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閣法第93回国会 第17号成立修正あり

健康保険法等の一部を改正する法律案

昭和55年法律第108号 健康保険法等の一部を改正する法律
提出昭和55年10月7日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立
昭和55年法律第108号
審議会議 12回・発言 2,328(政府答弁等 1,107)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S55.10.14趣旨説明社会労働委員会 112
  2. S55.10.30質疑社会労働委員会 5422
  3. S55.11.5質疑社会労働委員会 6252
  4. S55.11.7質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案社会労働委員会 790
  5. S55.11.11委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1414

参議院社会労働委員会

  1. S55.11.12趣旨説明・質疑本会議 831
  2. S55.11.13趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明社会労働委員会 6236
  3. S55.11.18質疑社会労働委員会 7385
  4. S55.11.20質疑社会労働委員会 8354
  5. S55.11.25質疑社会労働委員会 9493
  6. S55.11.27質疑・討論・採決・附帯決議社会労働委員会 10308
  7. S55.11.28附帯決議・委員長報告・討論・採決本会議 1269

提案理由

園田直 厚生大臣 昭和55年10月14日

 次に、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 医療保険制度の基本的改革は、かねてから重要な課題となっているところでありますが、医療保険をめぐる諸情勢は、近年厳しさを加えております。

 かつてのような高度経済成長が期待できない情勢のもとにおいては、人口構成の老齢化や医療の高度化等により医療費の伸びが賃金の伸びを上回る状況が続くものと考えられます。また、このような医療費の負担の問題のみならず、医療体制の整備、老人保健医療制度の整備など、早急に解決を図るべき多くの問題があります。

 したがいまして、医療保険制度の基本的改革に当たりましては、医療保険制度のみにとどまらず、医療制度、健康管理対策など、関連各分野においても逐次改善を図ってまいる考えであります。

 医療保険制度の改革については、まず、社会経済情勢の変化に対応した健康保険制度の健全な発展を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を第八十四回国会に提出し、その後第九十一回国会に至るまで御審議を煩わしたのでありますが、成立を見るに至りませんでした。

 しかしながら、医療保険制度の改革は緊急の国民的課題であり、一刻も早くその実現を図る必要があることから、さらに今国会にこの法律案を提案し、御審議を願うことといたした次第であります。

 以下、この法律案の内容について、概略を御説明申し上げます。

 まず、健康保険法の改正について申し上げます。

 第一は、医療給付に関する改正でありますが、被保険者と被扶養者との医療給付について同一水準の給付を確保することを基本とし、患者負担を適正なものとすることといたしております。

 患者負担につきましては、初診時の負担を千円とし、投薬、注射に係る薬剤または歯科材料に要する費用の二分の一を新たに負担願うこととしております。ただし、高価かつ長期間連続して投与される薬剤や、検査、麻酔に使用される薬剤は、負担の対象としないこととしております。さらに、入院の場合には一日につき給食料に相当する額を負担していただくこととしております。

 これらの患者負担の額が著しく高額となったときは、高額療養費を支給することとしております。

 第二は、分娩費等の給付に関する改正でありますが、分娩費等の最低保障額や配偶者分娩費等の額を実情に即して改定できるものとするため、政令で定めることといたしております。

 第三は、保険料に関する改正でありますが、保険料負担の公平を図るため、賞与等についても標準報酬と同様の保険料率で保険料を徴収することとしております。

 次に、給与の実態に即して標準報酬等級の上限を調整できることとするため、上限に該当する被保険者の割合が百分の三を超えた場合には、社会保険審議会の意見を聞いて政令をもって上限を改定できることとしております。

 また、政府管掌健康保険の保険料率は、厚生大臣が社会保険審議会の議を経て千分の八十を超えない範囲内において定めることができることとしております。健康保険組合の保険料率も同じく千分の八十を超えない範囲内において決定するものといたしております。

 第四は、国庫補助に関する改正でありますが、政府管掌健康保険についての保険料率の調整に連動した国庫補助率の調整規定は廃止し、国庫補助率は、主要な保険給付に要する費用の現行の千分の百六十四から千分の二百の範国内において政令で定めることといたしております。

 第五は、財政調整についてであります。今後、被用者医療保険間において財政調整措置が講じられるまでの間、健康保険組合間の財政調整を実施することとしております。

 第六は、保険医療機関などの登録、指定等に関する改正でありますが、個人開業医については保険医の登録があった場合、保険医療機関の指定があったものとみなすものとして手続の簡素化を図る規定、保険医療機関等の指定を拒否できる事由を法定する規定、未払いの一部負担金について、保険者が保険医療機関等の請求により徴収処分をすることができるものとする規定を設けることとしております。

