戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和55年法律第17号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S55.2.21趣旨説明社会労働委員会 2396
- S55.3.6質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 4242
- S55.3.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 960
参議院社会労働委員会
- S55.3.25趣旨説明・質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 4194
- S55.3.31附帯決議・委員長報告・採決本会議 888
提案理由
野呂恭一 厚生大臣 昭和55年2月21日ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるほか、障害年金、遺族年金、戦没者の父母等に対する特別給付金の支給対象範囲を拡大するなど一層の改善を図ることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。
以下この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。
改正の第一点は、障害年金、遺族年金等の額を恩給法に準じて引き上げるものであります。
改正の第二点は、障害年金の支給対象の範囲を拡大し、勤務に関連して負傷し、または疾病にかかり、爾後重症により、一定時点以後に第五款症以上の障害者になった軍人、軍属または準軍属であった者に対し、障害年金を支給するものであります。
改正の第三点は、遺族年金、遺族給与金の支給対象範囲を拡大し、勤務に関連して負傷し、または疾病にかかり、一定期間内に他の疾病を併発して死亡した軍人、軍属または準軍属の遺族に対し、遺族年金または遺族給与金を支給するものであります。
第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正であります。
これは、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を遺族年金に準じて引き上げるものであります。
第三は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。
これは、昭和五十四年の遺族援護法の改正により遺族年金等を受ける権利を有するに至った戦没者の妻に、特別給付金を支給するものであります。
第四は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正することであります。
これは、昭和五十四年の遺族援護法の改正により遺族年金等を受ける権利を有するに至った戦没者の父母等及び戦没者の死亡後他の子や孫が改氏婚したこと等により戦没者の戸籍抹消時点に他に氏を同じくする子や孫がいない戦没者の父母等に、特別給付金を支給するものであります。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
第91回国会衆議院社会労働委員会議録第2号13頁(昭和55年2月21日)〔野呂恭一厚生大臣発言・発言番号104〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項につき、格段の努力を払うべきである。
一国民の生活水準の向上等に見合って、今後とも援護の水準を引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。なお、戦没者遺族等の老齢化の現状及び生活の実態にかんがみ、一層の優遇措置を講ずるとともに、援護の水準の引上げに伴って被用者医療保険における被扶養者の取り扱いが不利にならないよう配慮すること。
二戦地勤務に服した陸海軍看護婦の当時の実情にかんがみ、日赤従軍看護婦に比し不利とならないよう必要な措置をとるよう検討すること。
三次の組織及び活動状況等について明確にするとともに、公平適切な措置をとり得るよう検討すること。(1) 第二次大戦末期における閣議決定に基づく国民義勇隊及び国民義勇戦闘隊(2) 公共防空に関する警防団
四満州開拓青年義勇隊開拓団について関係者と連絡を密にし、一層資料の収集に努め、問題解決のため努力すること。
五戦没者遺族等の高齢化が進んでいる現状にかんがみ、これら遺族の心情に十分に配慮し、海外旧戦域における遺骨収集、慰霊巡拝等については、更に積極的に推進すること。なお、関係者の多年の願望であった中国の慰霊巡拝については、大平、華会談の合意に基づき、早急に実現するよう格段の努力をすること。
六生存未帰還者の調査については、引き続き関係方面との連絡を密にし、調査及び帰還の促進に万全を期すこと。なお、中国からの引揚者が一日も早く日本社会に復帰できるよう関係各省及び地方自治体が一体となってその対策に遺憾なきを期すこと。
七原子爆弾による放射能、爆風、熱線等の傷害作用に起因する傷害、疾病を有する者に対する障害年金の支給及び死亡者の遺族に対する弔慰金、遺族年金等の支給に当たっては、現行援護法の適用につき遺憾なきを期すこと。
八交通手段としての航空機利用の増加にかんがみ、戦傷病者が航空機を利用する場合における利便供与の方法等について積極的に検討すること。
九法律の内容について必要な広報等に努める等更にその周知徹底を図るとともに、相談体制の強化、裁定等の事務の迅速化に更に努めること。
政府は、次の事項につき、速やかに格段の努力を払うべきである。
一一般戦災者に対し、戦時災害によつて身体に障害を受けた者及び死亡した者に関する援護の検討を目途としてその実態調査を実施すること。
二戦没者遺族等の老齢化の現状及び生活の実態にかんがみ、国民の生活水準の向上等にみあつて、今後とも援護の水準を引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。
三戦地勤務に服した陸海軍看護婦の当時の実情にかんがみ、日赤従軍看護婦に比し不利とならないよう必要な措置をとるよう検討すること。
四満洲開拓青年義勇隊開拓団について関係者と連絡を密にし、一層資料の収集に努め、問題解決のため努力すること。
五戦没者遺族等の老齢化の現状にかんがみ、中国における慰霊巡拝の実現を含めて海外旧戦域における遺骨収集、慰霊巡拝等について、更に積極的に推進すること。
六生存未帰還者の調査については、引き続き関係方面との連絡を密にし、調査及び帰還の促進に万全を期するとともに、中国からの引揚者が一日も早く日本社会に復帰できるよう関係各省及び地方自治体が一体となつてその対策に遺憾なきを期すこと。
七法律の内容について必要な広報等に努める等更にその周知徹底を図るとともに、相談体制の強化、裁定等の事務の迅速化に更に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109101036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。