律第51号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S54.3.1趣旨説明・補足説明農林水産委員会 48
- S54.4.24質疑農林水産委員会 8233
- S54.4.25質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 9226
- S54.4.26委員長報告・採決・附帯決議本会議 2140
参議院農林水産委員会
- S54.5.8趣旨説明・補足説明・質疑農林水産委員会 9271
- S54.5.24質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 10255
- S54.5.30附帯決議・委員長報告・採決本会議 1553
提案理由
藍原義邦 政府委員(林野庁長官) 昭和54年3月1日林業等振興資金融通暫定措置法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
本法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。
第一に、農林水産大臣が定める基本方針についてでありますが、これは第二条に規定いたしております。基本方針におきましては、林業の発展と国内産木材の製造業及び卸売業の発展が密接に関連していることにかんがみ、造林から木材の生産及び流通に至る各段階の合理化を一体的に推進することを旨として、定めることといたしております。
なお、農林水産大臣は、基本方針を定めようとするときは、林政審議会の意見を聞かなければならないことといたしております。
第二に、林業経営改善のための措置についてでありますが、これは第三条及び第四条に規定いたしております。まず、林業を営む者は、林業経営を改善するためにとるべき措置等を記載した林業経営改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。
この認定を受けた者に対して、農林漁業金融公庫が造林資金または林道資金の貸し付けを行う場合における貸付金の償還期限及び据え置き期間は、農林漁業金融公庫法の規定にかかわらず、造林資金にあってはそれぞれ四十五年以内及び二十五年以内において、林道資金にあってはそれぞれ二十五年以内及び七年以内において農林漁業金融公庫が定めるものといたしております。
第三に、国内産木材の生産、流通の合理化のための措置についてでありますが、これは第五条及び第六条に規定いたしております。まず、都道府県知事は、森林組合または素材生産業者、木材製造業者、木材卸売業者もしくは木材市場開設者の組織する団体等の申請に基づき、これらの者の作成する国内産木材の生産、流通の合理化を図るためにとるべき措置等を記載した合理化計画の認定をすることができることといたしております。
この認定を受けた者が国内産木材の生産、流通の合理化を図るためにとるべき措置を実施するのに必要な資金を調達する場合にこれを円滑にするために必要な資金の供給の事業を行う都道府県に対し、林業信用基金は、当該事業に必要な資金を貸し付けることができることといたしております。
また、林業信用基金は、林業信用基金に出資している森林組合、木材卸売業者等で合理化計画の認定を受けたものが、国内産木材の生産、流通の合理化を図るためにとるべき措置を実施するのに必要な資金を融資機関から借り入れることにより負担する債務を保証することができることといたしております。
第四に、林業信用基金の業務の特例に伴う所要の規定の整備についてでありますが、これは第七条に規定いたしております。すなわち、都道府県に対する資金の貸し付けの業務についての区分経理、都道府県に対する資金の貸し付けに必要な資金の一部に充てるための長期借入金及びこれに係る債務についての政府保証並びに都道府県に対する資金の貸し付けの業務に要する経費の一部補助に関する規定を設けることといたしております。
このほか、林業信用基金から資金の貸し付けを受けて事業を行う都道府県は、その経理を林業改善資金助成法の規定により設置する特別会計においてあわせて行うことができることといたしております。
最後に、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。
第87回国会衆議院農林水産委員会議録第4号2頁(昭和54年3月1日)〔藍原義邦政府委員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。林業等振興資金融通暫定措置法案に対する附帯決議(案)最近における森林・林業をめぐる諸情勢は、極めて厳しく、このため、国内林業及びその関連産業の生産活動は著しく停滞の度合を深めており、このような動きのまま推移すれば、将来の森林資源の整備充実に重大な影響を及ぼすことになる。よって政府は、今日の事態を深刻に受けとめ、早急に打開策を講ずることが必要であり当面左記の事項の実現に努めるべきである。記