 その他、給付の平等を図る見地から健康保険組合の付加給付を規制する規定を設けるほか、療養費の支給要件を緩和するための規定、海外にある被保険者等に対する保険給付の実施と保険料の徴収を行うための規定その他の規定の整備を行うこととしております。

 次に船員保険法の改正について申し上げます。

 船員保険の疾病部門につきましても医療給付、分娩費等の給付などについて、さきに述べました健康保険の改正に準じて所要の改正を行うものであります。

 次に、社会保険診療報酬支払基金法の改定について申し上げます。

 社会保険診療報酬支払基金における審査について再審査に関する規定を整備するものであります。

 なお、この法律の実施時期につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

第93回国会衆議院社会労働委員会議録第1号3頁(昭和55年10月14日)〔園田直厚生大臣発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム

判例が引用した会議録

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和55年11月7日

政府は、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。

一老人保健医療制度の昭和五十六年度創設を期するとともに、退職者医療の検討を引き続き行うこと。

二差額ベッド、付添看護等の保険外負担については、早急に解消するため、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。

三薬価調査の結果に基づき、薬価基準を早急に改定するとともに、実勢価格を正確に反映できるよう薬価調査の方法、薬価基準の算定方式等を改善すること。

四健康保険法に基づく行政権限による保険医療機関に対する指導、監査の徹底、社会保険診療報酬支払基金の審査の改善充実等医療費の適正化を図るための方策について検討し、速やかに所要の措置を講ずること。

五薬剤問題の解決に資するため、薬剤使用の適正化、窓口負担の問題等について検討を加えること。

六技術を中心とした合理的な診療報酬体系の確立に努めること。

七健康保険組合間における財政調整の実施に当たっては、健康保険組合の自主性が失われることのないよう配慮すること。

八政府管掌健康保険の運営について必要な人員及び予算を確保し、行政努力に一層配慮すること。

九健康保険の給付内容の改定に伴い、老人保健医療制度の創設とあわせて、国民健康保険の給付水準等そのあり方について早急に検討を進めること。

十医療に対する国民の信頼を回復するよう医療関係者の資質の向上を図るとともに、医療機関に対する医療法による医療監視等の徹底を期すること。

十一医療資源の有効利用を図るため、医師、医療施設の地域的偏在を是正する措置を講ずるほか、救急医療の拡充、地域医療対策の充実、看護婦等の医療従事者の養成と待遇改善等により、医療供給体制の整備を図ること。

十二国民の健康を守り福祉の向上を図るため、疾病の予防、治療からリハビリテーションまで一貫した健康管理体制を確立すること。

参議院 社会労働委員会昭和55年11月27日

政府は、次の事項について、その実現に努めるべきである。

一医療保険制度について、制度間格差の是正、本人家族の給付水準の格差是正等制度の抜本的改善を計画的に実施すること。

二老人保健医療制度の昭和五十六年度創設を期するとともに、退職者医療並びに国民健康保険の給付水準等そのあり方について検討を進めること。

三差額ベッド、付添看護婦等の保険外負担については、早急に解消するため、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。

四薬価調査の結果に基づき薬価基準を早急に改定するとともに、実勢価格を正確に反映できるよう薬価調査の方法、薬価基準の算定方式等を改善すること。

五健康保険法に基づく行政権限による保険医療機関に対する指導、監査の徹底、社会保険診療報酬支払基金の審査の改善充実等医療費の適正化を図るための方策について検討し、速やかに所要の措置を講ずること。

六薬剤問題の解決に資するため、薬剤使用の適正化、窓口負担の問題等について検討を加えること。

七技術を中心とした合理的な診療報酬体系の確立に努めること。

八政府管掌健康保険の運営について必要な人員及び予算を確保し、行政努力に一層配慮すること。また、健康保険組合について、その財政調整の実施に当たつては、組合の自主性が失われることのないよう配慮すること。

九医療に対する国民の信頼を回復するよう医療関係者の資質の向上を図るとともに、医療機関に対する医療法による医療監視等の徹底を期すること。

十医療資源の有効利用を図るため、医師、医療施設の地域的偏在を是正する措置を講ずるほか、救急医療の拡充、地域医療対策の充実、看護婦等の医療従事者の養成と待遇改善等により、医療供給体制の整備を図ること。

十一国民の健康を守り福祉の向上を図るため、疾病の予防、治療からリハビリテーションまで一貫した健康管理体制を確立すること。特にリハビリテーションに従事する各種療法士について長期的展望に立つた養成確保、処遇改善に努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109301017)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。