犯罪被害者等給付金支給法案
参議院 地方行政委員会
昭和55年法律第36号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会・地方行政委員会法務委員会連合審査会
- S55.2.19趣旨説明地方行政委員会 413
- S55.3.25質疑地方行政委員会 9227
- S55.3.26質疑地方行政委員会法務委員会連合審査会 1194
- S55.3.27質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議地方行政委員会 1069
- S55.3.28採決・委員長報告・附帯決議本会議 1427
参議院地方行政委員会
- S55.4.15趣旨説明地方行政委員会 67
- S55.4.22質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案地方行政委員会 7189
- S55.4.23附帯決議・採決・委員長報告本会議 1070
提案理由
後藤田正晴 自治大臣・国家公安委員長・北海道開発庁長官 昭和55年2月19日ただいま議題となりました犯罪被害者等給付金支給法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
この法案は、人の生命または身体を害する犯罪行為により、不慮の死を遂げた者の遺族または重障害を受けた者に対し、国が犯罪被害者等給付金を支給するため、犯罪被害者等給付金の支給要件、犯罪被害者等給付金の額、都道府県公安委員会の裁定等犯罪被害者等給付金の支給に関し所要の事項を定めることをその内容といたしております。
以下、その概要を御説明いたします。
第一は、犯罪被害者等給付金の支給対象についてでありますが、人の生命または身体を害する罪に当たる故意の行為による死亡または重障害を受けた者があるときは、被害者または遺族に対して犯罪被害者等給付金を支給することとしております。
第二は、犯罪被害者等給付金の種類等についてでございますが、犯罪被害者等給付金は、一時金とし、その種類は、遺族給付金及び障害給付金とするとともに、遺族給付金の支給を受けることができる遺族の範囲及び順位について規定することといたしております。
第三は、犯罪被害者等給付金を支給しないことができる場合等についてでございますが、被害者と加害者との間に親族関係がある場合、犯罪被害の発生につき被害者にも責めに帰すべき行為があった場合等は、国家公安委員会規則で定めるところにより犯罪被害者等給付金の全部または一部を支給しないことができることとしております。
また、労働者災害補償保険法その他の法令による公的給付等を受けるべき場合及び損害賠償を受けている場合の犯罪被害者等給付金の支給の除外について規定するとともに、国は、犯罪被害者等給付金を支給したときは、その額の限度において、その支給を受けた者が有する損害賠償請求権を取得することとしております。
第四は、犯罪被害者等給付金の額についてでございますが、これは、政令で定めるところにより算定する給付基礎額に、遺族給付金にあっては遺族の生計維持の状況を勘案し、障害給付金にあっては障害の程度を基準としてそれぞれ政令で定める倍数を乗じて得た額とすることとしております。
第五は、犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利の裁定等についてでありますが、裁定は、申請に基づき都道府県公安委員会が行うものとし、また、犯罪被害に係る事実関係に関し、速やかに裁定を行うことができない事情がある場合に、政令で定める額の範囲内において仮給付金を支給することができることとするほか、裁定のための調査等の規定を整備いたしております。
その他犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利の保護に関する規定、不服申し立てと訴訟との関係についての規定その他所要の規定を整備いたしております。
最後に、この法律は、昭和五十六年一月一日から施行し、施行後に行われた犯罪行為による死亡または重障害について適用することといたしております。
以上が、この法案の提案理由及びその内容の概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同を賜らんことを切にお願いを申し上げます。
第91回国会衆議院地方行政委員会議録第4号1頁(昭和55年2月19日)〔後藤田正晴自治大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項に留意すべきである。
一犯罪被害者等給付金の給付水準については、被害者等の実情に即し、また他の諸制度との均衡、物価水準の変動等をも参酌し、所要の改善が図られるよう配慮すること。
二給付金の裁定に当たっては、被害者等の捜査協力の有無等刑事手続上における事由によって影響を受けることのないように配慮すること。
三公安委員会の裁定のための調査に当たっては、公正を保つよう配慮するとともに、国家公安委員会に置く専門委員の構成については、刑事学、社会学、犯罪捜査実務等の専門家を加えるなど公正な調査審議が行われるよう配慮すること。
四被害者の帰責事由、申請手続等政令及び国家公安委員会規則で定めることとなっている事項については、被害者等の救済の趣旨が全うされるよう十分に留意すること。
五本法施行前に犯罪被害を受けた者及びその遺族の救済については、別途、被害者の扶養に係る児童・生徒に対する奨学金制度の実現などにつき検討すること。
六被害対象等についての国会論議をふまえ、本法施行後の運用実態を分析・研究し、その検討に資すること。
政府は、本法施行に当たり、当委員会の審議の経過をふまえ、次の事項に留意すべきである。
一犯罪被害者等給付金の給付水準については、被害者等の実情に即し、また他の諸制度との均衡、物価水準の変動等をも参酌し、所要の改善が図られるよう配慮すること。
二給付金の裁定に当たっては、被害者等の捜査協力の有無等刑事手続上における事由によって影響を受けることのないように配慮すること。
三公安委員会の裁定のための調査に当たっては、公正を保つよう配慮するとともに、国家公安委員会に置く専門委員の構成については、刑事学、社会学、犯罪捜査実務等の専門家を加えるなど公正な調査審議が行われるよう配慮すること。
四被害者の帰責事由、申請手続等政令及び国家公安委員会規則で定めることとなっている事項については、被害者等の救済の趣旨が全うされるよう十分に留意すること。
五本法施行前に犯罪被害を受けた者及びその遺族に対しては、別途、奨学金制度、重障害者見舞金などの救済措置について、実現に努めること。
六被害対象等については、本法施行後の運用実態を分析・研究し、その検討に資すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109101018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。