一「森林資源に関する基本計画及び林産物の需給に関する長期の見通し」については、海外の森林資源事情及び世界の木材需給動向並びに我が国の自給力等を的確に予測して、長期間の我が国森林・林業の指針たり得るよう早急に改定し、これに即して諸施策の整備充実を図ること。
二木材の需給及び価格の安定による我が国林業の安定的な発展を期するため、木材の価格・需給動向の的確な把握とこれに即した指導の強化等を通じ外材の秩序ある輸入を図ること。なお、外材輸入については数量及び価格に対する調整措置を講ずるよう引き続き検討をすすめること。
三国内産木材の需要を拡大するため、在来工法による木造住宅の建設の促進等に関する各種施策の充実強化を図ること。
四本法の運用に当たつては、中小・零細林家及び事業者に十分配慮するとともに、経営改善計画及び合理化計画の認定についても、その手続きの円滑な処理を図るほか、低利融資制度については、資金需要の動向等に応じ所要の資金枠の確保等に努めること。
五林業者等の資本装備の高度化と林業経営の近代化を促進し、その健全な発展に資するため、制度金融の改善充実を図るとともに、農協等の系統資金の導入についても、円滑に図り得る方途を検討し、その早期実現に努めること。
六我が国林業の生産性の向上及び生産活動の活発化を図るため、林道網の整備、造林の推進、保育・間伐の適切な実施及び間伐材の有効利用等について助成の強化に努めること。
七山村地域における林業の担い手を確保するため、計画的な森林施業の実施を主体とし、特用林産物の生産・加工及びその他地域の産業との組合せ等によつて雇用の安定と労働条件の改善に努めるとともに、生活環境の改善など山村地域の振興対策を積極的に進めること。
八林業労働における振動障害、腰痛等職業病の発生防止並びに治療方法の改善開発及び治療施設の充実について、特段の措置を講ずること。
九松くい虫の発生状況にかんがみ、特別防除の適切な実施、被害木の伐倒駆除の強化拡充、被害地の樹種の転換、抵抗性品種の導入など地域の実情に即した総合的な松くい虫防除対策を講ずること。
十国有林野事業については、経営改善を計画的に進めるとともに、民有林の振興に関する助成措置を勘案し、所要の財政措置の拡充に努め、不成績造林地の解消を含む造林内容の充実、林道開設等の生産基盤の着実な整備を図ること。また、国土保全、水資源のかん養、保健休養等森林のもつ公益的機能の発揮に特に努めること。
最近における極めて厳しい森林・林業をめぐる諸情勢により、国内林業関係の生産活動は、著しく停滞しており、将来の森林資源の充実培養上憂慮すべき事態になっている。また、本法の有効な運用を図るには、関連施策を総合的に推進しなければならない。よって政府は、さし当たり次の事項の実現に努めるべきである。
一国際的及び国内的諸情勢を的確に把握して「森林資源に関する基本計画及び重要な林産物の需給に関する長期の見通し」をすみやかに改定し、計画実施に必要な関係諸施策の強化充実に努めること。
二林道及び造林等の林業生産基盤の整備をさらに積極的に推進するとともに、造林後の保育及び間伐等の適切な実施を図り、間伐材の利用を促進するため助成を強化すること。
三森林施業を計画的に実施し、特用林産物関係その他地域の事業との就労の組合せ等を推進して雇用の安定と労働条件の改善に努めるとともに、生活環境の改善も含めた山村振興対策を一層すすめ、さらに森林組合の充実強化を図る等により、林業の担い手の確保に資すること。また、林業労働力における職業病の発生の防止、治療法の開発改善及び治療施設の充実を図ること。
四木材の価格及び需給の動向を迅速的確に把握して、これに即した指導を充実する等により、外材の秩序ある輸入を期するとともに、外材輸入の数量及び価格の調整措置の実施につき引き続き検討すること。
五在来工法による木造住宅の建築方法及び流通の合理化等の施策を充実強化して、国内産木材の需要の拡大を図ること。
六本法の運用については、中小・零細林家及び事業者の利便に留意し、計画の認定、貸出等の手続の円滑を期するとともに、資金需要の動向に応じた資金枠の確保等その円滑な実施を図ること。
七林業に関する制度金融の充実改善に努めるとともに、農協等の系統資金の円滑な導入の方途を検討する等林業金融の充実強化を期すること。
八松くい虫の被害が激増したことにかんがみ、その総合的な防除対策を積極的かつ迅速に実施するとともに、野生鳥獣による被害の実態に対応して適切な措置を講ずること。
九わが国の国民生活の向上及び国民経済の発展によりますます重要となっている国土保全、水資源のかん養、保健休養等の森林の有する公益的機能を保持増進するよう所要の措置を講ずること。
十国有林野事業について、国有林野事業改善特別措置法による改善措置を確実に実施するよう努めるとともに、財政措置に関しても民有林に対する助成を勘案して拡充を図ること。また、不成績造林地の解消を含む確実的確な造林の実行、林道の開設等生産基盤整備の充実を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108701032)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。